労働基準法に違反した労働者の逮捕

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<おどし文句か冗談か>

「定期健康診断をサボり続けると労働基準法違反だから逮捕されるよ」

「就業規則のルールを守らないと労働基準法違反で捕まるよ」

会社の上司からこんなことを言われた人がいます。

 

<労働基準法違反の制裁>

労働基準法は、使用者に対して基準を示し、様々なことを義務づけています。

これに違反した使用者に対する罰則も規定されています。

しかし、労働者に対する罰則はありません。

労働基準法は、労働者を守るための法律ですから当然でしょう。

 

<逮捕の性質>

逮捕とは、罪を犯したと疑われる人の身体を拘束する強制的な処分をいいます。

これによって、逃亡や証拠の湮滅(いんめつ)を防止するわけです。

逮捕の後、48時間以内に身柄を検察官に引き渡さなければなりません。

検察官は24時間以内に勾留請求するか、釈放するか、起訴するかを決めます。

 

<労働者への制裁>

労働基準法には労働者に対する罰則が無いのですから、労働者が労働基準法違反の罪を犯すということもありません。

したがって、逮捕や起訴などもないのです。

しかし、就業規則に定められたルールに違反すれば、会社での評価は下がるかもしれません。

そうなると、賞与の支給額や昇給にも影響が出るでしょう。

また、場合によっては懲戒処分の対象となるかもしれません。

それでも、たとえば定期健康診断をサボり続けた場合に、厳重注意や譴責(けんせき)が限界でしょう。

労働基準法が罰則を定めていない趣旨からすると、減給や出勤停止などは重すぎるからです。

 

2019.07.22. 解決社労士 柳田 恵一