2022/02/02|938文字
社会保険料の折半
<健康保険の主な給付>
健康保険の主な給付には、次のようなものがあります。
給付の種類 |
給付される場合 |
療養費 |
就職直後で保険証がない等、やむを得ず全額自己負担で受診したときや、治療上の必要からコルセット等の治療用装具を装着したときなど |
高額療養費 |
被保険者本人・被扶養者とも単独または、世帯合算で1ヵ月の窓口負担額が自己負担限度額を超えたとき |
傷病手当金 |
被保険者が療養のために会社を休み、事業主から給料を受けられないとき |
出産手当金 |
被保険者が出産のため会社を休み、事業主から給料を受けられないとき |
出産育児一時金 |
被保険者(被扶養者)が出産したとき |
埋葬料(費) |
被保険者(被扶養者)が亡くなったとき |
<健康保険給付の申請期限>
健康保険給付を受ける権利は、受けることができるようになった日の翌日から2年で時効によって消滅します。
「翌日から」というのは、当日は24時間無いのが普通なのでカウントしないというルールによるものです(初日不算入)。〔民法第140条〕
時効の期間を計算し始める第1日目(起算日)は以下のとおりです。
給付の種類 |
消滅時効の起算日 |
療養費 |
療養に要した費用を支払った日の翌日 |
高額療養費 |
診療月の翌月1日 (自己負担分を診療月の翌月以後に支払ったときは支払った日の翌日) |
移送費 |
移送に要した費用を支払った日の翌日 |
傷病手当金 |
労務不能であった日ごとにその翌日 |
出産手当金 |
出産のため労務に服さなかった日ごとにその翌日 |
出産育児一時金 |
出産日の翌日 |
埋葬料(費) |
死亡した日の翌日 (ただし、埋葬費については埋葬を行った日の翌日) |
<申請漏れをなくすために>
経営者や人事担当者が、保険給付の内容を良く知っておいて、何か給付の対象となる事実を把握したら、すみやかに対象者にご案内することが必要です。
これだけだと、給付対象となる事実を把握できないことによる申請漏れが発生します。
就業規則に規定しておくか、分かりやすいパンフレットを従業員に配布するなどして、申請漏れが発生しないようにしましょう。
会社も健康保険料を負担しているわけですから、申請しないのは勿体ないですし、会社に過失があれば、受けられたはずの給付額を賠償しなければなりません。
社内で対応できない場合には、社会保険労務士に委託することもできます。