中河原・現住吉町の昔ばなし「西むき庚申さま」

三井のリハウス府中店が新聞折込チラシに府中市教育委員会発行「府中のむかしばなし」から次の昔話を紹介されてました。現在も、西向庚申塔は中河原駅北口のライフ府中中河原店正面玄関に向かって左側の角に祀られています。庚申塔の社は通常西南西を向いているのですが、この庚申塔は真西を向く珍しいものと言われています。

<西むき庚申さま(中河原・現住吉町の昔ばなし)>

むかしむかし、ある村に、ひょうばんの美しいむすめがおりました。ところが、どうしたわけか、むすめには大きないぼがあってとても気にしていました。あるとき、村のものしりばあさんがやってきて、「西むき庚申さまにおまいりして、おせんこうのはいをいぼにぬれば、いぼはとれる」と、おしえてくれました。むすめがそのとおり、庚申さまのはいをぬってみると、いぼはたちまち消えてなくなりました。それいらい、ますますたくさんの人が西むき庚申さまにおまいりするようになりました。

この庚申さまのわきには、大きなけやきの木があり、ずいぶんと太いふじつるがからんで、美しい花をさかせていました。あるときのこと、じやまになるといって、三人の木こりが、「切っちまおうじやぬえか」と、太けやきを切りたおしてしまいました。すると、けやきを切った木こりは三人とも寝こんでしまい、おもい病気にかかりました。木こりのおかみさんたちは、西むき庚申さまにおわびにおまいりすることにしました。すると、もうだめかとおもわれていた木こりたちが、すぐに元気になりました。『ばちも当たれば、ご利益もある』その太けやきとふじつるは、庚申さまのご神木だったのでしょう。
【神木】‥神社の境内にある木。特に、その神社にゆかりがあっで神聖視されている樹木。または神霊の宿る木。

中河原西向庚申塔
西向庚申塔(中河原駅北口ライフ府中中河原店北西角)

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