賞与の記事

<「ねんきん定期便」に基づく従業員からの申し出>

「ねんきん定期便」は個人の自宅に届きますから、「賞与の分が年金記録からもれている」という指摘が、従業員から会社に対して行われることがあります。

会社が設立以来初めて賞与を支給したような場合には、会社の担当者が、手続きを知らなかったこともありえます。

早く気づけば、すぐに年金事務所に書類を提出すれば良いのですが、賞与を支払ってから既に2年以上経過している場合には、時効期間の問題もあります。

 

<でも大丈夫>

会社から自主的に届出もれがあったことを申し出る場合には、「事業主からの自主的な申出にかかる申出者リスト」(賞与支払届提出もれ用)という書類が用意されています。

この書類を、事業所を管轄する年金事務所の窓口に持参して相談します。

この「申出者リスト」に基づき、届出もれとなっている従業員に、その従業員の住所地を管轄する年金事務所より「お知らせ文書」が郵送されます。

そして「お知らせ文書」を受け取った従業員は、年金事務所の窓口で記録を確認することになるのです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

上記の「申出者リスト」については、日本年金機構のホームページからダウンロードできます。これに必要事項を記入して、所轄の年金事務所に持参すれば良いのです。

しかし、この手続きをするにあたって不安なことがあれば、信頼できる社労士にご相談ください。こうした手続きを代行することも社労士の業務の一つです。

 

2016.12.03.

<退職者から賞与の請求>

10年近く働いて円満退職した正社員から「賞与が振り込まれていない」という電話が入ります。もう3か月も前に退職した方です。

この電話を受けた人事担当者は、頭の中がパニックです。なにしろ、つい先日「退職金が振り込まれていました」という電話をくださったその退職者から、今度は賞与の催促です。

後日、その退職者の代理人から、賞与請求の内容証明郵便が会社に届くということがあります。

ネット上でも、こうした情報が増えるにつれ、実際の請求も増えているようです。

 

<ひな形の規定>

これは、ネットから就業規則のひな形をコピーして、少しアレンジして使っていると起こりうる事件なのです。

あるひな形には、次のように書いてあります。

 

(賞与)

第46条 賞与は、原則として、下記の算定対象期間に在籍した労働者に対し、会社の業績等を勘案して下記の支給日に支給する。ただし、会社の業績の著しい低下その他やむを得ない事由により、支給時期を延期し、又は支給しないことがある。

算定対象期間

支給日

    日から    日まで

    

    日から    日まで

    

〔厚生労働省のモデル就業規則〕

 

もっともよく使われているひな形だけあって、さすがに良く出来ています。

しかし、「下記の算定対象期間に在籍した労働者」に支給するという規定です。「算定対象期間の最終日に在籍した労働者」とは書いてありません。これだと、算定対象期間の途中まで在籍していて、その後退職した労働者には、本当に支給しなくて良いのか不明確です。

労働法の原理からすると、「疑わしきは労働者の有利に」ですから、会社は賞与の支払を拒めないように思われます。

 

<注意書き>

実は、厚生労働省のモデル就業規則には、次のような注意書きがあります。

 

就業規則に、賞与の支給対象者を一定の日(例えば、6月1日や12月1日、又は賞与支給日)に在籍した者とする規定を設けることで、期間の途中で退職等し、その日に在職しない者には支給しないこととすることも可能です。

〔厚生労働省のモデル就業規則〕

 

もっともよく使われているひな形だけあって、さすがに手抜かりは無いのです。

ところが、専門家ではない人が、この大事な注意書きを読み飛ばしてしまいます。その結果、思わぬ事態を招いてしまうのです。

 

<こうすればOK>

こうした困ったことにならないようにするには、当たり前のことですが、「賞与支給日に在職しない者には支給しない」と規定しておけば良いのです。

たったこれだけのことで、会社が痛い目を見ることは避けられるでしょう。

 

2016.04.16.

<説明が無い場合>

賞与の支給額を明細書で初めて知り、どうしてこの金額なのか分からないというのは小さな会社ほど多いようです。

そもそも賞与の金額は、社長が一人で思い悩んで決めたので、全員についてハッキリした説明などできないという場合もあります。

もらった社員は、前回に比べていくら増えた/減ったしか感じません。

会社の経費を、それも多額の経費を賞与に充てたのに、ちっとも感謝してもらえないなんて勿体ない話です。

 

<説明のある場合>

賞与の支給額は、基本給を基準に会社の業績を反映した支給月数、個人の貢献度を反映した考課係数を設定して、次のように計算されていれば納得しやすいでしょう。

個人の賞与支給額=その人の基本給×支給月数×考課係数

支給月数が多ければ「会社は経営状況が良い」とわかりますし、考課係数が高ければ「私は高い評価を得ている」とわかります。

支給月数が少なかったり、考課係数が低かったりしても、「次こそは!」という気持ちになります。

このことが、社員ひとり一人のヤル気に結びつくでしょう。

また、連続して考課係数が低い社員は、大いに努力するか会社を去るかの決断を迫られます。

 

<具体的な計算方法>

「うちの会社は、そんなにキチンとやっていない」とあきらめる必要はないのです。

たとえ、社長が一人で考えて決めた支給額であっても、次の手順で計算できます。

 

賞与支給額の総額÷(支給対象者の基本給の合計額)=支給月数

こうして、平均的な人事考課の場合の支給月数がわかります。

 

個人の賞与支給額÷(その人の基本給×支給月数)=考課係数

これで、賞与から逆算したその人の考課係数がわかります。

 

結局、「あなたの今回の賞与は次の計算によって決まりました」と説明できるのです。

個人の賞与支給額=その人の基本給×支給月数×考課係数

 

社長や上司が各社員と面談して、この説明をして激励してはいかがでしょうか。

 

2016.04.15.