留学生の在留資格「技術・人文知識・国際業務」への変更
在留資格の変更・在留期間の更新許可のガイドラインについて、入国管理局が公表していますので、その内容をまとめてみました。
1.日本の大学又は専門学校を卒業した留学生が在留資格「技術・人文知識・国際業務」に変更するための要件
(1)行おうとする活動が申請に係る入管法別表に掲げる在留資格に該当すること
ア)日本の公私の機関との契約に基づくものであること
イ)自然科学又は人文科学の分野に属する技術・知識を要する業務に従事すること
(2)原則として法務省令で定める上陸許可基準に適合していること
ア)従事しようとする業務に必要な技術又は知識に関連する科目を専攻して卒業していること
イ)日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬をうけること
(3)その他の要件
ア)素行不良でないこと
イ)入管法で定める届出等の義務を履行していること
2.許可の事例
- 大学の工学部を卒業し、電機製品の製造を業務内容とする企業との契約に基づき月額23万円の報酬を受けて、技術開発業務に従事するもの
- 大学の経営学部を卒業し、コンピューター関連サービスを業務内容とする企業との契約に基づき、月額18万円の報酬を受けて、翻訳・通訳に関する業務に従事するもの
- 大学の法学部を卒業し、法律事務所との契約に基づき月額19万円の報酬を受けて弁護士補助業務に従事するもの
- 大学の教育学部を卒業し、語学指導を業務内容とする企業との契約に基づき、月額17万円の報酬を受けて英会話講師の業務に従事するもの
3.不許可の事例
- 大学の経済学部を卒業した者から、会計事務所との契約に基づき、月額23万5千円の報酬を受けて会計業務に従事するとの申請があったが、事務所の所在地には会計事務所ではなく料理店があったことから、会計事務所が実態のあるものとは認められず、「人文知識・国際業務」の在留資格に該当する活動とは認められず不許可になった。
- 大学の教育学部を卒業した者から、弁当の製造・販売業務を行う企業との契約に基づき、現場作業員として採用され、月額20万円の報酬を受けて弁当加工工場で弁当の箱詰め作業に従事するとの申請があったが、弁当の箱詰め作業は人文科学の分野に属する知識を必要とするものとは認められず不許可になった。
- 大学の工学部を卒業した者から、コンピューター関連サービスを業務内容とする企業との契約に基づき、月額13万5千円の報酬を受けてエンジニア業務に従事するとの申請があったが、申請人と同時に採用され、同種の業務に従事する新卒の日本人の報酬が18万円であったことから、報酬について日本人と同等額以上であると認められず不許可になった。
- 大学の商学部を卒業した者から、貿易・海外業務を行っている企業との契約に基づき、月額20万円の報酬を受けて、海外取引業務に従事するとの申請があったが、申請人は「留学」の在留資格での在学中に1年以上継続して月に200時間以上のアルバイトをして稼働していたことが明らかになり、資格外活動許可の範囲を大きく超えて稼働していたことから、在留状況が良好とは認められず、不許可になった。