助成金の記事

2021/01/01/|1,382文字

 

<「やむを得ない」の意味>

「やむを得ない」の「やむ」は「やめる」、「得ない」は「できない」という意味ですから、「やむを得ない」の意味は、「そうするよりほかに方法がない。しかたがない」という意味になります。

「やむ負えない」「やむ終えない」「やむ追えない」などの誤った表記も見られますが、これらは「やむおえない」ですから、そもそも誤りです。

「やもおえない」「やもうえない」という誤りも、耳にすることがあります。

かつては、「已むを得ない」と表記されていましたが、当用漢字で「止むを得ない」が一般的になりました。

 

<労働基準法の「やむを得ない」>

労働基準法により、解雇の予告や解雇予告手当の支払が無いまま解雇することは、犯罪となり罰則の適用もありえます。

しかし、「やむを得ない」事由のために事業の継続が不可能となった場合には、犯罪にはなりません。

 

【解雇の予告:労働基準法第20条第1項】

使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも30日前にその予告をしなければならない。30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合または労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合においては、この限りでない。

 

条文には、「やむを得ない」事由の例として、天災事変が示されています。

簡単に「やむを得ない」と判断できないことは明白です。

実際、通達(昭和63年3月14日 基発150号、婦発47号)には、「やむを得ない」場合に該当する例として、次のものが挙げられています。

 

【やむを得ない場合の例】

・事業主の故意や重大な過失に基づかず、事業場が火災により焼失した場合

・震災によって工場、事業場の倒壊、類焼等により事業の継続が不可能となった場合

 

反対に、「やむを得ない」とはいえない場合の例として、次のものが挙げられています。

 

【やむを得ないとはいえない場合の例】

・国税の滞納処分を受け事業廃止となった場合

・取引先が休業状態となり、これが原因で事業が金融難に陥った場合

 

<コロナ禍による場合>

コロナ禍による業績の落ち込みから、正社員の整理解雇や非正規社員の雇い止め等を検討している企業もあります。

事業の継続が不可能となった場合には、コロナ禍が「やむを得ない」事由に該当するといえるのかが問題となります。

しかし、現時点では、厚生労働省などから、コロナ禍により事業の継続が不可能となった場合について、何らかの発表は見られません。

むしろ、助成金・補助金の特例、融資の拡大、税制上の措置、社会保険料の特例軽減などの緊急対応策により、事業の継続を維持するように促している状態です。

少なくとも、これらの緊急対応策を利用し尽くしてもなお、事業主の責任を問われない原因で、事業の継続が不可能となった場合でなければ、解雇の予告や解雇予告手当の支払が無いまま解雇することが許される「やむを得ない」事由があったとは、認められないのではないでしょうか。

さらに、コロナ禍による業績の落ち込みを理由とする解雇は、整理解雇にあたります。

整理解雇が有効となるためには、厳格な要件を満たす必要があります。

まずは、希望退職者の募集や退職勧奨など、労使の合意によって可能な対応を優先することをお勧めします。

 

解決社労士

2020/12/25|1,208文字

 

<小学校休業等対応助成金・支援金>

厚生労働省では、新型コロナウイルス感染症に関連して、小学校等の臨時休業等により仕事を休まざるをえなくなった保護者を支援するため、正規雇用・非正規雇用を問わない助成金制度(新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金)、委託を受けて個人で仕事をする人向けの支援金制度(新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金)を創設し、令和2(2020)年2月27日以降に取得した休暇等について支援を行っています。

これまでも、助成金・支援金の上限額等の引き上げや、対象期間の延長が行われてきましたが、令和2(2020)年12月18日、厚生労働省は、上記助成金・支援金について、新たに対象期間の延長、申請期限等に関する情報を公表しました。

 

<新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金>

新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、小学校等が臨時休業した場合等に、その小学校等に通う子の保護者である労働者の休職に伴う所得の減少に対応するため、正規雇用・非正規雇用を問わず、有給の休暇(労働基準法の年次有給休暇を除く)を取得させた企業に対する助成金です。

企業は、この助成金を活用し、有給の休暇制度を設け、年次有給休暇の有無にかかわらず利用できるようにすることで、保護者が希望に応じて休暇を取得できる環境を整えるよう努力することが求められています。

 

