兼務役員が兼務しない役員になったときの雇用保険

2021/10/28|662文字

 

<役員が雇用保険の対象者(被保険者)となる場合>

役員などが同時に部長、支店長、工場長など会社の従業員としての身分を兼ねている兼務役員の場合であって、就労実態や給料支払などの面からみて労働者としての性格が強く、雇用関係が明確に存在している場合には、例外的に雇用保険の対象者(被保険者)となります。

ハローワークで雇用保険の対象者(被保険者)とするときの手続には、就業規則、登記事項証明書、賃金台帳、などの提出が必要となります。

「働いている」という実態に変わりがなくても、一般の従業員から兼務役員になった場合には、ハローワークでの手続が必要になります。

兼務役員は、従業員としての身分の部分についてのみ、雇用保険の対象者となります。

そして保険料も、役員報酬の部分は含まれず、労働者としての賃金部分のみを基準に決定されます。

このことから、役員報酬と賃金とが明確に区別できる状態であることも必要です。

 

<雇用保険の対象者(被保険者)ではなくなる場合>

法人等の代表者(会長・代表取締役社長・代表社員など)は、雇用保険の対象者(被保険者)とはなりません。

また、法人等の役員(取締役・執行役員・監査役など)についても、原則として雇用保険の対象者(被保険者)となりません。

これらの人と会社との関係は、雇用ではなく委任だからです。

従来、兼務役員として雇用保険の対象者(被保険者)であった人が、就労実態や給料支払などの面からみて労働者としての性格が弱くなり、雇用関係が存在しているとはいえなくなった場合には、雇用保険の資格を喪失することになります。

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