2021年 10月

2021/10/31|721文字

 

<高年齢雇用継続給付>

60歳から65歳になるまでの雇用保険加入者(被保険者)を対象とする、高年齢雇用継続給付という給付があります。

老齢基礎年金の支給が65歳からですので、期間限定の給付となっているわけです。

 60歳の時点と比べて、賃金が75%未満に低下した状態で働き続ける高齢者に支給される給付です。

支給対象月に支払われた賃金の低下率に応じて、2か月ごとに最高で賃金の15%が支給されます。

高齢者の就業意欲を維持、喚起して、65歳までの雇用の継続を援助、促進することが目的とされています。

 

<給付を受ける条件>

雇用保険の加入者(被保険者)であって、60歳になったとき被保険者期間が5年以上であることが必要です。

ただし、失業手当(基本手当)を受給したことがある方は、受給後の期間だけで計算します。

また、60歳になったときに5年未満であっても、その後5年に達すれば、その時から対象者となります。

失業手当(基本手当)を受給した後、60歳以後に再就職した場合に給付を受けるには、再就職の前日までの期間で失業手当(基本手当)の支給残日数が100日以上あること、安定した職業に就くことによって雇用保険の被保険者となったことが必要です。

 

<受給手続> 

会社と対象者とで、協力して書類を準備します。

提出先は、会社所轄のハローワークです。

必要書類の中に、離職票によく似たものがあり、「60歳に達した日」の欄は誕生日の前日を記入します。〔年齢計算ニ関スル法律〕

誕生日と1日ずれているのが曲者で、対象者の方が書類を記入する際に、修正のうえ訂正印を捺してくださるという失敗がありがちです。

法律上の年齢は誕生日の前日に1歳増えるということを、予め説明しておきましょう。

2021/10/30|733文字

 

<道義に反する仕事>

その昔、「モンスター社員をうつ病にして会社を辞めさせる」というブログ記事を書いた社会保険労務士が処分を受けたことがありました。

我々社会保険労務士の職業倫理が問われた事件でしたし、都道府県の社会保険労務士会や連合会が対策を強化するきっかけともなりました。

社会保険労務士としては、むしろ次のような仕事に取り組むべきです。

・モンスター社員を入社させない採用の仕組づくり

・モンスター社員を発生させない仕組づくり

・モンスター社員を教育して戦力化する仕組づくり

採用したのは会社に責任があるわけですから、後からモンスター社員だと気付いて退職に追い込むというのは責任逃れです。

また、会社の中でモンスター社員になっていったのなら、会社の責任はもっと重いことになります。

 

<懲戒処分を受ける仕事>

・事実に反する内容を含む書類の作成・提出

・労働局でのあっせんなど、紛争解決手続代理で虚偽の主張をすること

・保険給付を不正に受給すること

・保険料を不正に免除してもらうこと

こうした仕事をすれば、社会保険労務士は業務の停止処分を受けます。

当然のことですが、このような仕事は受けることができません。

  

<その他お受けできない仕事>

会社に一時的な利益をもたらすだけで、継続的な成長を妨げる仕事も、社会保険労務士が受けるべきではないと考えています。

その場限りの一時しのぎでは、会社のためにも、まじめに働く社員のためにもなりません。

会社と社員が、共に成長できるよう取り組んでいきたいと思います。

この観点から、働き方改革に逆らうような人件費の削減、長時間労働の推進、休暇取得の妨害といったことはお受けできません。

まじめに売上を伸ばそうとする経営者のお手伝をさせていただきたいと思います。

2021/10/29|1,414文字

 

<組織づくりの基本原則>

経営戦略論には、組織を作る上で意識すべき「組織設計の5原則」があります。

組織体制の構築や組織のルール作りには、次の5原則が重要です。

 

1.専門化の原則

2.権限責任一致の原則

3.統制範囲の原則

4.命令統一性の原則

5.権限委譲の原則

 

<専門化の原則>

組織作りの基本原則の1つ目は、専門化の原則です。

特定の業務に集中するために分業することをいいます。

組織の中で仕事を分業し、決められた専門分野に特化することで、その分野の業務に習熟しスキルを向上させることが容易となるので、組織の生産性が上がるわけです。

また、個人の役割や求められる成果が明確となりますので、個人の評価も客観的なものとなり、責任感や達成感も高まります。

メンバーシップ型雇用では、社内で多様な業務の経験を積み、いわゆる「なんでも屋」の育成が行われてきました。

しかし、専門化の原則を踏まえれば、専門分野に特化したジョブ型雇用の方が適合することになります。

 

<権限責任一致の原則>

組織作りの基本原則の2つ目は、権限責任一致の原則です。

役割に与えられる権限の大きさは、職務や職責に相応でなければならないことをいいます。

職責を果たすための権限が不相応に小さい場合、期待に応えるための業務活動は困難です。

こうした社員は、人事考課で低い評価を与えられることになり、モチベーションも低下してしまいます。

反対に、職責に対して権限が大きすぎると職権濫用の危険性が高まります。

こうしたことから、権限と責任の大きさは同じにする必要があります。

 

<統制範囲の原則>

組織作りの基本原則の3つ目は、統制範囲の原則です。

1人の管理職が直接管理できる部下の人数には限界があることを踏まえて、階層管理体制を構築することをいいます。

1人の管理職が直接管理できる部下の人数は、5人から10人程度と言われており、これを超えると管理効率が低下します。

部下の人数が多すぎると、部下の工数管理が困難になり、ミスのカバーに回ることも難しくなるため、業務に支障が出やすくなります。

こうしたことが発生しないように、組織の階層管理体制を構築することが大切です。

 

<命令統一性の原則>

組織作りの基本原則の4つ目は、命令統一性の原則です。

指示や命令は特定の1人から受けられるように、命令系統を構築することをいいます。

組織の中で、複数の者から指示が出ると、現場は混乱しますから生産性が低下します。

組織内の上下関係で、常に特定の1人から指示・命令を受けるような命令系統を構築し、組織の秩序が維持できるようにしなければなりません。

 

<権限委譲の原則>

組織作りの基本原則の5つ目は、権限委譲の原則です。

定型化された業務の処理は、なるべく早い時期に部下に委譲し、上司は非定型業務に専念すべきことをいいます。

ただ任せれば良いという風潮は危険です。

業務の具体的な内容や目的を明確にし、担当者の自主性を尊重することが重要です。

これらを怠ると、成果が上がらず改善が図れませんし、担当者のスキルアップと責任感の維持も難しいでしょう。

 

<実務の視点から>

新組織が構築された時点では、基本原則が強く意識されていても、やがてはその意識が薄れていくものです。

ベクトル合わせのため、定期的な研修とチェックが必要です。

うまく行かなくなった場合に、組織体制が悪いと考えるのではなく、組織運営を正常化することを優先していただけたらと思います。

2021/10/28|662文字

 

<役員が雇用保険の対象者(被保険者)となる場合>

役員などが同時に部長、支店長、工場長など会社の従業員としての身分を兼ねている兼務役員の場合であって、就労実態や給料支払などの面からみて労働者としての性格が強く、雇用関係が明確に存在している場合には、例外的に雇用保険の対象者(被保険者)となります。

ハローワークで雇用保険の対象者(被保険者)とするときの手続には、就業規則、登記事項証明書、賃金台帳、などの提出が必要となります。

「働いている」という実態に変わりがなくても、一般の従業員から兼務役員になった場合には、ハローワークでの手続が必要になります。

兼務役員は、従業員としての身分の部分についてのみ、雇用保険の対象者となります。

そして保険料も、役員報酬の部分は含まれず、労働者としての賃金部分のみを基準に決定されます。

このことから、役員報酬と賃金とが明確に区別できる状態であることも必要です。

 

<雇用保険の対象者(被保険者)ではなくなる場合>

法人等の代表者(会長・代表取締役社長・代表社員など)は、雇用保険の対象者(被保険者)とはなりません。

また、法人等の役員(取締役・執行役員・監査役など)についても、原則として雇用保険の対象者(被保険者)となりません。

これらの人と会社との関係は、雇用ではなく委任だからです。

従来、兼務役員として雇用保険の対象者(被保険者)であった人が、就労実態や給料支払などの面からみて労働者としての性格が弱くなり、雇用関係が存在しているとはいえなくなった場合には、雇用保険の資格を喪失することになります。

2021/10/27|569文字

 

<賞与にかかる社会保険料>

年3回以下支給される賞与についても、健康保険・厚生年金保険の毎月の保険料と同率の保険料を納付することになっています。

会社が社会保険加入の社員へ賞与を支給した場合には、支給日より5日以内に「被保険者賞与支払届」により支給額等を届け出ます。

この届出内容により標準賞与額が決定され、これにより賞与の保険料額が決定されます。

なお、年4回以上支給される賞与は、賞与支払届の対象とはならず、報酬月額に加算され標準報酬月額の計算基準に含まれます。

 

<賞与の社会保険料の計算方法>

算定基礎届や月額変更届で使われる標準報酬月額保険料額表は使いません。

実際に支払われた賞与額(税引き前の総支給額)の1,000円未満を切り捨てた額を「標準賞与額」とします。

その「標準賞与額」に健康保険・厚生年金保険の保険料率をかけた額が、社会保険料となります。

保険料は、事業主と被保険者が折半で負担します。

 

<賞与の社会保険料の上限額>

標準賞与額の上限は、健康保険では年度の累計額573万円(年度は毎年41日から翌日331日まで)です。

また、厚生年金保険は1か月150万円とされていますが、同月内に2回以上支給されるときは合算した額で上限額が適用されます。

ここに示した上限額は、法改正により変更となる場合がありますので、最新情報をご確認ください。

2021/10/26|935文字

 

<有期労働契約>

有期労働契約とは、1年契約、6か月契約など契約期間の定めのある労働契約のことをいいます。

パート、アルバイト、契約社員、嘱託など会社での呼び名にかかわらず、契約期間の取り決めがあれば有期労働契約です。

正社員であっても、定年までという区切りはあるのですが、定年は契約期限とは考えられていません。

 

