2022/10/21|836文字
<雇い入れ時の安全衛生教育>
労働者を雇い入れたときは、労働者に対して、その従事する業務に関する安全・衛生のための教育を行うべきことが法定されています。〔労働安全衛生法第59条、労働安全衛生規則第35条〕
ところが、所轄の労働基準監督署の安全衛生課が調査に入ると、安全衛生教育が実施されていないケースも多く、また、安全衛生教育に関する労働者からの相談も多く寄せられています。
<安全衛生教育の義務>
労働者を雇い入れたときは、遅滞なく、次の事項について、教育を行うことになっています。
ただし、労働安全衛生法施行令第2条第3号に掲げる業種(その他の業種)の事業場の労働者については、1から4までの事項についての教育を省略することができます。
反対に、5から8までの事項についての教育は省略できません。
1 機械等、原材料等の危険性または有害性およびこれらの取扱い方法に関すること。
2 安全装置、有害物抑制装置または保護具の性能およびこれらの取扱い方法に関すること。
3 作業手順に関すること。
4 作業開始時の点検に関すること。
5 業務に関して発生するおそれのある疾病の原因および予防に関すること。
6 整理、整頓および清潔の保持に関すること。
7 事故時等における応急措置および退避に関すること。
8 前各号に掲げるもののほか、当該業務に関する安全または衛生のために必要な事項
<留意事項>
労働者から労基署への「安全衛生教育が実施されない」という相談は、パートタイマーやアルバイトなどの短時間労働者からのものが多いようです。
契約形態にかかわらず、安全衛生教育は義務づけられていますので注意しましょう。
また、労基署が「安全衛生教育が実施されていない」と判断するのは、事実として行われているかどうかではなく、安全衛生教育の記録が職場に保管されているかどうかによって行います。
安全衛生教育について、日時、内容、実施者、参加者などの記録を残し、職場ごとにきちんと保管しておきましょう。