助成金の記事

2020/04/11|791文字

 

<本コースの目的>

令和2年4月1日から、中小企業にも時間外労働の上限規制が適用されています。

このコースは、生産性を向上させ、労働時間の縮減や年次有給休暇の促進に向けた環境整備に取り組む中小企業事業主を支援します。

 

<成果目標>

次のうち、1つ以上の目標を設定します。

・すべての対象事業場で、月60時間超の36協定の時間外労働時間数を縮減させる。

・すべての対象事業場で、所定休日を1日から4日以上増加させる。

・交付要綱で規定する特別休暇(病気休暇、教育訓練休暇、ボランティア休暇)のいずれか1つ以上をすべての対象事業場に新たに導入する。

・時間単位年休を、すべての対象事業場に新たに導入する。

 

<支給対象>

次のうち、1つ以上の取組を実施します。

・労務管理担当者に対する研修

・労働者に対する研修、周知・啓発

・外部専門家によるコンサルティング

・就業規則・労使協定等の作成・変更

・人材確保に向けた取組み

・労務管理用ソフトウェア、労務管理用機器、デジタル式運行記録計の導入・更新

・テレワーク用通信機器の導入・更新

・労働能率の増進に資する設備・機器などの導入・更新

※原則として、パソコン、タブレット、スマートフォンの費用は対象となりません。

 

<支給額>

成果目標の達成状況に応じて、支給対象となる取組みの実施に要した経費の一部が支給されます。

 

<受給手続>

1.令和2年11月30日までに、「交付申請書」を最寄りの労働局雇用環境・均等部(室)に提出

2.交付決定後、提出した計画に沿って取組みを実施(令和3年1月29 日まで)

3.令和3年2月12日までに、労働局に支給申請

 

<助成金の連動>

働き方改革に取組むうえで、人材の確保が必要な中小企業事業主を支援する「人材確保等支援助成金」(働き方改革支援コース)が創設されています。

こちらの助成金は、本コースの支給を受けた事業主が、助成の対象事業主となります。

 

解決社労士

2019/10/26|541文字

 

<雇用関係助成金支給のねらい>

厚生労働省は企業に対して、数万円~数百万円の多種多様な助成金を支給しています。

もともと厚生労働省などの行政機関というのは、立法機関である国会が作った法律を誠実に執行する義務を負っています。

しかし法律を執行するだけでは、なかなか思い通りの成果が現れないこともあります。

そこで雇用の分野を中心として、政府の政策に沿った努力をする企業に、助成金を支給することで、政策の推進を図ろうとしているのです。

たとえば、解雇しないで雇用し続ける努力、就職困難者を雇い入れる努力、職場環境を整える努力、社員の能力を向上させる努力などです。

 

<雇用関係助成金の財源>

助成金の財源は、雇用保険料です。

健康保険や厚生年金の保険料は、会社と労働者とで折半します。

しかし雇用保険では、会社の方が労働者より保険料が高いのです。

この高い分が、助成金の財源なのです。

ですから企業にとっては、「支給」というより「返金」ということになります。

 

<受給手続が面倒な理由>

厚生労働省がブラック企業に助成金を支給すれば問題視されますから、まず、会社の健全性がチェックされます。

そして助成金支給の基準に従った、政策の推進に役立つ活動があるかのチェックも行われます。

この二重のチェックのために、手続が簡単ではないのです。

 

解決社労士 柳田 恵一

<平成31年度の雇用関係助成金>

4月1日付で改正雇用保険法施行規則が施行され、新年度の雇用関係助成金が公表されています。

これに加えて、不正受給対策が強化されています。〔通達 平成31年3月29日職発0329第2号・雇均発0329第6号・開発0329第開発0329第58号〕

 

<不支給期間の延長と対象の拡大>

(1) 偽りその他不正の行為により、雇用調整助成金等の支給を受け、または受けようとした事業主または事業主団体もしくはその連合団体に対して雇用関係助成金を支給しない期間を、過去3年以内から過去5年以内に延長する。