<最長期間>

有期労働契約の期間は、原則として3年が上限です。

ただし、専門的な知識等を有する労働者、満60歳以上の労働者との労働契約については上限が5年とされています。〔労働基準法第14条第1項〕

他にも特別法による例外があります。

労働契約の期間が短ければ、労働者の立場が不安定になります。

ところが、あまり長くても、労働者をその契約に拘束してしまうことになります。

労働者が安定して働けることと、長期間の契約で縛られないこととは相反する要請です。

有期労働契約の最長期間は、この2つの利益のバランスを考えて法定されているのです。

 

<無期労働契約への転換>

有期労働契約が繰り返し更新されて通算5年を超えたときは、労働者からの申し込みにより、期間の定めのない無期労働契約に転換できるというルールがあります。〔労働契約法第18条〕

これには特例があり、高度な専門的知識等を有する有期雇用労働者、定年後引き続き雇用される有期雇用労働者については、会社が労働局長に申請することによって、一定の期間については、無期転換申込権が発生しないことになります。〔専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法〕

さらに特殊な例外ですが、研究開発能力の強化と教育研究の活性化等の観点から、大学等や研究開発法人の研究者、教員等については、無期転換申込権発生までの期間が原則10年となっています。〔研究開発システムの改革の推進等による研究開発能力の強化及び研究開発等の効率的推進等に関する法律及び大学の教員等の任期に関する法律の一部を改正する法律〕

 

<解決社労士の視点から>

労働法は、労働者を保護するのが目的です。

しかし、労働契約の期間をどのように定めたら労働者の保護になるのかは、労働市場の情勢によって変化していきます。

度重なる法改正や通達、判例の変化の動向には注意を払う必要があるのです。

2021/10/25|1,494文字

 

<希望者への支援>

会社が従業員に対して、自己啓発の一環として資格取得を支援するというのは、以前から行われていますし、業務との関連性の強いものは、特に支援を強化しているのが一般です。

あくまでも任意ですから、勉強時間の確保は自己責任です。

ただ、試験の当日や直前に特別休暇が設けられていることはあります。

勉強や受験に必要な経費の一部を会社が負担する場合もありますが、合格を条件として支払われることもあります。

事前申告無しに、合格したら報奨金を請求できるという仕組のこともあります。

いずれの場合も、資格取得を目指すか否かが、完全に従業員の自由に任されているわけです。

 

<資格取得を命じた場合の支援>

業務上の必要から、会社に資格者を置きたい場合には、従業員に資格取得を命じることもあります。

この場合には、資格取得に必要な行為は業務に準ずるものですから、次のような支援が必要となります。

資格取得に必須とされる教材費、受講料、受験料は会社負担とするのが妥当です。

会社指定の講習に参加させる場合には、その受講料や交通費、参加している時間帯の賃金の支払が必要です。

資格取得のためにレポートなどの提出が必要な場合には、その作成に必要な時間の賃金支払も必要です。

受験までは、業務の配分を見直して、勤務時間に勉強できるようにしたり、残業しなくても済むようにしたりの配慮も求められます。

資格取得に成功したら、昇級・昇格するとか、資格手当や金一封を支給するといったインセンティブも必要です。

 

<パワハラとなる場合>

パワハラの6類型のうちの「過大な要求」となるのが典型的です。

個人の能力や経験に照らして、難易度が高すぎる資格の取得を求め、一定の期間内に取得できなければ不利益を課すというのは明らかに「過大な要求」です。

業務との関連性が薄い資格の取得を強要したり、勤務状況から見て明らかに勉強時間を確保できないのに資格取得を求めたりするのも「過大な要求」となります。

 

<資格ハラスメントと背景>

資格ハラスメント(シカハラ)とは、会社が従業員に資格取得を強要し不当な負担を負わせたり、資格を取得できない従業員に対して減給、降格、退職勧奨、解雇などの不利益な取扱いをしたりするハラスメントです。

企業は、長年にわたって終身雇用、年功序列を前提としたメンバーシップ型雇用を行ってきました。

そこでは、企業内で役立つ能力が重視され、勤続年数や経験が能力の指標として用いられてきました。

しかし近年では、客観的に評価できる能力や仕事の成果が重視されるようになり、ジョブ型雇用も行われるようになりました。

こうした中で、資格を重視し従業員の資格取得を推奨する企業が増えた一方で、資格取得を口実とするハラスメントも顕在化するようになったのです。

 

<悪質な資格ハラスメント>

その会社の業務に無関係で難易度の高い資格取得を命じ、会社としての支援を全く行わないばかりか、長時間の残業や休日出勤を行わなければこなしきれない業務を担当させ、すぐに資格取得できないと解雇に追い込むというブラック企業もあります。

これはもう、資格取得の失敗を口実とする明らかな不当解雇です。

 

<解決社労士の視点から>

シカハラも、セクハラ、パワハラ、マタハラなどと同様に、以前から存在していたものが強く認識されるようになったものです。

その本質は、不当な嫌がらせであり、不法行為や犯罪に該当することがあります。

この場合、従業員や退職者は、企業に対して損害賠償を請求することもあります。

世間で新たなハラスメントの認識が強まるにつれ、企業の賠償責任のリスクも高まっているといえます。

2021/10/24|734文字

 

<就業規則と労働契約(雇用契約)との優先順位> 

労働契約は、会社と各労働者との個別契約です。

一方、就業規則に定めてあることは、その就業規則が適用される労働者に共通するのが原則です。

そして、就業規則に定めきれない各労働者に特有のことは労働契約に定められます。

原則として、就業規則が労働契約に優先します。〔労働基準法第93条、労働契約法第12条〕

ところが、就業規則が優先という法律の規定は、労働契約が就業規則よりも低い労働条件を定めて労働者に不利となる場合には、その部分を無効にして就業規則に従うという内容になっています。

ですから、労働契約の中に就業規則よりも有利な部分があれば、その部分については労働契約が有効となります。

結論として、就業規則と労働契約の規定のうち、その労働者にとって有利なものが有効となります。

 

<具体的な判断>

就業規則と労働契約を比べて、違いがある部分については労働者に有利な方が有効となるとはいえ、これが簡単ではないのです。

たとえば、午後1時から3時の間はお客様が少なくてお店が暇だとします。

就業規則には、休憩時間が1時間と書かれているけれども、店長がパートさんとの労働契約更新にあたって「これからは休憩を2時間にしましょう」と提案し、パートさんがこれに合意したらどうでしょう。

多くの方にとっては、拘束時間が変わらないのに収入が減るので不利になると考えられます。

ところが、自宅が職場の隣にあって「ラッキー!昼休みに洗濯が済ませられるわ」と喜ぶパートさんがいるかもしれません。

労働法全体の考え方からすると、休憩時間は長い方が労働者に有利と考えられています。

しかし、必ずしもそうではありませんから、ここは会社と労働者との話し合いで解決したいところです。

2021/10/23|1,132文字

 

ここでは、一般の事業(継続事業)について説明しています。

建設業などの一括有期事業は労災保険料の仕組が違います。

 

<労働保険の保険料>

雇用保険と労災保険の保険料は、合わせて労働保険の保険料として、毎年4月1日から翌年3月31日までの保険年度を単位として計算されます。

その額は、雇用保険と労災保険のそれぞれについて、対象となる従業員に支払われる賃金の総額に、その事業ごとに定められた保険料率を掛けて算定されます。

労災保険料は、全額会社負担ですから従業員は負担しません。

雇用保険料は、会社の方が従業員よりも多く負担します。

 

<保険料の計算で間違えやすいポイント>

保険料の基準となる賃金は、毎年4月1日から翌年3月31日までの保険年度中に賃金計算の締日があるものが対象となります。

勤務の期間や支払日ではなく締日が基準です。

最も間違えやすいのは、雇用保険の対象者、労災保険の対象者の確定です。

取締役は、どちらも対象外であることが多いのですが、労働者の立場を兼ね備えている場合には対象となるケースもあります。

この場合に、保険料の計算基礎となるのは、役員報酬を除く労働者としての賃金部分に限られます。

別の会社から出向してきている人は、働いている会社で労災保険料だけを負担します。

学生の場合、定時制や通信制の学校であれば雇用保険の対象になります。

他にも、雇用保険の保険料が免除される人がいたり、労災保険料の割引があったりと複雑です。

 

<年度更新とは>

労働保険では、翌年度の保険料を概算で納付し、年度末に賃金総額が確定してから精算するという方法がとられています。〔労働保険徴収法第15条・第17条〕

したがって会社は、前年度の保険料を精算するための確定保険料の申告・納付と、新年度の概算保険料を納付するための申告・納付の手続を同時に行うことになります。

これが「年度更新」の手続きです。

この年度更新の手続は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で延期されたことはありますが、原則として毎年6月1日から7月10日までの間に行わなければなりません。〔労働保険徴収法第19条〕

保険料の支払期限も7月10日です。

この日までに納付しない場合には、会社あてに督促状が届きます。

督促状には、発送日から10日後が最終支払期限として表示されています。

この期限を過ぎてしまうと、7月10日にさかのぼって遅延利息が発生します。

また手続が遅れると、政府に保険料の額を決定され、さらに追徴金10%を課されることもあります。〔労働保険徴収法第21条・第25条〕

1年間の賃金が確定してから準備を始めると余裕が無くなりますので、最後の1か月の賃金を加えれば確定できるという状態にまで、先に準備しておくことをお勧めします。

2021/10/22|848文字

 

<計算方法の改正>

令和4(2022)年1月1日、役員等以外で勤続年数5年以下の者に対する退職手当等(短期退職手当等)の退職所得金額の計算方法が改正されます。

 

【現 行】

退職所得金額=(退職手当等の収入金額-退職所得控除額)×1/2

退職所得金額は、その年中に支払を受ける退職手当等の収入金額から、その人の勤続年数に応じて計算した退職所得控除額を控除した残額の2分の1に相当する金額とされています。