<助成金の額>

有給の休暇を取得した対象労働者に支払った賃金相当額の全額が助成されます。

具体的には、対象労働者1人につき、対象労働者の日額換算賃金額×有給の休暇の日数で算出した合計額を支給します。

ここで、「日額換算賃金額」とは、各対象労働者の通常の賃金を日額換算したものをいいます。

これには上限があり、令和2(2020)年3月31日までの休暇については8,330円、これ以降は15,000円となっています。

なお、対象となる休暇取得の期間が延長され、令和2(2020)年2月27日から令和3(2021)年3月31日までの間に取得した休暇についても支援の対象となる予定です。

 

<助成金の申請期限>

令和2年2月27日から9月30日までの休暇分は、令和2年12月28日が申請期限です。

令和2年10月1日から12月31日までの休暇分は、令和3年3月31日が申請期限です。

令和3年1月1日から3月31日までの休暇分は、令和3年6月30日が申請期限です。

ただし、次のようなやむを得ない事情がある場合には、申請期限経過後に申請することが可能です。

Ⅰ.労働者からの労働局の特別相談窓口への「(企業に)この助成金を利用してもらいたい」等の相談に基づき、労働局が事業主への助成金活用の働きかけを行い、これを受けて事業主が申請を行う場合

Ⅱ.労働者が労働局の特別相談窓口へ相談し、労働局から助言等を受けて、労働者自らが事業主に働きかけ、事業主が申請を行う場合

 

解決社労士

2020/12/10|3,014文字

 

<雇用関係助成金>

従業員を休業させ、事業主が休業手当を支払った場合に、その一部が助成されるなどの雇用調整助成金について、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から、大幅な例外措置が取られましたし、これが注目されて、支給申請件数が大幅に伸びました。

また、厚生労働省は、雇用関係を維持しながら他社に従業員を出向させる在籍型出向(雇用シェア)を推進するため、出向元と出向先双方の企業を対象とした「産業雇用安定助成金」を創設しました。

これらを含め、多くの雇用関係助成金は、事業主の負担する雇用保険料を財源とする雇用安定事業として行われています。

事業主の負担する雇用保険料が、助成金の受給に相応しくない事業主に流れたり、不正受給が行われたりすると、公平に反する結果となりますから、各雇用関係助成金に共通の受給要件等は、以下に示すように厳格です。

 

<受給できる事業主>

雇用関係助成金を受給する事業主(事業主団体を含む)は、次の1~3の要件のすべてを満たすことが必要です。

1 雇用保険適用事業所の事業主であること(雇用保険被保険者が存在する事業所の事業主であること)

 

2 支給のための審査に協力すること

(1)支給または不支給の決定のための審査に必要な書類等を整備・保管していること

(2)支給または不支給の決定のための審査に必要な書類等の提出を、管轄労働局等から求められた場合に応じること

(3)管轄労働局等の実地調査を受け入れること など

 

3 申請期間内に申請を行うこと

 

<受給できない事業主>

次の1~9のいずれかに該当する事業主(事業主団体を含む)は、雇用関係助成金を受給することができません。

特に、4の要件は厳しいように思われます。

1 平成31(2019)年4月1日以降に雇用関係助成金を申請し、不正受給による不支給決定又は支給決定の取り消しを受けた場合、当該不支給決定日又は支給決定取消日から5年を経過していない事業主(平成31(2019)年3月31日以前に雇用関係助成金を申請し、不正受給による不支給決定又は支給決定の取り消しを受けた場合、当該不支給決定日又は支給決定取消日から3年を経過していない事業主)。

なお、支給決定取消日から5年(上記括弧書きの場合は3年)を経過した場合であっても、不正受給による請求金を納付していない事業主は、時効が完成している場合を除き、納付日まで申請できません。

ここで、「不正受給」とは、偽りその他不正の行為により、本来受けることのできない助成金の支給を受けまたは受けようとすることを指します。例えば、離職理由に虚偽がある場合(実際は事業主都合であるにもかかわらず自己都合であるなど)も不正受給に当たります。

また、「請求金」とは、不正受給により返還を求められた額、不正受給の日の翌日から納付の日まで、年3%の割合で算定した延滞金、不正受給により返還を求められた額の20%に相当する額(上記括弧書きの場合を除く。)の合計額です。

 

2 平成31(2019)年4月1日以降に申請した雇用関係助成金について、申請事業主の役員等に他の事業主の役員等として不正受給に関与した役員等がいる場合は、申請することができません。

この場合、他の事業主が不支給決定日又は支給決定取消日から5年を経過していない場合や支給決定取消日から5年を経過していても、不正受給に係る請求金を納付していない場合(時効が完成している場合を除く)は、申請できません。

