労災なのに保険証を使ってしまった場合の手続き

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<健康保険より有利な労災保険>

労災保険では、労働者が業務または通勤が原因で負傷したり、病気にかかった場合に、労働者の請求に基づき、治療費の給付などを行っています。

しかし、業務または通勤が原因と考えられるにもかかわらず、労災保険による請求を行わず、健康保険を使って治療を受けるケースがあります。

これは、労働者に不利です。

健康保険では、被災者が原則として治療費の3割を負担しますが、労災保険なら、被災者の自己負担は原則としてありません。

また、負傷や病気で休んだ場合、健康保険の傷病手当金では賃金の約67%の補償となりますが、労災扱いならば賃金の80%が補償されます。

さらに、業務災害であれば、休業の3日目まで事業主が賃金の60%以上を補償します。

 

<労災保険に切り替え可能な場合>

受診した病院の締め日などの関係で、健康保険から労災保険への切り替えが簡単にできる場合には、次の手順によります。

・病院の窓口で支払った金額が返還

・労災保険の様式第5号または様式第16号の3の請求書を受診した病院に提出

 

<労災保険への切り替えができない場合>

受診した病院の締め日などの関係で、健康保険から労災保険への切り替えが簡単にできない場合には、次の手順によります。

・一度、医療費の全額を自己負担した上で労災保険に請求

・全国健康保険協会などへ業務災害または通勤災害である旨を申し出る

・「負傷原因報告書」の記入・提出(不要な場合もあり)

・全国健康保険協会などから医療費返納の通知と納付書が届く

・近くの金融機関で返納金を支払う

(健康保険が使えないのに使ってしまったため返金が必要となります)

・返納金の領収書と病院に支払った窓口一部負担金の領収書を添えて、労災保険の様式第7号または第16号の5を記入のうえ、労働基準監督署へ医療費を請求

 

<結論として>

間違った手続をやり直すのは、大変になってしまうことが多いものです。最初から必要な手続きをきちんと確認しましょう。

また、事業主の都合で、労災なのに健康保険の手続きを進めようとすることがあります。これ自体もちろん犯罪です。

そして、ケガが悪化して長く入院するような場合には、労働者の負担がとても大きくなります。

困ったときは、早めに所轄の労働基準監督署か社労士などに相談しましょう。

 

2016.08.11.