ただし、役員等勤続年数が5年以下である人が、その役員等勤続年数に対応する退職手当等として支払を受ける特定役員退職手当等については、この「2分の1課税」を適用しないこととされています。

 

【改正後】

令和3年度の税制改正により、令和4(2022)年1月1日からは、短期勤続年数に対応する退職手当等として支払を受けるもので、特定役員退職手当等に該当しないものは「短期退職手当等」といい、その退職所得金額については、次のとおり計算することとされました。

 

(短期退職手当等の収入金額-退職所得控除額)が300万円以下の場合

退職所得金額=(短期退職手当等の収入金額-退職所得控除額)×1/2

 

(短期退職手当等の収入金額-退職所得控除額)が300万円超の場合

退職所得金額=150万円+{短期退職手当等の収入金額-(300万円+退職所得控除額)}

300万円以下の部分の退職所得金額が150万円です。

300万円を超える部分の退職所得金額が、{短期退職手当等の収入金額-(300万円+退職所得控除額)}です。

 

<適用対象の注意点>

この改正は、令和4年分以後の所得税について適用されます。

退職手当等については、その「収入すべきことが確定した日」が令和4年1月1日以後であれば、改正後の法令が適用されます。

この「収入すべきことが確定した日」は、原則、退職手当等の支給の基因となった退職の日となります。

したがって、令和3年12月31日以前に退職した社員に対して支払う退職手当等については、改正前の法令の適用を受けることとなります。

2021/10/21|914文字

 

<休日出勤にはならない休日の労働>

日曜日や祝日は、カレンダーでは赤い数字で表示されます。

これらは、日常用語としての「休日」にあたります。

しかし、この「休日」に出勤したからといって、必ずしも休日出勤となり割増賃金が発生するというわけではありません。

スーパーマーケットやパチンコ店など店舗での接客業では、日曜日にお客様が多いため、時給が100円プラスされるということがあります。

これは、労働基準法などの規定によるものではなく、従業員の公平やシフトの組みやすさなどを考えて会社が独自に行っているものです。

ですから、時給が100円プラスの日に時間外労働が発生すれば、100円をプラスしたうえで割増賃金を計算しなければなりません。

 

<法定休日の労働>

会社は、社員に少なくとも週1日、または、4週で4日の休日を与えなければなりません。

これが、労働基準法のいう法定休日です。〔労働基準法第35条第1項、第2項〕

週1日の法定休日が与えられる社員が、日曜日から土曜日まで7日間連続で出勤すれば、法定休日の労働時間について、35%以上の割増賃金が発生します。

これが「法定休日出勤手当」です。

この場合に、どの日が法定休日なのか予め就業規則などでルールを決めておかないと、給与を計算するときに困ってしまいます。

就業規則には、従業員が読んでわかりやすい表現で明確に定めておきましょう。

原則として、法定休日出勤手当は勤務時間分の手当を支給するのですが、1時間の勤務でも丸々 1日の所定労働時間分支給している会社もあります。

これは、労働基準法の基準を上回る支給ですから、全従業員一律の基準で支給していれば問題ありません。

 

<所定休日の労働>

週休2日制で、毎週日曜日が法定休日、木曜日がもう1日の休日という場合、この木曜日は「所定休日」になります。

この場合、仕事の都合で止むを得ず木曜日に出勤すれば、この日の出勤は所定休日の労働となります。

所定休日の労働は、8時間を超えなければ、必ずしも時間外割増賃金の対象とはなりません。

しかし、原則として週40時間を超える労働となった時間は、通常の残業同様に25%以上の割増賃金となります。

これが「所定休日出勤手当」です。

2021/10/20|673文字

 

<法人番号>

法人番号は、株式会社などの法人等に指定される13桁の番号です。

登記上の所在地に通知された後、原則としてインターネット(法人番号公表サイト)を通じて公表されます。

ですから、法人番号を秘密にする必要はありません。

法人番号は、行政を効率化し、国民の利便性を高め、公平かつ公正な社会を実現するためにできました。

まず、法人等に関する情報管理などの効率化を図り行政コストを削減します。

また、行政機関同士での情報連携を図り、書類の削減や手続の簡素化で企業側の事務負担を軽減します。

さらに、法人など団体に関する情報の共有により、社会保障制度、税制その他の行政分野で、給付と負担を公平かつ適切にします。

これを裏から見ると、不正受給、社会保険の不正な未加入、脱税などの摘発が容易になるわけです。

 

<個人番号との違い>

個人番号(マイナンバー)は重要な個人情報ですから、不正に取得してはなりませんし一人ひとりが大切に管理しなければなりません。

たとえ個人番号が第三者に漏れてしまったとしても、個人番号の活用が進んでいない現在、今すぐに大きな被害が発生するとは考えられません。

しかし、10年後、20年後に個人番号が活用されるようになってから、その昔漏れてしまった個人番号が悪用されて被害が現実化するということも考えられるのです。

これと異なり、法人番号は原則として公表され誰でも自由に利用できます。

むしろ、利用範囲に制限がないことから、国が民間による利活用を促進することにより、国民に対しても役立つ企業情報が提供されるなど、新たな価値の創出が期待されているのです。

2021/10/19|1,863文字

 

正社員の昇給が少ないのはおかしいのかhttps://youtu.be/9edRCpRt8RY

 

<最低賃金の引上げ>

最低賃金が年々引き上げられ、事業規模に関わらず、賃金上昇圧力が高まっています。

令和2(2020)年10月は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を踏まえて、たとえば東京都では1,013円に据え置かれましたが、令和3(2021)年10月には1,041円へと引上げが再開されています。

こうして東京都の最低賃金は、この5年間だけを見ても932円から1,041円へと約11.7%上昇しています。

特に、小売業、製造業、清掃業、警備業などでは、最低賃金付近の時給で勤務している非正規社員が多いことから、最低賃金の急上昇が人件費の増加につながっています。

今年の10月に新規に東京都で採用されたパート社員の時給は、最低でも1,041円ですから、昨年、一昨年に採用されたパート社員は、更に高い時給でなければなかなか納得してもらえません。

最低賃金未満で働いていたパート社員の時給を、最低賃金に引き上げれば済むということではないのです。

 

<正社員の昇給>

厚生労働省が令和3(2021)年3月31日に公表した「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、一般労働者(正社員)の月額賃金は、令和2年が307.7千円、5年前の平成27年が304.0千円、10年前の平成22年が296.2千円となっています。

令和2年の数値の出し方は、従来と変更されているので正確ではありませんが、単純計算では5年間で1.2%、10年間で3.9%の上昇と低い伸びに留まっています。

 

<正社員の不満>

正社員のうち数値管理の役割を担う管理職は、自部署の正社員・非正規社員の賃金の伸び率を把握していますので、非正規社員に対して正社員の昇給率が低いという実感を持ちやすいわけです。

昭和時代の感覚で言えば、「正社員は給与が高く、賞与や退職金も出る。パート社員の賃金が低く、賞与や退職金が出ないのは、パート社員として雇われたのだから当然だ」ということになります。

この感覚からすると、正社員と非正規社員とで、年収の差が縮まるのはおかしいということになります。

「正社員なのに毎年思うように昇給していかないのはおかしい」とも感じるわけです。

 

<同一労働同一賃金の考え方>

民法の「契約自由の原則」の趣旨を踏まえて、労働契約の締結を自由に任せておいたところ、正規労働者と非正規労働者との間で、不合理と見られる待遇差が増えてしまったという不都合が生じました。

原因としては、非正規労働者が使用者との間で労働契約の内容を決定する場合に、かなり弱い立場にあって、自由な交渉が大きく制限されているという実態が浮かび上がります。

つまり、当事者の対等な立場での交渉を前提とする「契約自由の原則」は、非正規労働者には当てはまらないのに、当てはまるものとして放置されてきたことに対する反省から、この待遇差を是正するために「同一労働同一賃金」が法制化されました。

改正前の労働契約法第20条や、現行のパートタイム・有期雇用労働法(短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律)第8条・第9条にその趣旨が示されています。

正規労働者・非正規労働者の区分がある以上、その間の格差は当然に存在するものであることは認め、不合理な差別とならないように均衡を求める趣旨となっています。

具体的には、担当する職務の内容(業務の内容と責任の程度)、職務内容と配置の変更の範囲(職種の変更、昇進、転勤など)、その他の事情(正社員登用制度の実績など)を総合的に比較したうえで、個別の賞与、退職金、手当、休暇などに不合理な差別が無いかを検討する形になります。

こうして、「正社員は給与が高く、賞与や退職金も出る。パート社員の賃金が低く、賞与や退職金が出ないのは、パート社員として雇われたのだから当然だ」という昭和時代の感覚は否定されているわけです。

 

<働き方改革の視点から>

同一労働同一賃金は、働き方改革の一環で導入されました。

正社員と非正規社員との待遇差が不合理なものであってはならないというのは、正社員の待遇を引き下げて非正規社員並みにすれば良いということではありません。

非正規社員の待遇を引き上げて、非正規社員であっても安心して結婚し子供を育てられる日本にしようという、少子化対策の趣旨も込められています。

最低賃金の急速な引上げも、こうした少子化対策の趣旨に沿ってのことです。

「正社員なのに毎年思うように昇給していかない」のも、政府の推進する働き方改革の流れの中で、その意味を受け止めなければならないわけです。

2021/10/18|1,744文字

採用面接で聞けないことhttps://youtu.be/RMwaAg-3wYY

採用面接で病気のことを聞くhttps://youtu.be/Z46t58AAV_U

 

<労働局の指導>

面接担当官が、採用面接で聞いてはいけないことを聞いてしまい、応募者が労働基準監督署に相談した結果、その会社に労働局の指導が入るということがあります。

これは、全国の労働基準監督署が窓口となっています。

労働局は、その都道府県の労働基準監督署の上位に位置しますから、軽く考えてはいけません。

 