 

3 支給申請日の属する年度の前年度より前のいずれかの保険年度の労働保険料を納入していない事業主(支給申請日の翌日から起算して2か月以内に納付を行った事業主を除く)

 

4 支給申請日の前日から起算して1年前の日から支給申請日の前日までの間に、労働関係法令の違反があった事業主

 

5 性風俗関連営業、接待を伴う飲食等営業またはこれら営業の一部を受託する営業を行う事業主

これらの営業を行っていても、接待業務等に従事しない労働者(事務、清掃、送迎運転、調理など)の雇い入れに係る助成金については、受給が認められる場合があります。また、雇い入れ以外の助成金についても、例えば旅館事業者などで、許可を得ているのみで接待営業が行われていない場合や、接待営業の規模が事業全体の一部である場合は、受給が認められます。なお、「雇用調整助成金」については、性風俗関連営業を除き、原則受給が認められます。

 

6 事業主又は事業主の役員等が、暴力団と関わりのある場合

 

7 事業主又は事業主の役員等が、破壊活動防止法第4条に規定する暴力主義的破壊活動を行った又は行う恐れのある団体に属している場合

 

8 支給申請日または支給決定日の時点で倒産している事業主

 

9 不正受給が発覚した際に都道府県労働局等が実施する事業主名及び役員名(不正に関与した役員に限る)等の公表について、あらかじめ承諾していない事業主

 

<不正受給の場合の措置>

雇用関係助成金について不正受給があった場合、次のように厳しく取り扱われます。

1 支給前の場合は不支給となります。

2 支給後に発覚した場合は、請求金の納付が必要です。

「請求金」とは、不正受給により返還を求められた額、不正受給の日の翌日から納付の日まで、年3%の割合で算定した延滞金、不正受給により返還を求められた額の20%に相当する額の合計額です。

3 支給前の場合であっても支給後であっても、不正受給による不支給決定日又は支給決定取消日から起算して5年間は、その不正受給に係る事業主に対して雇用関係助成金は支給されません。

4 不正の内容によっては、不正に助成金を受給した事業主が告発されます。

詐欺罪で懲役1年6か月の判決を受けたケースもあります。

5 不正受給が発覚した場合には、原則事業主名等が公表されます。

 

<代理人の責任>

社会保険労務士や弁護士などの代理人が、事業主の申請を代わって行う場合、以下の事項に承諾しておく必要があり、ハイリスクな業務となっています。

1 支給のための審査に必要な事項の確認に協力すること

社労士事務所や法律事務所等への立ち入りを含みます。

 

2 不正受給に関与していた場合は、

(1)申請事業主が負担すべき一切の債務について、申請事業主と連帯し、請求があった場合、直ちに請求金を弁済すべき義務を負うこと

(2)事務所(又は法人)名等が公表されること

(3)不支給とした日又は支給を取り消した日から5年間(取り消した日から5年経過した場合であっても、請求金が納付されていない場合は、時効が完成している場合を除き、納付日まで)は、雇用関係助成金に係る社会保険労務士が行う提出代行、事務代理に基づく申請又は代理人が行う申請ができないこと

 

<助成金受給の心がけ>

支給申請日の前日から起算して1年前の日から支給申請日の前日までの間に、労働関係法令の違反があった事業主が、雇用関係助成金を受給できないことは上に示した通りです。

「労働関係法令」には、労働基準法だけでなく、労働安全衛生法、最低賃金法、育児・介護休業法、雇用保険法、労災保険法、高年齢者雇用安定法、職業安定法等々、数多くのものが含まれます。

助成金受給のチャンスを失わないためにも、普段からホワイト企業であり続ける努力が必要です。

また、申請を委託するのであれば、会社の状況をよく知っている顧問社労士に任せることをお勧めします。

 

解決社労士

2020/04/11|791文字

 

<本コースの目的>

令和2年4月1日から、中小企業にも時間外労働の上限規制が適用されています。

このコースは、生産性を向上させ、労働時間の縮減や年次有給休暇の促進に向けた環境整備に取り組む中小企業事業主を支援します。

 

<成果目標>

次のうち、1つ以上の目標を設定します。

・すべての対象事業場で、月60時間超の36協定の時間外労働時間数を縮減させる。

・すべての対象事業場で、所定休日を1日から4日以上増加させる。

・交付要綱で規定する特別休暇(病気休暇、教育訓練休暇、ボランティア休暇)のいずれか1つ以上をすべての対象事業場に新たに導入する。

・時間単位年休を、すべての対象事業場に新たに導入する。

 

