ブラック企業の記事

<キャンペーンの実施>

厚生労働省では、昨年に引き続き全国の大学生等を対象に、特に多くの新入学生がアルバイトを始める4月から7月までの間、労働条件の確認を促すことなどを目的としたキャンペーンを実施します。

過去の調査結果等でも、労働基準法で規定されている労働条件の明示がなかったと回答した学生が多かったことなどを踏まえ、学生向けに身近に必要な知識を得るためのクイズ形式のリーフレットの配布等による周知・啓発などを行うとともに、大学等での出張相談を引き続き行います。

 

<アルバイトの性質>

アルバイトというのは、日常用語であって法律用語ではありません。

どのような雇用形態をアルバイトと考えるかは、各企業が独自の基準で自由に決めています。

法律上は、アルバイトといえども労働者であり、労働基準法、労働安全衛生法、最低賃金法など、すべての労働法が当然に適用されます。

また、外国人のアルバイトであっても、日本国内で働く限り、日本の法律が適用されます。

 

<キャンペーンなどの影響>

かつては「アルバイトだから」と言われれば、「一般の労働者とは違うのだろう」とあきらめる学生も多かったものです。

しかし、国が広報に努めたせいか、ネットの威力なのか、学生であっても働く限りは、労働法上の権利があるのだということが常識として定着しつつあります。

 

<企業としての再確認>

雇い主としての企業は、学生アルバイトについて、最低限、次のことを再確認しておく必要があります。学生は、これらのことを常識として認識しています。

・アルバイトを雇うときは、書面による労働条件の明示が必要です。

・学業とアルバイトが両立できるような勤務時間のシフトを適切に設定しましょう。

・アルバイトも労働時間を適正に把握する必要があります。

・アルバイトに、商品を強制的に購入させることはできません。また、一方的にその代金を賃金から控除することもできません。

・アルバイトの遅刻や欠勤等に対して、あらかじめ損害賠償額等を定めることや労働基準法に違反する減給制裁はできません。

 

アルバイトをだまして安く使うなどもっての外、戦力化して正社員にするのが得。そういう時代になりました。

 

2018.04.04.解決社労士

<違法な就業規則の実在>

労働基準法などで保障された労働者の権利についての規定が無かったり、法令の基準を下回る内容の就業規則が作成されることは、少なくとも社会保険労務士に依頼したのならありえないでしょう。

しかし、就業規則を作成した時には適法だったものの、法改正が繰り返されて違法だらけの就業規則になってしまうということはあります。

この場合、就業規則と個別の労働契約と法令とを比べて、労働者に一番有利なものが有効になりますから、就業規則が法律に違反していたり、個別の労働契約よりも労働者に不利であったりすれば、その規定は無視されます。

結局、形式的にブラックな就業規則というのは、実害をもたらさないということになりそうです。

 

<形式と実質>

上で言う「就業規則」「労働契約」「法令」というのは、文書化されたものをイメージしています。

こうした意味での「就業規則」は各条文が文字で表わされ、ファイルの形になっています。

文書化されているからこそ、社内に周知することも、労働基準監督署長に届出ることも、改定手続きを行うことも可能なわけです。

これは形式的な「就業規則」の話です。

 

形式的な「就業規則」とは別に、その運用実態が問題となります。

「就業規則」の運用実態こそが、実質的な「就業規則」です。

「就業規則」が絵に描いた餅になっていて、つまり「単なる建前」として扱われていて、実際にはブラックな運用がされているということがあります。

これがブラック就業規則の問題です。

 

<就業規則の軽視>

就業規則が作成されたとき、あるいは変更されたとき、それを全従業員が見られるようにしておいたのに、誰も関心を示さず読まれないということがあります。

社会保険労務士に就業規則の作成・変更を委託したのなら、併せて説明会の開催も任せればこうした事態は生じないのですが、通常は別料金なので省略されることもあります。

やがて就業規則に規定されていることについても、法令違反の勝手な解釈が生まれ慣行となり、ブラック就業規則と化すことがあるのです。

 