<聞いてはいけない本人に責任のない事柄>

・あなたの本籍はどこですか。

・あなたの家族の職業を言ってください。

・兄弟(姉妹)は何人ですか。

・あなたの自宅付近の略図を書いてください。

・○○町の××はどのへんですか。

企業としては、応募者の家族の状況を聞きたいところです。

しかしこれは、応募者の適性・能力にかかわりのない事柄を採否の判断基準に持ち込むことになり、個人の人権を尊重しない考え方です。

昔のJIS規格の履歴書には家族欄がありましたが、これは廃止され、厚生労働省から公表された新たな履歴書の様式例には、家族欄などありませんので注意が必要です。

また、現住所の環境についていろいろと聞くことは、身元調査に利用する目的ではないかと考えられても弁明の余地はありません。

 

<聞いてはいけない個人の自由であるべき事項>

・あなたの信条としている言葉は。

・あなたはどんな本を愛読していますか。

・家の宗教は何ですか。

・尊敬する人物を言ってください。

思想・信条や宗教、支持する政党、人生観などは、信教の自由、思想・信条の自由など、日本国憲法で保障されている個人の自由権に属する事柄です。

これらのことを記述させ、また聞いたりして採用選考の場に持ち込むことは、応募者の基本的人権を侵すことになります。

 

<企業の採用の自由とその制限>

企業にも職業選択の自由と経済活動の自由、そして契約締結の自由が保障されています。

これらが結びついて、企業には採用の自由が認められています。

したがって企業は、労働者の採用基準や採用条件について、原則として自由に決定することができます。

しかし、企業の採用の自由には、法律などによって一定の制限が課せられる場合があります。

その代表的なものは以下のとおりです。

・募集採用での性別による差別の禁止〔男女雇用機会均等法第5条〕

・労働者の身長、体重、体力を要件とすることの禁止

・転居を伴う転勤ができることを要件とすることの禁止〔男女雇用機会均等法第7条〕

・年齢制限の禁止〔雇用対策法第10条〕

・障害者差別の禁止〔改正障害者雇用促進法第34条〕

法定の規制を守らないと、口コミで会社の評判が落ちてしまいますし、応募者が来なくなってしまいます。

「うちは小さな会社だから、評判を気にすることはない」などと言っていると、人材不足で立ち行かなくなる可能性があります。

 

<公正な採用選考の取組>

企業が、学生・求職者らの応募者に対して、どのような採用手続で選考をするかについて法的な規制はありませんが、応募者である学生・求職者の基本的人権は尊重しなければなりません。

そこで、応募者の就職の機会均等が確保されるよう、公正な募集・採用選考が行われることが求められています。

つまり、本人が職務遂行上必要な適性・能力をもっているかどうかを採用基準とし、これと無関係な事項を採用基準としないことが必要です。

具体的には、本籍地や家族の職業など本人に責任のない事項や、宗教や支持政党などの個人の自由であるべき事項など、本人が職務を遂行できるかどうかに関係のない事項を採用基準とすることは許されません。

また、それらの事項を応募用紙や面接などによって把握することも、就職差別につながるおそれがあるため許されません。

 

<「面接シート」を使った採用面接の実施>

面接担当官が採用面接をするにあたっては、あらかじめ「面接シート」を準備しておくことをお勧めします。

「面接シート」には、面接で確認することをすべて網羅して記載しておき、応募者の回答も記入できるようにしておきます。

これを使いながら面接を進めることによって、聞き漏らしを防ぐことができ、効率よく進行することができますし、うっかり余計なことを聞いてしまうことも防げます。

裏面に面接担当官の評価やコメントを記入できるようにしておけば、記憶が新鮮なうちに情報をまとめることができます。

2021/10/17|1,049文字

 

労働時間https://youtu.be/E7e4EUCjBs8

 

<労働時間の認定基準>

労働時間とは、「労働者が実際に労働に従事している時間だけでなく、労働者の行為が何らかの形で使用者の指揮命令下に置かれているものと評価される時間」と定義されます。

これは、会社ごとに就業規則で決まったり、個人ごとに労働契約で決まったりするのではなく、客観的に決められている定義です。

 

<着替えの時間は労働時間>

就業時間中に着用を義務づけられている制服や、特定の作業を行う場合に必ず着用することになっている作業服に着替える時間は労働時間です。

もちろん、出勤してきたときの元の私服に着替える時間も労働時間です。

しかし、着用が義務付けられているわけではなく、着用するかどうかが労働者個人の自由であれば、一般に着替えの時間は労働時間に含まれません。

さらに、自宅から制服を着て出勤し、制服のまま帰宅すれば、着替え時間の問題はなくなるわけですが、業務以外で制服の着用を許してしまうと、所得税法上非課税とされる制服等には当たらないものとされる恐れもあり、この場合には、給与等として源泉徴収をする必要が発生してしまいます。

 

<他に労働時間となるケース>

昼休み中の来客当番や電話番、参加が義務づけられている研修や行事、警報や電話への対応が義務づけられている仮眠時間も労働時間です。

 

<黙認で労働時間となってしまうケース>

残業というのは、労働者が使用者から命令されて行うものです。

労働者がやりたくてやるのでもなく、労働者の勝手な判断でやるのでもありません。

ですから、たった1回だけ、労働者の勝手な判断で残業していたら、使用者から「勝手な残業は許しません」と注意して終わります。

しかし、何度も繰り返されていて、使用者側が見て見ぬふりをしていたら、残業について黙示の承認があったと判断されることもあります。

すると、時間外割増賃金が発生します。

これを防ぐため、就業規則には「自己判断での残業は許されないこと」「業務終了後は職場に残ってはならないこと」を規定しておきましょう。

 

<労働時間とならないケース>

通勤時間と同様に、出張先への往復時間も労働時間とはなりません。

ただし、物品の運搬を目的とする業務の移動時間は労働時間に該当します。

しかし、これを徹底してしまうと、出張が多い労働者の勤務時間が少なく計算され、出張の無い労働者との間で大きな不公平が発生してしまいます。

単純に出張先への往復時間を労働時間として賃金計算を行うか、別途、出張手当などを支給することによって不公平を解消する必要があるでしょう。

2021/10/16|941文字

 

<雇用保険法の改正>

令和4(2022)年1月1日から、雇用保険法の改正によりマルチジョブホルダー制度(高年齢被保険者の特例)がスタートします。

厚生労働省の事業主向けリーフレットによれば、次の適用要件を満たす労働者本人が、ハローワークに申出を行うことで、申出を行った日から特例的に雇用保険の被保険者(マルチ高年齢被保険者)となることができるようになります。

 

【適用要件】

・複数の事業所に雇用される65歳以上の労働者であること

・2つの事業所(1つの事業所における1週間の所定労働時間が5時間以上20時間未満)の労働時間を合計して1週間の所定労働時間が20時間以上であること

・2つの事業所のそれぞれの雇用見込みが31日以上であること

 

<雇入れに際して事業主が行うべきこと>

労働者が用意する次の3つの申請書類のうち、「雇用保険マルチジョブホルダー雇入・資格取得届」については、雇入れた事業主が労働者から記載依頼を受け、必要事項を記入したうえで確認書類と併せて本人に交付することとされています。

 

・雇用保険マルチジョブホルダー雇入・資格取得届

・個人番号登録・変更届

・被保険者資格取得時アンケート

 

次の添付書類は省略できません。

 

・賃金台帳、出勤簿(原則、記載年月日の直近1か月分)

・労働者名簿・雇用契約書

・労働条件通知書、雇入通知書

 

役員、事業主と同居している親族および在宅勤務者等といった労働者性の判断を要する場合は、別途確認資料が必要となります。

事業主は、労働者の住居所管轄ハローワークから交付される「雇用保険マルチジョブホルダー雇入・資格取得確認通知書(事業主通知用)」を保管します。

 

<離職に際して事業主が行うべきこと>

離職者が「雇用保険マルチジョブホルダー喪失・資格喪失届」に申出人記載事項を記入し、事業主は記載依頼を受けて必要事項を記入し、確認書類と併せて本人に交付します。

離職証明書の交付依頼があった場合はこれを作成し離職者に交付します。

 

<解決社労士の視点から>

今回、65歳以上の労働者限定で、マルチジョブホルダー制度を導入するのは、試験導入的な意味合いを持っています。

今後の運用状況を検証して、すべての年齢層に制度を拡張することも予定されていることは、言うまでもありません。

2021/10/15|556文字

 

年次有給休暇が会社に勝手に使われたhttps://youtu.be/JgWobP3JbN4

 

<休日と休暇>

休日とは、雇用契約や就業規則の取り決めで労働義務を負わない日をいいます。

もともと決まっている休みですから、従業員の方から会社に申請しなくても当然に休みです。

週休2日制であれば、何か手続をしなくても休日が1週間に2日あります。

休暇とは、本来は労働義務を負っている日について、従業員から会社への申し出によって労働義務が免除される日をいいます。

もともと休む権利が与えられていて、従業員の方から届け出をすると休むことができるわけです。

年次有給休暇が代表的ですが、会社の規則で慶弔休暇が定められていることも多いでしょう。

 

<休日と休暇は重なりません>

休日はもともと働かない日、休暇は出勤日に手続をして休む日ということですから、休日に休暇をとることはできません。

たとえば、土曜日と日曜日が休日と決まっている従業員は、土曜日や日曜日に年次有給休暇を使うことができないのです。

このことから退職にあたって、たくさん余っているからといって、年次有給休暇をもともとの休日にあてはめて無理やり取得するということはできません。

こんなことをしては、年次有給休暇が実質的に消えてしまいますから許されません。

退職にあたっては、年次有給休暇を買い上げることも禁止されていませんので、状況によっては会社が買い上げることもあるわけです。

2021/10/14|795文字

 

誕生日の前日に歳を取るhttps://youtu.be/jHOE0lr67T0

 

<誕生日の前日に1歳年をとる>

「年齢計算ニ関スル法律」という古い法律に次の規定があります。

 