(2) 過去5年以内に偽りその他不正の行為により、雇用調整助成金等の支給を受け、または受けようとした事業主または事業主団体もしくはその連合団体の役員等(偽りその他不正の行為に関与した者に限る)が、事業主または事業主団体もしくはその連合団体の役員等である場合は、当該事業主または事業主団体もしくはその連合団体に対しては、雇用関係助成金を支給しない。

(3) 過去5年以内に雇用調整助成金等の支給に関する手続きを代理して行う者(代理人等)または訓練を行った機関(訓練機関)が偽りの届出、報告、証明等を行い事業主または事業主団体もしくはその連合団体が雇用調整助成金等の支給を受け、または受けようとしたことがあり、当該代理人等または訓練機関が雇用関係助成金に関与している場合は、当該雇用関係助成金は、事業主または事業主団体もしくはその連合団体に対しては、支給しない。

 

<返還命令等>

(1) 偽りその他不正の行為により雇用調整助成金等の支給を受けた事業主または事業主団体もしくはその連合団体がある場合には、都道府県労働局長は、その者に対して、支給した雇用調整助成金等の全部または一部を返還することを命ずることができ、また、当該偽りその他不正の行為により支給を受けた雇用関係助成金については、当該返還を命ずる額の2割に相当する額以下の金額を納付することを命ずることができる。

(2) (1)の場合において、代理人等または訓練機関が偽りの届出、報告、証明等をしたため雇用関係助成金が支給されたものであるときは、都道府県労働局長は、その代理人等または訓練機関に対し、その支給を受けた者と連帯して、雇用関係助成金の返還または納付を命ぜられた金額の納付をすることを命ずることができる。

 

<事業主名等の公表>

都道府県労働局長は、事業主または事業主団体もしくはその連合団体が偽りその他不正の行為により、雇用調整助成金等の支給を受け、または受けようとした場合等は、氏名並びに事業所の名称および所在地等を公表することができる。

 

<社会保険労務士が代理する場合>

『平成31年度 雇用・労働分野の助成金のご案内(簡略版)』には、重ねて次の注意事項が記載されています。

社会保険労務士が事業主の申請を代わって行う場合、以下の事項に同意する必要があります。

このことから、不正受給が疑われる申請はお受けすることができません。

 

●支給のための審査に必要な事項の確認に協力すること

 ※ 不正受給に関与している疑いがある場合の事務所等への立ち入りを含みます

 

●不正受給に関与していた場合は、

①申請事業主が負担すべき一切の債務について、申請事業主と連帯し、請求があった場合、直ちに請求金を弁済すべき義務を負うこと

②事務所(又は法人)名等が公表されること

③不支給とした日又は支給を取り消した日から5年間(取り消した日から5年経過した場合であっても、請求金が納付されていない場合は、時効が完成している場合を除き、納付日まで)は、雇用関係助成金に係る社会保険労務士が行う提出代行、事務代理に基づく申請又は代理人が行う申請ができないこと

 

2019.04.17.解決社労士

雇用関係助成金の計画書や申請書類等の受付について、事業主の利便性向上のため、平成30(2018)年10月1日から郵送による受付が行われるようになりました。

 

<郵送の注意点>

郵送受付を利用する事業主に対して、厚生労働省は次の注意を呼びかけています。

・郵送事故の防止のため、簡易書留等、必ず配達記録が残る方法で郵送してください。

・郵送の場合、申請期限までに到達していることが必要です。

・書類の不備や記入漏れがないよう、事前によくご確認ください。

 

<書面審査の注意点>

雇用関係助成金は、原則として、提出された書類により審査が行われます。

書類の不備や補正すべき内容があった場合、都道府県労働局長や(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長が相当な期間を定めて提出や補正を求めます。

それでも提出や補正がない場合は、1か月以内を期限として補正を求める書面を発送します。

その期限までに提出や補正が無い場合は、不支給となりますのでご注意ください。

 