<支給対象>

次のうち、1つ以上の取組を実施します。

・労務管理担当者に対する研修

・労働者に対する研修、周知・啓発

・外部専門家によるコンサルティング

・就業規則・労使協定等の作成・変更

・人材確保に向けた取組み

・労務管理用ソフトウェア、労務管理用機器、デジタル式運行記録計の導入・更新

・テレワーク用通信機器の導入・更新

・労働能率の増進に資する設備・機器などの導入・更新

※原則として、パソコン、タブレット、スマートフォンの費用は対象となりません。

 

<支給額>

成果目標の達成状況に応じて、支給対象となる取組みの実施に要した経費の一部が支給されます。

 

<受給手続>

1.令和2年11月30日までに、「交付申請書」を最寄りの労働局雇用環境・均等部(室)に提出

2.交付決定後、提出した計画に沿って取組みを実施(令和3年1月29 日まで)

3.令和3年2月12日までに、労働局に支給申請

 

<助成金の連動>

働き方改革に取組むうえで、人材の確保が必要な中小企業事業主を支援する「人材確保等支援助成金」(働き方改革支援コース)が創設されています。

こちらの助成金は、本コースの支給を受けた事業主が、助成の対象事業主となります。

 

解決社労士

2019/10/26|541文字

 

<雇用関係助成金支給のねらい>

厚生労働省は企業に対して、数万円~数百万円の多種多様な助成金を支給しています。

もともと厚生労働省などの行政機関というのは、立法機関である国会が作った法律を誠実に執行する義務を負っています。

しかし法律を執行するだけでは、なかなか思い通りの成果が現れないこともあります。

そこで雇用の分野を中心として、政府の政策に沿った努力をする企業に、助成金を支給することで、政策の推進を図ろうとしているのです。

たとえば、解雇しないで雇用し続ける努力、就職困難者を雇い入れる努力、職場環境を整える努力、社員の能力を向上させる努力などです。

 

<雇用関係助成金の財源>

助成金の財源は、雇用保険料です。

健康保険や厚生年金の保険料は、会社と労働者とで折半します。

しかし雇用保険では、会社の方が労働者より保険料が高いのです。

この高い分が、助成金の財源なのです。

ですから企業にとっては、「支給」というより「返金」ということになります。

 

<受給手続が面倒な理由>

厚生労働省がブラック企業に助成金を支給すれば問題視されますから、まず、会社の健全性がチェックされます。

そして助成金支給の基準に従った、政策の推進に役立つ活動があるかのチェックも行われます。

この二重のチェックのために、手続が簡単ではないのです。

 

解決社労士 柳田 恵一

<平成31年度の雇用関係助成金>

4月1日付で改正雇用保険法施行規則が施行され、新年度の雇用関係助成金が公表されています。

これに加えて、不正受給対策が強化されています。〔通達 平成31年3月29日職発0329第2号・雇均発0329第6号・開発0329第開発0329第58号〕

 

<不支給期間の延長と対象の拡大>

(1) 偽りその他不正の行為により、雇用調整助成金等の支給を受け、または受けようとした事業主または事業主団体もしくはその連合団体に対して雇用関係助成金を支給しない期間を、過去3年以内から過去5年以内に延長する。

(2) 過去5年以内に偽りその他不正の行為により、雇用調整助成金等の支給を受け、または受けようとした事業主または事業主団体もしくはその連合団体の役員等(偽りその他不正の行為に関与した者に限る)が、事業主または事業主団体もしくはその連合団体の役員等である場合は、当該事業主または事業主団体もしくはその連合団体に対しては、雇用関係助成金を支給しない。

(3) 過去5年以内に雇用調整助成金等の支給に関する手続きを代理して行う者(代理人等)または訓練を行った機関(訓練機関)が偽りの届出、報告、証明等を行い事業主または事業主団体もしくはその連合団体が雇用調整助成金等の支給を受け、または受けようとしたことがあり、当該代理人等または訓練機関が雇用関係助成金に関与している場合は、当該雇用関係助成金は、事業主または事業主団体もしくはその連合団体に対しては、支給しない。

 

