公益通報者保護法の改正

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2022/01/10|1,087文字

 

<公益通報者保護制度>

「公益通報」は、日常用語では「内部通報」「内部告発」などと言われます。

法律上は、労働者が不正の目的でなく、通報対象事実が生じまたはまさに生じようとしている旨を、その労務提供先や労務提供先が定めた者、その通報対象事実について処分や勧告等の権限を有する行政機関等に通報することをいいます。〔公益通報者保護法第2条第1項〕

企業の不祥事は、内部からの通報をきっかけに明らかになることが多いものです。

こうした企業不祥事による国民の生命、身体、財産その他の利益への被害拡大を防止するために通報する行為は、正当な行為として事業者による解雇等の不利益な取扱から保護されなければなりません。

事業者にとっても、通報に適切に対応し、リスクの早期把握や自浄作用の向上を図ることにより、企業価値と社会的信用を向上させることができます。

「公益通報者保護法」は、このような観点から、通報者が、どこへどのような内容の通報を行えば保護されるのかというルールを明確にするものです。

 

<公益通報者保護法の改正>

公益通報者保護法の一部を改正する法律(令和2年法律第51号)が、令和2(2020)6月12日に公布されました。

改正法は、令和4(2022)年6月1日に施行されます。

現在、施行に向け消費者庁を中心に準備が進められています。

 

<内部通報に適切に対応するための体制整備等>

改正法は事業者に対し、新たに公益通報対応業務従事者を定める義務(第11条第1項)、内部の労働者等からの公益通報に適切に対応する体制の整備、その他の必要な措置をとる義務(第11条第2項)を課しています。

ただし、常時使用する労働者の数が300人以下の事業者については、努力義務となります(第11条第3項)。

ここで「常時使用する労働者」とは、常態として使用する労働者を指すことから、パート労働者も、繁忙期のみ一時的に雇い入れるような場合を除いて含まれます。

しかし、役員については、労働者ではないことから含まれません。

 

<グループ会社の場合>

改正法は、独立した法人格を有する事業者ごとに上記の義務を課していますので、グループ全体ではなく、関係会社ごとに通報窓口を整備する義務を果たす必要があります。

例えば、グループ全体としての体制整備の一環で、子会社の従業員が行う公益通報の窓口は親会社とされている場合もあると考えられます。

このように子会社が、自らの内部規程に定めたうえで、通報窓口を親会社に委託して設置し、従業員に周知しているなど、子会社として必要な対応をしている場合には、体制整備義務を果たしていると考えられています。

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