<不正な業者の勧誘に注意>

助成金の申請や、助成対象の診断、受給額の無料査定をするといった記載内容の書面をFAXや郵便で送りつけ、不正に勧誘している業者がいます。

特に、厚生労働省が勧誘に関与しているかのような、虚偽の表現がされているものには注意が必要です。

雇用関係助成金の手続きを有料で代行できるのは、国家資格者の社会保険労務士に限られています。無資格者に手続きを依頼するのは、トラブルの元になりますので気をつけましょう。

 

郵送先は、厚生労働省ホームページに掲載の「雇用関係助成金郵送受付窓口一覧」で確認できますし、所轄のハローワークに問い合わせることもできます。

 

従来通り、助成金申請窓口に書類を持参しても、受け付けてもらえます。自社で助成金を申請する場合など、計画書や申請書の作成方法等が不明な場合は、都道府県労働局やハローワークなどで相談することができます。

 

2018.10.29.解決社労士

<雇用関係助成金の性質>

融資ではないので返済義務がありません。リスクを負うことなく資金を事業に活用できます。

では、その資金はどこから出ているのでしょうか?

雇用保険料は、企業が従業員よりも多く負担しています。

この多い分の保険料は、雇用安定事業と能力開発事業に充てられます。

助成金は雇用安定事業の一つですから、企業の負担する保険料が財源となっているのです。

つまり、雇用保険に加入する従業員のいる企業総てが、雇用保険料の一部として負担し、助成金を受ける企業にその資金が流れるという構造です。

こう考えると、利用しないのは損だと思えてきます。

 

<助成金が支給されるケース>

国が政策を推進するにあたって、新たに企業に何らかの義務を課す場合、いきなり罰則付きで義務付けるという乱暴なことはしにくいものです。

まず、政策を周知するために広報を強化し、法令に「努力義務」として規定し、積極的に推進する企業には助成金を支給するなどの方法をとります。

こうして、ある程度まで浸透してから罰則付きで義務付けるという手法がとられます。

結局、助成金支給の対象となるようなことは、将来的には法的に義務付けられるようになることが多いのです。

企業が経費をかけて、法的な義務とされる前に政府の政策に協力すれば、経費の一部を助成金として還付するというのが本来の形です。

ですから、企業が何もしなくても手続きさえすれば助成金がもらえるというのは、こうした理屈に逆らうものです。

最近では、社会保険労務士ではない者や会社が「雇用関係助成金がもらえます」という宣伝をしているのはそれ自体違法ですし、実際に助成金が支給されなくても責任を負わないので被害者が出てきています。

雇用関係助成金が支給されるのは、企業が次のような場合に一定の改善をしたケースです。

・従業員を新たに雇うとき

・職場環境を改善して働きやすくするとき

・業績悪化の際、解雇を回避するとき

・従業員に職業訓練を受けさせるとき

・子育てと仕事の両立を支援するとき

 

<助成金の隠れたメリット>

従業員の福利厚生を充実させたり、従業員の働きやすい環境を整備したりということで助成金が支給されます。

これによって、定着率のアップや人手不足の解消を狙えます。

助成金の受給を検討したり、手続を進める中で、会社の現状を分析し、遵法経営や労働環境の改善を図っていくことになり、生産性の向上や、会社の成長を促したりの効果が期待できます。

 前提として、法定の三大帳簿を調えておくことや、就業規則を整備しておくことなどが求められます。真面目に助成金を受給することを検討するのであれば、信頼できる国家資格者の社労士にご相談ください。

 

2018.07.31.解決社労士

<雇用調整助成金>

雇用調整助成金とは、事業主の方のための雇用関係助成金の一つです。

経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、一時的に休業等(休業及び教育訓練)又は出向を行い労働者の雇用の維持を図った場合に、休業手当、賃金などの一部を助成するものです。

 

<特例の対象となる事業主>

平成30(2018)7月豪雨による災害に伴う「経済上の理由」により休業等を余儀なくされた事業所の事業主が特例の対象となります。

被災地以外の事業所でも利用可能です。

この特例は、休業等の初日が平成30(2018)75日から平成31(2019)14日までの間にあることが条件となります。

「経済上の理由」には、次のようなものが含まれます。

・取引先の浸水被害等のため、原材料や商品等の取引ができない場合

・交通手段の途絶により、来客がない、従業員が出勤できない、物品の配送ができない場合

・電気・水道・ガス等の供給停止や通信の途絶により、営業ができない場合

・風評被害により、観光客が減少した場合

・事業所、設備等が損壊し、修理業者の手配や修理部品の調達が困難なため、

早期の修復が不可能であることによる事業活動の阻害

 

