2021/11/06|1,047文字
<ブラックの意味>
ブラックは、自分が身を置く社会関係の中で道義的に求められていることをせず自分(自分たち)のやりたいようにしてしまう人(企業)を指しているようです。
これは、他人から自分(自分たち)への干渉を極端に嫌う、自己中心的で無責任な態度です。
倫理観が欠如していて、正しく行動することについては消極的で無気力です。
ブラック企業は、企業と労働者が身を置く労使関係の中で、道義的に求められている労働法の順守、誠実な行動、常識的な対応ということに配慮せず、やりたいようにやってしまう企業です。
そもそも労働法の規定はどうなっているか、どうするのが誠実で常識的な行動なのか、これを積極的に知ろうとはしません。
必ずしも悪意をもっているとは限らず、面倒くさいから考えない、コンプライアンスなんて知らないという企業もあります。
<勘違いするポイント>
「自分の働いている会社はブラック企業ではないか」と勘違いする人も少なくはありません。
その理由として、次のようなことが挙げられます。
・正社員とその他の従業員とで通勤費の計算方法が異なる
・支給される通勤費に上限額が設けられている
・日曜日や祝日に出勤しても割増賃金が無い
・生理休暇を取った場合に無給となる
・父親の葬式で休んだら弔事休暇ではなく欠勤となった
・8時間勤務で休憩が50分
・退職金や賞与の支給が正社員に限定されている
・2年半勤務しても退職金が出なかった
・試用期間が3か月なのに10日間で解雇となった
どれもこれも就業規則に違反していない限り、必ずしも違法ではありません。
それでも、他の企業と比較して不利であったり、自分の中の常識に反していれば、「ブラック」と判断することもありうるのです。
ましてや、同一労働同一賃金が法定されてからは、正規職員と非正規職員との待遇差があってはならないという誤解も加わり、不満は膨らむばかりです。
<疑いを晴らすには>
法律の規定がどうなっていて、会社のルールがどうなっているのか、それはなぜなのか、ということについて社員教育が必要です。
会社が正しいことをしていても、会社を疑う社員がいるようでは、生産性が上がりませんし、社員も会社も成長しません。
そして、この教育は会社を疑っている社員に対しては、効果が期待できません。
少なくとも社外の講師による説明会など、客観性を確保した教育が必要となります。
それでも、社員の納得が得られない社内ルールがあったなら、それはその会社の社員の常識に反しているわけですから、見直しをお勧めします。