受動喫煙と職場の安全衛生

2022/09/09|940文字

 

<労働安全衛生法>

労働災害を防止するために事業者が講じなければならない措置については、労働安全衛生法に詳細に規定されています。

各事業場では、この法律などに従い、労働災害の防止と快適な職場環境の形成に積極的に取り組むことや、職場の安全衛生管理体制を確立しておくことが求められています。

 

<安全衛生管理体制>

労働安全衛生法では、業種や労働者数によって、総括安全衛生管理者、安全管理者、衛生管理者、産業医の選任が義務付けられています。〔第10条等〕

また、常時使用する労働者数が10人以上50人未満の事業場でも、業種により安全衛生推進者や衛生推進者の選任が義務付けられています〔第12条の2〕

会社は、これらの者に、事業場の安全衛生に関する事項を管理させなければなりません。

就業規則には、このことも規定しておくことが望ましいでしょう。

 

<受動喫煙の防止>

健康増進法は、望まない受動喫煙の防止を図るため、喫煙専用室など施設内の一定の場所を除き、喫煙が禁止されることとしています。

令和2(2020)年4月からは、事務所や飲食店等の場合、たばこの煙の流出を防止するための技術的基準を満たした喫煙専用室、加熱式たばこ専用喫煙室等以外の屋内の場所では、喫煙が禁止となりました。

これに先駆けて、すでに令和元(2019)年7月からは、学校、病院、児童福祉施設等の第一種施設では、受動喫煙を防止するために必要な措置を講じた特定屋外喫煙場所を除き、敷地内禁煙となっています。

これ以降、施設の管理権原者等は、喫煙をすることができる場所に20歳未満の者を立ち入らせてはならないことになっています。

労働者の受動喫煙を防止するため、実情に応じた措置を講ずる努力義務が事業者に対して課せられています。

就業規則には、次のような規定を加えることになります。

 

・20歳未満の者は、喫煙可能な場所には立ち入らないこと。

・受動喫煙を望まない者を喫煙可能な場所に連れて行かないこと。

 

事業場内では、喫煙専用室等の指定された場所以外は禁煙とし、周知することが必要です。

また、思い切って、事業場の敷地内全体を禁煙対象とすることも考えられます。

この場合の就業規則の規定は、上の2つに代えて「喫煙は、敷地内では行わないこと。」となります。

 

PAGE TOP