<既に実施されている特例>(平成30717日)

・生産指標の確認期間を3か月から1か月へ短縮する

・平成307月豪雨発生時に起業後1年未満の事業主についても助成対象とする

・最近3か月の雇用量が対前年比で増加していても助成対象とする

 

<新たに追加される特例>(平成30725日)

・休業を実施した場合の助成率を引き上げる(※岐阜、京都、兵庫、鳥取、島根、岡山、広島、山口、愛媛、高知、福岡の各府県内の事業所に限る)

【中小企業:3分の2から5分の4へ】【大企業:2分の1から3分の2へ】

・支給限度日数を「1年間で100日」から「1年間で300日」に延長(※岐阜、京都、兵庫、鳥取、島根、岡山、広島、山口、愛媛、高知、福岡の各府県内の事業所に限る)

・新規学卒採用者など、雇用保険加入者(被保険者)として継続して雇用された期間が6か月未満の労働者についても助成対象とする

・過去に雇用調整助成金を受給したことがある事業主であっても、

ア・前回の支給対象期間の満了日から1年を経過していなくても助成対象とする

イ・受給可能日数の計算において、過去の受給日数にかかわらず、今回の特例の対象となった休業等について新たに起算する

 

2018.07.29.解決社労士

<この助成金の特長>

高年齢者や障害者等の就職困難者をハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者(雇用保険の一般被保険者)として雇い入れる事業主に対して助成されます。

ハローワークが雇用についての情報を把握していて、そのハローワークを管轄する都道府県労働局から助成金の申請書類が会社宛に届きます。

これを何かの宣伝と同視して捨ててしまったら勿体ないです。

よくわからなければ、信頼できる国家資格者の社労士にご相談ください。

 

<主な受給の条件>

この助成金を受給するためには、最低でも次の2つの条件を満たすことが必要です。

・ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により雇い入れること

・雇用保険一般被保険者として雇い入れ、継続して雇用することが確実であると認められること

この他にも、雇用関係助成金共通の条件などいくつかの受給条件があります。

 

<支給額>

この助成金は、対象労働者の類型と企業規模に応じて、1人あたり下表の支給額となります。

対象労働者に支払われた賃金の一部に相当する額として、下表の金額が、支給対象期(6か月)ごとに支給されます。

※( )内は中小企業以外の企業に対する支給額・助成対象期間です。 

対象労働者

支給額

助成対象期間

支給対象期ごとの支給額

短時間労働者以外の者

高年齢者(60歳以上65歳未満)、母子家庭の母等

60万円
(50万円)

1年
(1年)

30万円 × 2期

(25万円 × 2期)

重度障害者等を除く身体・知的障害者

120万円
(50万円)

2年
(1年)

30万円 × 4期

(25万円 × 2期)

重度障害者等

240万円
(100万円)

3年
(1年6か月)

40万円 × 6期

(33万円× 3期)

※第3期の支給額は34万円

短時間労働者

高年齢者(60歳以上65歳未満)、母子家庭の母等

40万円
(30万円)

1年
(1年)

20万円 × 2期

(15万円 × 2期)

重度障害者等を含む身体・知的・精神障害者

80万円
(30万円)

2年
(1年)

20万円 × 4期

(15万円 × 2期)

 

雇入れ事業主が、対象労働者について最低賃金法第7条の最低賃金の減額の特例の許可を受けている場合は、支給対象期について対象労働者に対して支払った賃金に次の助成率を乗じた額(表の支給対象期ごとの支給額を上限とする)となります。

・対象労働者が重度障害者等以外の者の場合 1/(中小企業事業主以外1/)

・対象労働者が重度障害者等の場合 1/(中小企業事業主以外1/)

 

2017.11.17.解決社労士