年齢は出生の日より之を起算す

民法第143条の規定は年齢の計算に之を準用す

 

つまり、誕生日の前日の「午後12時」(2400秒)に年をとります。

「前日午後12時」と「当日午前0時」は、時刻としては同じですが日付は違うという理屈です。

学校でも、42日生まれから翌年41日生まれまでを1学年としています。

41日から翌年331日までの間に○歳になる生徒の集団ということです。

おそらく「誕生日に年をとる」だと、229日生まれの人は、4年に1回しか年をとらないので不都合だからでしょう。

2月29日生まれの人は、前日の228日に年をとることにして、救済しているのだと思います。

 

<就業規則にある定年の規定>

会社の就業規則で、「65歳の誕生日が属する月の月末をもって定年とする」なら勘違いは無いのですが、「65歳に達した日の属する月の月末をもって定年とする」だと、毎月1日生まれの人の定年退職日を間違えやすいのです。

たとえば、41日生まれの人の場合、前者の規定なら4月末で定年、後者の規定なら3月末で定年です。

間違った運用を長く続けているのなら、就業規則の方を改定しましょう。

 

<保険年齢という考え方>

満年齢で計算したうえで、1年未満の端数については6か月以下のものは切り捨て6か月を超えるものは切り上げて計算する方式があります。

端数についての「67入」です。

たとえば、299か月の保険加入者(被保険者)は30歳として取り扱われるわけです。

これは、保険年齢方式と呼ばれ、健康診断でも健診機関によっては個人の問診票にこの年齢が記載されます。

従業員から「私の年齢が1歳多い」というクレームが出ることもあります。

こうした場合には、健康診断のお知らせの中に保険年齢の説明を加えておくことをお勧めします。

2021/10/13|1,951文字

 

パワハラの定義https://youtu.be/Mdh36sSuu2o

 

<パワハラの定義の法定>

令和2(2020)年6月1日、労働施策総合推進法(正式名称:労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律)が改正され、パワハラの定義が法定されました。

これをきっかけに、就業規則やハラスメント防止規程の見直しをした企業は多数に上ります。

しかしハラスメント対策は、セクハラ対策→パワハラ対策→マタハラ対策の順に進んだ企業も多いことから、社内規程が継ぎ接ぎだらけになっている恐れがあります。

また、社内規程の運用をする中で、新たに意識されるようになった問題も増えてきています。

これを機会に、ハラスメント防止に関する社内規程を、再度見直していただけたらと思います。

 

<セクハラ対策>

企業内でのセクハラ問題がクローズアップされた当初は、主に男性の女性に対するものが取り沙汰されていました。

やがて、女性の男性に対するセクハラが問題視されるようになり、現在では同性間のセクハラ防止が求められるようになっています。

もし社内規程の中に「異性」という言葉が含まれているならば、同性間のセクハラ防止が十分な内容となっているか確認することをお勧めします。

また、かつてはセクハラの直接の対象者の保護が重視されていましたが、今では周囲にいる従業員の被害や就業環境を害することが強く認識されています。

被害者は、決して行為の直接の相手方だけではないという視点からの規定となっているか、社内規程の内容を見直すことが必要です。

 

<パワハラ対策>

パワハラ対策については、法改正もあり、厚生労働省等の資料も充実していますので、企業の社内規程も完成度の高い内容に改正されているものと思われます。

労働施策総合推進法には、「労働者は、優越的言動問題に対する関心と理解を深め、他の労働者に対する言動に必要な注意を払うとともに、事業主の講ずる前条第一項の措置に協力するように努めなければならない」と規定されています。〔第30条の3第4項〕

ですから、パワハラ問題に対する関心と理解を高め、パワハラ行為を行わないように注意し、企業のパワハラ対策に協力するといった労働者の義務についても、社内規程に定めておきたいものです。

 

<マタハラ対策>

マタハラ対策についても、多くの企業で社内規程が充実していることでしょう。

ただ少子化対策は、政府が強力に推進し続けていますし法改正も盛んです。

これらに合わせた更新が行われているか、3か月に1回程度はチェックしましょう。

また、男性が育児休業に関連した制度を利用しようとしたとき、これに対して行われるハラスメント(パタハラ)についても、社内規程の充実が必要です。

 

<企業内相談窓口の運用>

相談者から得られたプライベートな情報については、相談者の許諾の範囲内での利用が許されます。

・誰のどのような情報であるかを明かさずに改善に役立ててほしい

・事実関係について誰の話か特定できないような形で情報を活用してほしい

・誰と誰についての話か公表してもかまわない など

相談窓口の趣旨に反しない限り、相談者の意向を尊重するルールとしたいです。

ただし、加害者にもプライバシー権がありますので、「公表」には加害者の同意が必要となることもあります。

また、加害者からの相談もあります。

「自分のした言動の相手方から『ハラスメントだ』と言われたが理解できない」のような相談です。

こうした場合の対応についても、企業内相談窓口が行うのか、どのように行うのかについてルールを定めておかないと、相談を受けた担当者が対応に困ります。

さらに、相談窓口に対するクレームも発生します。

これにどう対応するかのルールも必要です。

いきあたりばったりの対応では、社内での信頼を失ってしまいます。

 

<包括的・横断的規定>

ハラスメント対策が必要なのは、セクハラ、パワハラ、マタハラに限られません。

被害者が働けなくなったり退職したりすれば、企業にとって大きなダメージとなるのは、他のハラスメントでも同様です。

モデル就業規則第15条のような「第12条から前条までに規定するもののほか、性的指向・性自認に関する言動によるものなど職場におけるあらゆるハラスメントにより、他の労働者の就業環境を害するようなことをしてはならない」といった、すべてのハラスメントを禁止する規定が必要でしょう。

また、労働施策総合推進法には「業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより」ということが明示されています。〔前掲の第30条の3第4項〕

つまり、業務上必要かつ相当な範囲内の言動は、パワハラに該当しないということです。

これは、すべてのハラスメントに共通の内容ですので、パワハラのみについて規定するのではなく、共通の総論的な部分に規定するのがお勧めです。

2021/10/12|810文字

 

平均賃金https://youtu.be/SaKOhWzRJEc

 

<平均賃金とは>

平均賃金は、賃金の相場などという意味ではなく、労働基準法等で定められている手当や補償、減俸処分の制限額を算定するときなどの基準となる金額です。

原則として事由の発生した日の前日までの3か月間に、その労働者に支払われた賃金の総額を、その期間の総日数(暦日数)で割った金額です。〔労働基準法第12条〕

法律の条文には、「算定すべき事由の発生した日以前三箇月間」と書いてありますが、「事由の発生した日」は、労災事故にあった日など丸々1日分の給料が支払われないことがあるので、実際の運用では前日までの期間で計算しています。

「通常の賃金」よりは、かなり低額となります。

 

<平均賃金が使われる場合>

労働者を解雇する場合の解雇予告手当=平均賃金の30日分以上〔労働基準法第20条〕

使用者の都合により休業させる場合に支払う休業手当=1日につき平均賃金の6割以上〔労働基準法第26条〕

年次有給休暇を取得した日について平均賃金で支払う場合の賃金〔労働基準法第39条〕

労働者が業務上負傷し、もしくは疾病にかかり、または死亡した場合の災害補償等〔労働基準法第76条から第82条、労災保険法〕

減給制裁の制限額 = 1つの理由で減給できるのは平均賃金の半額まで、複数の理由で制裁をする場合には月給など賃金総額の1割まで〔労働基準法第91条〕

 

<具体的な計算方法>

賃金の締日がある場合には、事由の発生した日の直前の締日までの3か月について、通勤手当、皆勤手当、時間外手当など諸手当を含み税金などの控除をする前の額(賃金総額)の合計額を算出します。

これを3か月の暦上の日数で割って、銭(1円の100分の1)未満を切り捨てます。

例外として、賃金が日額や出来高給で決められ労働日数が少ない場合には、総額を労働日数で割った金額の6割に当たる額が、上の方法で計算した結果よりも高い場合にはその額を適用します。(最低保障額)

2021/10/11|1,688文字

 

暑すぎる職場寒すぎる職場https://youtu.be/Cxs2OPz37Iw

 

<労働安全衛生法>

快適な職場環境の形成について、基本的なことを定めているのは労働安全衛生法です。

略して安衛法と呼びます。

安衛法の目的について、第1条が次のように規定しています。

 

第一条 この法律は、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)と相まつて、労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする。

 

つまり、この法律は、次の2つのことを目的としています。

・労災を防止して労働者の安全と健康を確保する

・快適な職場環境の形成を促進する

 

<事業者の講ずる措置>

そして、快適な職場環境の形成を促進するために、会社など事業者に次のような義務を課しています。

 

第七十一条の二 事業者は、事業場における安全衛生の水準の向上を図るため、次の措置を継続的かつ計画的に講ずることにより、快適な職場環境を形成するように努めなければならない

一 作業環境を快適な状態に維持管理するための措置

二 労働者の従事する作業について、その方法を改善するための措置

三 作業に従事することによる労働者の疲労を回復するための施設又は設備の設置又は整備

四 前三号に掲げるもののほか、快適な職場環境を形成するため必要な措置

 

この条文の「努めなければならない」というのは、努力義務であることを示しています。

努力義務というのは、法律の規定に違反しても、刑事罰や過料等の法的制裁を受けない義務です。

結局、守られるか否かは当事者の任意の協力次第ですし、守られているか否かの判断も当事者の評価に委ねられることになります。

 

<快適職場指針>

会社など事業者が快適な職場環境の形成を促進する義務については、労働安全衛生法に基づき、厚生労働省が「事業者が講ずべき快適な職場環境の形成のための措置に関する指針」を定めています。

その中の「温熱条件」という項目には、次のように定められています。

 

屋内作業場においては、作業の態様、季節等に応じて温度、湿度等の温熱条件を適切な状態に保つこと。

また、屋外作業場については、夏季及び冬季における外気温等の影響を緩和するための措置を講ずることが望ましいこと

 