<返還命令等>

(1) 偽りその他不正の行為により雇用調整助成金等の支給を受けた事業主または事業主団体もしくはその連合団体がある場合には、都道府県労働局長は、その者に対して、支給した雇用調整助成金等の全部または一部を返還することを命ずることができ、また、当該偽りその他不正の行為により支給を受けた雇用関係助成金については、当該返還を命ずる額の2割に相当する額以下の金額を納付することを命ずることができる。

(2) (1)の場合において、代理人等または訓練機関が偽りの届出、報告、証明等をしたため雇用関係助成金が支給されたものであるときは、都道府県労働局長は、その代理人等または訓練機関に対し、その支給を受けた者と連帯して、雇用関係助成金の返還または納付を命ぜられた金額の納付をすることを命ずることができる。

 

<事業主名等の公表>

都道府県労働局長は、事業主または事業主団体もしくはその連合団体が偽りその他不正の行為により、雇用調整助成金等の支給を受け、または受けようとした場合等は、氏名並びに事業所の名称および所在地等を公表することができる。

 

<社会保険労務士が代理する場合>

『平成31年度 雇用・労働分野の助成金のご案内(簡略版)』には、重ねて次の注意事項が記載されています。

社会保険労務士が事業主の申請を代わって行う場合、以下の事項に同意する必要があります。

このことから、不正受給が疑われる申請はお受けすることができません。

 

●支給のための審査に必要な事項の確認に協力すること

 ※ 不正受給に関与している疑いがある場合の事務所等への立ち入りを含みます

 

●不正受給に関与していた場合は、

①申請事業主が負担すべき一切の債務について、申請事業主と連帯し、請求があった場合、直ちに請求金を弁済すべき義務を負うこと

②事務所(又は法人)名等が公表されること

③不支給とした日又は支給を取り消した日から5年間(取り消した日から5年経過した場合であっても、請求金が納付されていない場合は、時効が完成している場合を除き、納付日まで)は、雇用関係助成金に係る社会保険労務士が行う提出代行、事務代理に基づく申請又は代理人が行う申請ができないこと

 

2019.04.17.解決社労士

雇用関係助成金の計画書や申請書類等の受付について、事業主の利便性向上のため、平成30(2018)年10月1日から郵送による受付が行われるようになりました。

 

<郵送の注意点>

郵送受付を利用する事業主に対して、厚生労働省は次の注意を呼びかけています。

・郵送事故の防止のため、簡易書留等、必ず配達記録が残る方法で郵送してください。

・郵送の場合、申請期限までに到達していることが必要です。

・書類の不備や記入漏れがないよう、事前によくご確認ください。

 

<書面審査の注意点>

雇用関係助成金は、原則として、提出された書類により審査が行われます。

書類の不備や補正すべき内容があった場合、都道府県労働局長や(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長が相当な期間を定めて提出や補正を求めます。

それでも提出や補正がない場合は、1か月以内を期限として補正を求める書面を発送します。

その期限までに提出や補正が無い場合は、不支給となりますのでご注意ください。

 

<不正な業者の勧誘に注意>

助成金の申請や、助成対象の診断、受給額の無料査定をするといった記載内容の書面をFAXや郵便で送りつけ、不正に勧誘している業者がいます。

特に、厚生労働省が勧誘に関与しているかのような、虚偽の表現がされているものには注意が必要です。

雇用関係助成金の手続きを有料で代行できるのは、国家資格者の社会保険労務士に限られています。無資格者に手続きを依頼するのは、トラブルの元になりますので気をつけましょう。

 

郵送先は、厚生労働省ホームページに掲載の「雇用関係助成金郵送受付窓口一覧」で確認できますし、所轄のハローワークに問い合わせることもできます。

 

従来通り、助成金申請窓口に書類を持参しても、受け付けてもらえます。自社で助成金を申請する場合など、計画書や申請書の作成方法等が不明な場合は、都道府県労働局やハローワークなどで相談することができます。

 

2018.10.29.解決社労士

<雇用関係助成金の性質>

融資ではないので返済義務がありません。リスクを負うことなく資金を事業に活用できます。

では、その資金はどこから出ているのでしょうか?