<ブラック就業規則の実例>

ブラック就業規則、つまり違法な運用の例には次のようなものがあります。

・セクハラは相手が嫌がっていなければ問題にならない。

・パワハラは指導や業務上の指示に伴うものはある程度許される。

・正社員は年次有給休暇を取得できない。特に役職者は無理。

・アルバイトには労災保険が適用されない。

・大ケガでなければ労災保険の適用外。

・本人に過失があれば労災保険は適用されない。

・仕事のやり直しや自己啓発のための残業は無給となる。

・試用期間中は健康保険や厚生年金に加入しない。

・おかしな辞め方をした従業員には最後の給与を支払わない。

 

<就業規則の適法性>

政府が少子高齢化対策の継続的な推進に力を入れていますから、人を巡る法改正は盛んです。これに対応できていない就業規則は多いことでしょう。

しかし、これは形式的な「就業規則」の話です。

社会保険労務士に就業規則の適法性チェックを依頼する場合には、ブラック就業規則になっていないか運用実態を含めた労働条件審査として依頼することをお勧めします。

 

2017.12.18.解決社労士

<ブラック企業の特徴>

ブラック企業は、社員を最低の賃金で過重労働させたうえ使い捨てにします。

この特徴が求人広告に反映されています。

優良企業が求人広告を出す場合でも、同じ特徴を備えていると、ブラック企業ではないかと疑われるので注意が必要です。

 

<低賃金で長時間労働だから>

ブラック企業は極端な長時間労働ですから、結果的に最低賃金法違反の給与が発生します。

ところが、ブラック企業も優良企業も、求人広告をザッと見ると給与が高いと感じられます。ブラック企業は、「この仕事でこの給与ならお得だ」と思わせる工夫をしているからです。

区別のポイントは、労働時間、休日出勤、休暇、基本給、手当、残業代のわかりやすさです。

ブラック企業は、実際の労働時間が判断できないような不明確な表現をしています。休日出勤や休暇についてもあやふやです。優良企業ならば、明確な実績を表示できるはずです。

ブラック企業の求人広告には、聞き慣れない名称の手当があったり、残業代が別計算なのか手当に含まれるのかわからなかったりと怪しいのです。優良企業ならば、一般的な用語を使っていますから明確です。

 

<社員を使い捨てにするから>

ブラック企業は、疲れた社員を意図的に退職に追い込むので、いつも大量の退職者が出ています。その一方で、大量の新規採用を行います。

「事業拡大につき大量採用!」という表現が求人広告に入っていたら、優良企業が本当に事業を拡大する予定なのか、それともブラック企業がウソをついているのか、少し調べて判断する必要があります。

 

<本当は魅力が無いから>

優良企業なら、労働者が魅力を感じるポイントがたくさんありますから、具体的な魅力を求人広告にアピールできます。

一方ブラック企業は、アピールできる魅力が無いのでイメージでごまかそうとします。そのため、次のような表現が多く見られます。

 

・一部の人の昇給例の表示

使い捨てにする側の社員は昇給や昇進があるので、これを例示します。

社員の「平均」は表示できません。

 

・年次有給休暇など休暇の「実績」の表示が無い

 制度があるという表示はあるものの、本当に休暇を取れているという実績は無いので表示できないのです。

 

・「和気あいあい」「アットホーム」など人間関係が良いことをアピール

 実際には小規模で、社員が親から叱られるように厳しく扱われているのが現実です。それでいて、親とは違って愛情が感じられません。

 

・精神論的な表現が目立つ

「あなたの熱意を買います」「やる気だけ持ってきてください」「あなたの夢は何ですか」「お客様への感謝の気持が原動力です」など実体の無い表現が多く見られます。

 

<広告がデタラメなら>

求人広告に実際と違うことが書かれていたら、どうしてもダマされてしまいます。

 

求人広告がまともな場合でも、応募の電話を掛けてみたり採用面接に行ってみたりして、採用担当者がとても早口だったら警戒しましょう。面接の時間が短くて、すぐに採用が決まったり、書類の記入をさせられたりするのは怪しいのです。

ブラック企業は、大量退職・大量採用ですから、ひとり一人の応募者に対して丁寧に応対する時間が無いのです。

そのため、じっくり選考する態度は見られず、どうしても大急ぎの対応となります。

 

また、運良く面接会場が会社の中であれば、その会社の社員の姿を見ることができるかも知れません。

採用された場合の数年後の姿が、その社員と重なることでしょう。

無表情だったり、身だしなみが乱れていたりして、疲労感がにじみ出ているようなら、直感的に入社を見送ることになると思います。

 

2017.11.24.解決社労士