<事務所衛生基準規則>

さらに、事務所内で事務作業に従事する労働者については、空気調和設備等による調整が可能である場合に限定して、事務所衛生基準規則に次の規定があります。

 

第五条 事業者は、空気調和設備又は機械換気設備を設けている場合は、室に供給される空気が、次の各号に適合するように、当該設備を調整しなければならない。

3 事業者は、空気調和設備を設けている場合は、室の気温が十七度以上二十八度以下及び相対湿度が四十パーセント以上七十パーセント以下になるように努めなければならない

 

これによると、事務所内は気温が17℃以上28℃以下、湿度が40%以上70%以下というのが基準になります。

つまり、年間を通してこの範囲内にあれば、法令の基準を満たしていることになります。

それでもなお、「暑い」「寒い」という話が出てくるのであれば、話し合いによる調整が必要となります。

 

<働き方改革との関係で>

働き方改革の定義は、必ずしも明確ではありません。

しかし、働き方改革実現会議の議事録や、厚生労働省から発表されている数多くの資料をもとに考えると「企業が働き手の必要と欲求に応えつつ生産性を向上させる急速な改善」といえるでしょう。

ひとり一人の労働者が「暑い」「寒い」ということで生産性が低下しているのであれば、温度環境を整えることで生産性が向上するのは目に見えています。

設備投資と電気代を人件費と比べるだけでなく、定着率の向上や採用の困難性を考えて、どこまでの対応が必要なのか、経営者としての判断は難しいのかもしれません。

それでも、蒸し暑い部屋で採用面接を行った場合と、快適な室内で採用面接を行った場合とでは、辞退者の人数に違いが出てくるのではないでしょうか。

2021/10/10|1,473文字

 

労災事故と被災者本人の過失https://youtu.be/81m6ognJTuY

 

<過労死等防止啓発月間>

厚生労働省では、11月を「過労死等防止啓発月間」と定め、過労死等をなくすためにシンポジウムやキャンペーンなどの取組を行っています。

この月間は、「過労死等防止対策推進法」に基づくもので、過労死等を防止することの重要性について国民の自覚を促し、関心と理解を深めるため毎年11月に実施されています。

月間中は、国民への啓発を目的として、各都道府県で「過労死等防止対策推進シンポジウム」、「過重労働解消キャンペーン」として、長時間労働の削減や賃金不払残業の解消などに向けた重点的な監督指導やセミナーの開催、土曜日に過重労働等に関する相談を無料で受け付ける「過重労働解消相談ダイヤル」等が行われます。

ここで「過労死等」とは、業務における過重な負荷による脳血管疾患又は心臓疾患を原因とする死亡、もしくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡又はこれらの脳血管疾患、心臓疾患、精神障害をいいます。

 

<脳・心臓疾患の労災認定基準の改正>

厚生労働省は、「心理的負荷による精神障害の認定基準」を改正し、厚生労働省労働基準局長から都道府県労働局長宛てに通知しました。〔令和2年5月29日付基発0529第1号通達〕

そして今度は、「脳・心臓疾患の労災認定基準」が改正されました。〔令和3年9月14日付基発第0914第1号〕

従来は、業務による過重負荷を原因とする脳血管疾患や虚血性心疾患等については、平成13(2001)年12月に改正された「脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)の認定基準」に基づき労災認定が行われていました。

しかし、改正から約20年が経過する中で、働き方の多様化や職場環境の変化が生じていることから、最新の医学的知見を踏まえて、「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」において検証等を行い、令和3(2021)年7月16日に報告書が取りまとめられ、認定基準が改正されたものです。

 

<改正前の基準>

業務の過重性の評価基準として、改正前の基準はそのまま維持されています。

これは、長期間の過重業務を基準とするものです。

・発症前1か月間に100時間または2~6か月間平均で月80時間を超える時間外労働は、発症との関連性が強い。

・月45時間を超えて長くなるほど、関連性は強まる。

・発症前1~6か月間平均で月45時間以内の時間外労働は、発症との関連性が弱い。

労働時間以外の負荷要因としては、 拘束時間が長い勤務、 出張の多い業務などが挙げられています。

 

<改正後の基準>

業務の過重性の評価基準として、従来の認定基準に新たに追加されたのが次の内容です。

まず、長期間の過重業務を基準とするものに以下が加わりました。

・改正前の基準の水準には至らないがこれに近い時間外労働があり、一定の労働時間以外の負荷もあった場合には、業務と発症との関連が強いと評価。

・勤務間インターバルが短い勤務、身体的負荷を伴う業務なども、評価対象とする。

また、短期間の過重業務であっても「発症前おおむね1週間に継続して深夜時間帯に及ぶ時間外労働を行うなど過度の長時間労働が認められる場合」等、異常な出来事があった場合には、業務と発症との関連性が強いと判断できる。

 

<解決社労士の視点から>

新たに加わった基準により労災と認定される事例は、これから出現してくることになります。

しかし少なくとも、従来の労災認定基準が一段緩和され、認定されやすくなったことは確かです。

「雇い主である会社側の責任もそれだけ重くなった」と言えます。

2021/10/09|1,974文字

 

残業の削減方法https://youtu.be/4zoPGEeciCY

 

<必要性の高くない業務をやめる>

「昔からこの業務をやっているから」というのは、無駄な業務である可能性が高いといえます。

なぜなら市場は変化し、これに対応する企業の業務も変化するわけですから、昔から行っている業務ほど無駄な業務である可能性は高いのです。

「もし、この業務をやめてしまったら」と仮定してみて、特に支障が無いのであれば直ちにやめましょう。

多少の不都合がある場合でも、それには目をつぶるとか、やり方を変えて時間を短縮できます。

ひとつの部門で無駄な業務を削減しようとしても、何が無駄なのか分からないことがあります。

関連する複数の部門で意見交換すれば、「その資料はもう要らないよ」という話が出てくるでしょう。

 

<ダブって同じ業務をやらないようにする>

上司が部下の仕事の具体的な内容を把握できていないことがあります。

これは上司が悪いのではなく、把握する仕組みが無いために起こる現象です。

上司が部下の仕事を具体的に把握できる仕組みがあれば、同じ仕事を複数の社員が行っているという無駄は省けます。

また、上司が部下の仕事内容を具体的に把握できている場合でも、別の部門とダブって同じ仕事を行っているケースは多いのです。

たとえば、総務、人事、経理で仕事内容の比較をすると、似通った業務があります。

どこか一つの部署でまとめて行えば、全体の労働時間が減少します。

 

<業務に必要な情報を社内外で共有する>

名刺情報を社内で共有するシステムは一般化しています。

小さな会社でも、「来週の火曜日は取引先の〇〇さんがお休み」という情報を共有すれば、その取引先に無駄な連絡を取ることが無くなります。

また、その取引先にとっても煩わしさが軽減されます。

情報の共有は、パソコンのサーバーを活用するなどITの活用が中心となりますが、専門的な知識は不要です。

できるところから実行に移しましょう。

 

<会議・打合せの廃止・短縮>

定例の会議というのは、必要性が疑われます。

その会議によって得られる効果がどのようなものであるか、具体的に検討して、よく分からなければ一度やめてみたらどうでしょう。

それで不都合が無いのであれば、廃止するのが正しいのです。

たとえ必要な会議であっても、本来の勤務時間外にはみ出してしまうようなものは開催時間帯の再検討が必要です。

また、会議の時間を2時間に設定していたところ、1時間で結論が出たので、あとの1時間は雑談や意見交換というのも見直したいです。

本当に必要な会議や打合せというのは、法定のものを除き、驚くほど少ないものです。

 

<その業務を行う日時の見直し>

たとえば、「業務日報はその日のうちに」というルールを設定すれば、当然に残業が発生するでしょう。

しかし、上司の自己満足ではないのかなど、これが本当に必要なのかを検討して、期限を延ばすとか、日報ではなく週報や月報にできないかなど、検討の余地が大いにあります。

 

<空き時間の活用>

手が空いてしまう時間があります。

こんなとき雑談したり仮眠を取ったりも良いのですが、「手が空いた時やることリスト」を作っておいて、これを行ってはいかがでしょうか。

書類のファイリング、不要書類の廃棄、徹底清掃、OJT、ロールプレイイングなど、「時間のある時にやろう」と思えることをリストアップしておいて、実際に行うということです。

 

<役割分担の見直し>

「全員が必ず」という仕事を、得意な人に集中して任せてしまうことが考えられます。

任された人は、その能力が高いのですから、給与が上がって当然です。

その分、負担が減った社員に別の仕事を任せるとか、見合った待遇を考えるとか、調整することも必要になります。

 

<スキルの向上>

社員の能力が向上するというのは、本人にとっても嬉しいものです。

資格を取得して業務に活用している社員に資格手当を支給するというのが一般的ですか、資格取得に必要な経費を会社が負担するという形もあります。

客観的に認められる形で能力の向上が示されるのであれば、他の社員も納得できますし、社員にとっても、能力向上へのモチベーションが高まります。

いずれにせよ、会社が負担する経費以上に、その社員が会社の利益に貢献してくれるのなら生産性が向上します。

そして、業務内容が同じであれば、それに要する時間も短縮されています。

 

<新たなツールの導入、運用の改善>

マニュアル、チェックリスト、予定表、目標達成グラフなどを新たに導入することにより、効率が上がったり、モチベーションがアップしたりということがあります。

ミスの軽減になったり、情報共有による効率化を図れたり、いずれにせよ労働時間の短縮につながります。

また、今使っているツールについても、そのツールを導入した目的に立ち返り、より良い活用法を考え、場合によっては廃止することも考えましょう。

2021/10/08|1,063文字

 

秘密漏洩と損害賠償https://youtu.be/9JS05-d2BIM

 

<禁止する必要性>

幹部社員や高度に専門性の高い業務を担当する社員が退職すると、会社に大きなダメージが生じます。

ましてや、その社員がライバル企業に転職したのでは、ダブルパンチを食らうことになります。

会社としては、こうした事態を阻止したいところです。

 