雇用保険料は、企業が従業員よりも多く負担しています。

この多い分の保険料は、雇用安定事業と能力開発事業に充てられます。

助成金は雇用安定事業の一つですから、企業の負担する保険料が財源となっているのです。

つまり、雇用保険に加入する従業員のいる企業総てが、雇用保険料の一部として負担し、助成金を受ける企業にその資金が流れるという構造です。

こう考えると、利用しないのは損だと思えてきます。

 

<助成金が支給されるケース>

国が政策を推進するにあたって、新たに企業に何らかの義務を課す場合、いきなり罰則付きで義務付けるという乱暴なことはしにくいものです。

まず、政策を周知するために広報を強化し、法令に「努力義務」として規定し、積極的に推進する企業には助成金を支給するなどの方法をとります。

こうして、ある程度まで浸透してから罰則付きで義務付けるという手法がとられます。

結局、助成金支給の対象となるようなことは、将来的には法的に義務付けられるようになることが多いのです。

企業が経費をかけて、法的な義務とされる前に政府の政策に協力すれば、経費の一部を助成金として還付するというのが本来の形です。

ですから、企業が何もしなくても手続きさえすれば助成金がもらえるというのは、こうした理屈に逆らうものです。

最近では、社会保険労務士ではない者や会社が「雇用関係助成金がもらえます」という宣伝をしているのはそれ自体違法ですし、実際に助成金が支給されなくても責任を負わないので被害者が出てきています。

雇用関係助成金が支給されるのは、企業が次のような場合に一定の改善をしたケースです。

・従業員を新たに雇うとき

・職場環境を改善して働きやすくするとき

・業績悪化の際、解雇を回避するとき

・従業員に職業訓練を受けさせるとき

・子育てと仕事の両立を支援するとき

 

<助成金の隠れたメリット>

従業員の福利厚生を充実させたり、従業員の働きやすい環境を整備したりということで助成金が支給されます。

これによって、定着率のアップや人手不足の解消を狙えます。

助成金の受給を検討したり、手続を進める中で、会社の現状を分析し、遵法経営や労働環境の改善を図っていくことになり、生産性の向上や、会社の成長を促したりの効果が期待できます。

 前提として、法定の三大帳簿を調えておくことや、就業規則を整備しておくことなどが求められます。真面目に助成金を受給することを検討するのであれば、信頼できる国家資格者の社労士にご相談ください。

 

2018.07.31.解決社労士

<雇用調整助成金>

雇用調整助成金とは、事業主の方のための雇用関係助成金の一つです。

経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、一時的に休業等(休業及び教育訓練)又は出向を行い労働者の雇用の維持を図った場合に、休業手当、賃金などの一部を助成するものです。

 

<特例の対象となる事業主>

平成30(2018)7月豪雨による災害に伴う「経済上の理由」により休業等を余儀なくされた事業所の事業主が特例の対象となります。

被災地以外の事業所でも利用可能です。

この特例は、休業等の初日が平成30(2018)75日から平成31(2019)14日までの間にあることが条件となります。

「経済上の理由」には、次のようなものが含まれます。

・取引先の浸水被害等のため、原材料や商品等の取引ができない場合

・交通手段の途絶により、来客がない、従業員が出勤できない、物品の配送ができない場合

・電気・水道・ガス等の供給停止や通信の途絶により、営業ができない場合

・風評被害により、観光客が減少した場合

・事業所、設備等が損壊し、修理業者の手配や修理部品の調達が困難なため、

早期の修復が不可能であることによる事業活動の阻害

 

<既に実施されている特例>(平成30717日)

・生産指標の確認期間を3か月から1か月へ短縮する

・平成307月豪雨発生時に起業後1年未満の事業主についても助成対象とする

・最近3か月の雇用量が対前年比で増加していても助成対象とする

 

<新たに追加される特例>(平成30725日)

・休業を実施した場合の助成率を引き上げる(※岐阜、京都、兵庫、鳥取、島根、岡山、広島、山口、愛媛、高知、福岡の各府県内の事業所に限る)

【中小企業:3分の2から5分の4へ】【大企業:2分の1から3分の2へ】

・支給限度日数を「1年間で100日」から「1年間で300日」に延長(※岐阜、京都、兵庫、鳥取、島根、岡山、広島、山口、愛媛、高知、福岡の各府県内の事業所に限る)

・新規学卒採用者など、雇用保険加入者(被保険者)として継続して雇用された期間が6か月未満の労働者についても助成対象とする

・過去に雇用調整助成金を受給したことがある事業主であっても、

ア・前回の支給対象期間の満了日から1年を経過していなくても助成対象とする

イ・受給可能日数の計算において、過去の受給日数にかかわらず、今回の特例の対象となった休業等について新たに起算する

 

2018.07.29.解決社労士

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