<職業選択の自由>

一方で、退職していく社員には職業選択の自由があります。〔憲法第22条第1項〕

どのような職業を選択するかの自由は、ライバル企業に転職する自由を含みます。

もっとも、この職業選択の自由に会社と社員との合意で制限を設けたなら、原則として合意による制約は有効です。

ただし、その合意の内容が合理性を欠き公序良俗に反するのであれば無効となります。〔民法第90条〕

 

<競業避止義務を有効にするために必要なこと>

ライバル会社への転職を禁止した場合、その禁止が無制約に許されるわけではありません。

次のようなことを考慮要素として、公序良俗違反とならないことが必要です。

・就業規則や誓約書に内容が明示されていること

・その社員が営業秘密に関わっていたこと

・正当な目的によること

・「同業他社」の範囲など制限の対象が妥当であること

・地域・期間が妥当に限定されていること

・特別な手当の支給など、相当の代償が与えられること

 これらの考慮要素のうち、範囲の限定と相当の代償は大きなウエイトを占めるでしょう。

代償措置としては、給与の上乗せや退職金の上乗せが考えられます。

社員のメリットが無いのに、会社側から一方的にライバル企業への転職を制限したのでは、合理性を欠き公序良俗に反するものと認定されてしまいます。

 

<違反された企業の対応>

社員が退職して競業避止義務に違反した場合、競業行為の差止めが考えられます。

しかし、会社在籍中に十分な代償措置が取られていなければ、これを主張するのは困難です。

また損害賠償を請求するには、具体的な計算根拠を示して損害額を証明することが必要となるのですが、これもかなり困難です。

こうしたことから、退職金の減額が現実的な措置となるのですが、退職し退職金を受け取ってからライバル会社に転職するケースには対応できません。

就業規則に規定する場合には、「退職後1年以内に別表のライバル会社に就職した場合には、退職金の半額を会社に返還するものとする」のような規定が必要でしょう。

 もっとも、会社が社員を大切にし、社員が会社に恩を感じるようになっていれば、社員は安易に会社を辞めないでしょうし、ライバル企業に転職することもありません。

これを目指すのが会社としてベストな対応でしょう。

2021/10/07|883文字

 

<転倒予防の日>

10月10日は、日本転倒予防学会が制定する転倒予防の日です。

「テン、とお」の語呂合わせです。

職場での転倒災害は、休業4日以上のものに限っても、令和2(2020)年に30,929件と労働災害で最も多く、さらに増加傾向にあります。

転倒災害は、その約6割が休業1か月以上と重症化するものも多く、特に50代以上の女性で多く発生しています。

転倒予防は、政府の目指す女性や高齢者の活躍できる社会の実現のためにも、大変重要な課題です。

具体的な予防策としては、次のようなものが有効です。

 

<整理・整頓・清掃・清潔>

いわゆる4Sです。

事故の発生しやすい通路、階段、出口に物を放置せず、定位置管理を徹底します。

また、床の水たまりや氷、油、粉類などは放置せず、その都度取り除きます。

定期的な清掃も大事ですが、転倒を予防するには「その都度」の清掃が必要です。

 

<危険の見える化>

ヒヤリハット活動により、転倒しやすい場所の危険マップを作成し、周知すると効果的です。

また、段差のある箇所や滑りやすい場所など、転倒事故が発生しやすい箇所に注意を促す標識を付けましょう。

十分に大きな文字と図を併用すると効果的です。

 

<設備の改善>

通路や階段を安全に移動できるように十分な明るさ(照度)を確保します。

節電の観点からも、一般の電球や蛍光管よりもLEDライトがお勧めです。

職場環境の改善等のために、エイジフレンドリー補助金も活用できます。

 

<転倒・腰痛予防体操>

これはかなり効果的であることが知られており、労働基準監督署が労災関係の監督に入ると推奨することが多いと思います。

ストレッチや転倒予防のための運動を朝礼の内容に取り入れるなど、無理無く習慣化することが大事です。

 

<転倒予防教育>

ポケットに手を入れたまま歩かない、滑りにくくちょうど良いサイズの靴を履くなど、基本的なことほど効果があります。

また、転倒・腰痛予防体操は職場だけでなく、休日等に自宅で行うことも必要ですから、こうした指導も行いましょう。

YouTubeで、転倒・腰痛の予防に役立つ「いきいき健康体操」も公開されています。

 

解決社労士のご紹介https://youtu.be/RQE2WwW80Sc

2021/10/06|1,066文字

 

年次有給休暇が会社に勝手に使われたhttps://youtu.be/JgWobP3JbN4

 

<年次有給休暇の趣旨>

年次有給休暇とは、一定期間継続勤務した従業員に疲労回復を目的として会社が付与する有給の休暇です。

何か用事があるとか、具合が悪いからとか、必要があって休むというのではなく、休息のために休むわけです。

そして、休んでも欠勤控除によって給与が減る心配が無いので安心して休めるのです。

このことは、労働基準法などに規定があるわけではなく、厚生労働省などがこのような説明をしています。

疲労回復の必要性は、正社員に限らず、パート、アルバイト、嘱託社員、契約社員などあらゆる雇用形態の従業員に共通です。

年次有給休暇付与の条件さえ満たせば、労働基準法の規定により、誰でも年次有給休暇を取得できます。

会社がこれを拒めば罰せられます。1回拒むごとに30万円以下の罰金、悪質なら6箇月以下の懲役です。〔労働基準法第119条〕  

 

<買い上げが禁止される理由>

時間給で働くアルバイトなどは、有給休暇をとると給料が増えるという感覚を持つでしょう。

しかし、有給休暇の趣旨は「給料が減らないので安心して休める」というところにあります。

「買い取るから休むのは我慢してください」という年次有給休暇買い上げは、休息を与えるという本来の趣旨に反してしまうので、原則として禁止されるのです。

 

  <例外的に許される買上げ>

年次有給休暇のうちでも、会社が法定の日数を上回って福利厚生的に与えている場合の法定を上回る日数、2年の消滅時効にかかってしまい消えた日数、退職によって使い切れなかった日数については買上げが許されます。

これらの場合、会社は法定の日数分の有給休暇を与えていますし、権利の消滅を救済する意味での買上げは制度の趣旨に反しないからです。

 

  <退職時の買上げ>

特に退職時の買上げは、安心して充分な引継ぎをすることに役立つでしょう。

有給休暇の消化期間だけ、退職日を後ろにずらすことも考えられますが、転職先の入社日よりも後に退職するのは不自然ですし、社会保険料が余計にかかったりしますのでお勧めできません。

退職するにあたって、「退職日までのすべての出勤日に年次有給休暇を取得します」という申し出があった場合、会社はこれを拒めません。

しかしこれでは、引継ぎなどできなくなってしまいます。

こんなとき、会社ができる工夫としては、本来の休日に休日出勤を命じて引き継ぎ書の作成や申し送りをさせることでしょうか。

普段から少しずつ年次有給休暇を取得させておけば、突然の退職にあたって会社側が困ることは避けられるのです。

2021/10/05|1,405文字

 

労災事故と被災者本人の過失https://youtu.be/81m6ognJTuY

 

<労災保険の適用>

労災認定にあたっては、被災者本人の過失は問題とされず労災保険が適用されることになります。

仮に、被災者本人に過失があれば労災保険は適用されないのだとすると、労災保険は適用範囲が著しく制限されてしまいますから、制度そのものの存在意義が薄れてしまいます。

ところが現実には、被災者本人の不注意を反省させる意図があってか、上司から「自分の過失だから労災にはならない」という誤った説明が行われることもあるようです。

 

<労災事故の発生原因>

労災事故の発生原因として、その責任の所在から考えると次のようなパターンが考えられます。

・被災者本人に過失がない場合

・被災者本人にも使用者にも過失がある場合

・被災者本人だけに過失がある場合

・被災者本人が故意にケガをする場合

なお、通勤災害については、被災者本人の過失の他、道路の管理者、鉄道会社、バス会社などの落ち度が考えられます。

使用者の過失というのは、ほとんど問題にされることがありません。

 

<被災者本人に過失がない場合>

まず、使用者側に責任がある場合として、滑りやすい床の上で作業するにあたって会社から支給された靴を履いていたが、その滑りやすさから会社に改善を求めていたが拒否され、実際に事故が発生してしまったなどのケースが想定されます。

あるいは、設備の安全点検が不十分で、天井からの落下物によりケガをするケースも考えられます。

また、酔ったお客様から理由なく突然に暴行を受けて転倒しケガをするような第三者行為災害もあります。

これらの場合には、「自分の過失だから労災にはならない」という誤った説明がなされることは稀でしょう。

 

<被災者本人にも使用者にも過失がある場合>

これが労災事故では最も多いでしょう。

たとえば、被災者本人の過失が認められるものの、適切な指導教育が不足していたり、危険個所に危険を知らせる表示が無かったりと、使用者側にも落ち度がある場合です。

使用者としては、被災者本人の過失のみに注目して「自分の過失だから労災にはならない」という誤った説明が行われやすいケースです。

しかし、きちんと労災の再発防止を考えた場合には、使用者の行うべきことが数多く見つかりますので、被災者本人の過失に片寄って責任が追及されることは少なくなります。

 

<被災者本人だけに過失がある場合>

設備、機械、器具などに安全上の問題点はなく、被災者本人に対する指導教育も十分で、危険個所の表示も適切であって、本人の不注意以外に原因が見当たらないような場合もあります。

被災者本人がルールを無視して行動し被災してしまう場合や、椅子を傾けて座っていて椅子ごと倒れてしまう場合などが考えられます。

このような場合であっても、労災認定され労災保険が適用され給付が行われるのが一般です。

 

<被災者本人が故意にケガをする場合>

一般には、労災保険の適用対象外となります。

しかし、過重労働やパワハラなどによって、被災者本人が精神障害に陥り自傷行為に及んだような場合には、労災事故と認定されることがあります。

 

<労災の判断権者>

そもそも事故が起こってケガ人が出た場合に、それが労災となるかどうかの判断は、所轄の労働基準監督署(労働局)が行います。

使用者や被災者本人の判断が、そのまま有効になるわけではありません。

労災認定について疑問がある場合には、労働基準監督署や社会保険労務士に相談することをお勧めします。

2021/10/04|1,003文字

 

年金手帳の再発行https://youtu.be/VFkSxQxs0qo

 

<従業員の心理>

給与明細書を見て「社会保険料が高い」と嘆いていた社員も、老齢年金の受給開始年齢が近づくと自分の受給予定額を知ることになり、「思ったよりも少ない」という感想を抱くことが多いものです。

さらに、将来の年金額を増やしたいと考える従業員も少なくありません。

このニーズに応える方法としては、次のようなものがあります。

 

<繰り下げ>

特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)を受給できる人を除き、老齢年金の受給開始年齢は原則として65歳です。

この受給開始時期を66歳以降に遅らせることによって、老齢年金の受給額を増やすことができます。

この場合、年金受給開始年齢は上がるわけです。

しかし紛らわしいことに、年金の「繰り下げ」と呼んでいます。

老齢年金の受給額は、繰り下げ1か月につき0.7%の増額となります。

最長で10年間繰り下げることができますから、最大で84%増額できる計算です。

老齢基礎年金と老齢厚生年金の両方を受給できる場合に、両方を同時に繰り下げることもできますし、片方だけ繰り下げることもできます。

年金受給者に妻や子がいると加算される「加給年金」という仕組もあります。

老齢厚生年金を繰り下げている期間中は、加給年金を受給できませんので、老齢基礎年金だけを繰り下げると得なこともあります。

 

<70歳まで働く>

働いて厚生年金に加入し続けていれば、70歳までは、加入期間が延びることによって年金額も増えます。

働いて収入がある期間だけ年金の繰り下げをすることも考えられます。

会社としては、65歳以降も継続勤務して欲しい社員に対しての説得材料ともなります。

 

<追納>

経済的な理由で、国民年金保険料の全部または一部の免除を受けた期間がある人は、その内容に応じて年金額が減額されます。

この場合、10年以内に追納すれば、追納した保険料が年金額に反映され受給額が増えることになります。

学生納付特例制度など、国民年金保険料の納付猶予制度を利用した人は、そのままでは年金額が減額されてしまいます。

この場合にも、10年以内に追納すれば、追納した保険料が年金額に反映され受給額が増えることになります。

 

<任意加入>

老齢基礎年金が満額でない場合など、60代前半で厚生年金に加入していなければ、国民年金に任意加入して、満額となるまで受給額を増額することができます。

 

上記の他にも、付加年金や国民年金基金制度を利用することもできます。

2021/10/03|818文字

 

社会保険労務士の顧問契約https://youtu.be/XcBLsc-tOiQ

 

<柳田事務所の契約>

基本契約書の中に次の条項があります。

 

第4条 契約の解除

 甲乙双方は、次の各号のいずれかに該当する場合、直ちに本契約を解除することができる。

⑻ 所期の目的が達成されたとき

 

つまり、顧問契約は交わしたけれど、必要が無くなったので契約を解除したいという場合には、いつでも解約できるという条項です。

企業が社会保険労務士と顧問契約を交わすのは、会社設立に際して手続がわからない、算定基礎届や年度更新などの手続がわからない、労働トラブルへの対応方法がわからないなどの事情があるときです。

しかし、社会保険労務士の指導のもと、必要なノウハウが顧問先に伝授されたなら、自社で何とかなるわけですから、顧問の社会保険労務士は要らなくなるはずです。

そこまで行かなくても、柳田事務所では顧問先が成長すると顧問料が減額していく仕組を採用しています。

顧問先の手がかからない分、顧問料は安くなって当然だと思います。

 

<顧問契約の重要性>

会社が従業員を雇う場合には、労働条件通知書や雇用契約書によって、基本的な労働条件を書面で示すことが労働基準法によって義務づけられています。

ところが、社会保険労務士が企業の顧問となる場合には、契約書の作成が義務付けられているわけではありません。

顧問契約については、社会保険労務士から企業に対して説明する義務があります。

これは法的な義務というよりも道義上の義務です。

顧問料でどこまでの業務を行うのか、どの業務は顧問料の範囲外になるのかということが書面で確認されないのはトラブルの元です。

顧問料の請求があった場合に、なぜその金額になるのか明確な基準が無ければ企業にとっても不安です。

今、顧問の社会保険労務士がいる場合には、顧問契約書の内容を再確認していただきたいですし、これから社会保険労務士と顧問契約を交わしたいと思っている企業様は、契約の内容について十分な説明を受けたうえで、契約締結に臨むよう強くお勧めします。

2021/10/02|820文字

 

労働者本人の同意https://youtu.be/TA8e1cofsFE

 

<高校生の時給>

最低賃金法の制限があります。

高校生でも同じ最低賃金です。

試用期間でも最低賃金を下回ることはできません。

例外的に都道府県労働局長の許可を受けたときは、最大2割減額できるというのが最低賃金法に規定されています。〔最低賃金法第7条〕

しかし、ほとんど許可の実績がありません。

 

<17歳までの労働時間>

1日8時間を超える勤務はできません。

平均ではなく、どの日も8時間までです。

1週間で40時間を超える勤務はできません。

就業規則に特別な定めがなければ、日曜日から土曜日までの7日間で計算します。

日曜日から土曜日まで7日間連続で勤務することはできません。

また、フレックスタイム制などの変形労働時間制は使えません。

 

<17歳までの勤務時間帯>

午後10時以降翌日午前5時までは勤務できません。

 

<17歳までの業務内容の制限>

重量物の取り扱いについては、次の表のとおりの制限があります。

年齢と性別

重量の制限

たまに持ち上げる場合

続けて持ち上げる場合

15歳まで

12キログラム未満

8キログラム未満

15キログラム未満

10キログラム未満

16・17歳

25キログラム未満

15キログラム未満

30キログラム未満

20キログラム未満

運転中の機械・動力伝導装置の危険な部分の掃除、注油、検査・修繕をさせ、運転中の機械・動力伝導装置にベルト・ロープの取付け・取りはずしをさせ、動力によるクレーンの運転をさせ、その他厚生労働省令で定める危険な業務に就かせることはできません。

毒劇薬、毒劇物その他有害な原料・材料または爆発性、発火性、引火性の原料・材料を取り扱う業務、著しくじんあい・粉末を飛散し、有害ガス、有害放射線を発散する場所または高温・高圧の場所における業務その他安全、衛生または福祉に有害な場所における業務に就かせることはできません。

坑内労働に就かせることはできません。

 

※以上の内容には特別な例外もあるのですが、成人と同じようには扱えないということです。

2021/10/01|1,461文字

 

雇止めの有効性https://youtu.be/CVFw3w5uRGA

 

<成長しないパート社員>

複数のパート社員を雇用していると、自ずからその働きぶりに違いが出てきます。

パート社員にも人事考課制度があって、評価により昇給が異なる職場では、収入にも差が出てきます。

さらに、フルタイムや正社員への登用制度があれば、その差は歴然としてきます。

成長が遅く、後輩に追い抜かれているパート社員については、雇い続けることへの疑問が生じ、「契約の更新をやめて、別の人を新たに採用したほうが良いのではないか」と考えるようになるかもしれません。

 

<雇止めの有効要件>

契約を更新しないで雇止めするのは、解雇の一種ですから、解雇予告期間を置いたり解雇予告手当を支払ったりの必要があります。〔労働基準法第20条〕

また、一定の場合に「使用者が(労働者からの契約延長の)申込みを拒絶することが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、使用者は、従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で当該申込みを承諾したものとみなす」という抽象的な規定があります。〔労働契約法第19条〕

成長しないことを理由に雇止めをするには、この条文の中の「客観的に合理的な理由」というのが特に問題となります。

なぜなら、成長しないことを理由に時給を据え置くことは客観的に合理的でありうるのですが、時給を下げること、ましてや雇止めをすることは、合理的な理由があるとは言い難いからです。

 

<契約更新の条件が示されている場合>

労働条件通知書には、契約更新の有無、更新する/しない場合の条件を明示することになっています。

たとえば、職能ランクや職務ランクが設定されていて、半年以内に一定のランクに到達することが契約更新の条件となっていて、成長に必要な研修や指導も行われているとします。

これにもかかわらず、本人の意欲不足など個人的な事情で一定のランクに到達しなかった場合には、雇止めも「合理的な理由」があることになります。

これは、採用時にこうしたことを具体的に説明しておけば、労働契約の内容となっているものと考えられます。

 

<最低賃金との関係で>

たとえば東京都では、2011年10月の最低賃金は837円でした。

これが、2021年10月からは1,041円になっています。

実に24%の上昇です。

2年前に、成長を期待して時給1,000円で採用したパート社員について、全く成長が見られず、周囲の負担となっていて、これからの成長が期待できないとしても、雇っているからには1,041円以上の時給でなければ違法になるわけです。

会社としては、こうした事態を避けたいわけですから、契約更新の条件を設定する場合、「最低賃金を下回るような職能ランク・職務ランクに該当する場合には契約を更新しない」という内容も加えておくべきでしょう。

 

<解決社労士の視点から>

「成長しないこと」を理由に雇止めを検討する場合には、自己責任が前提となっています。

つまり、家庭に解消し難いトラブルが続いていて業務に集中できない、休日に体力を消耗するボランティア活動を長時間行っていて勤務中にスタミナ切れになる、そもそも自分の業務に関心が持てないなど、本人に責任のあることで「成長しないこと」が前提となっています。

しかし、パワハラやセクハラ、指導不足などがあって、「成長しないこと」の責任が会社側にもある場合には、安易に雇止めができません。

やはり、契約更新などの機会をとらえた定期面談や聞取り調査の結果から、「成長しないこと」の原因を探っておくことが必要になってきます。

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