健康保険のオンライン資格確認に向けた施行規則改正

2021/02/08|1,499文字

 

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<施行規則の改正>

令和3(2021)年3月に、健康保険のオンライン資格確認が開始されることを受け、同年1月29日、厚生労働省が健康保険法施行規則等の一部を改正する省令(令和3年1月29日厚生労働省令第16号)を発出しました。

健康保険のオンライン資格確認というのは、医療機関等で健康保険資格(被保険者資格)をオンラインで確認でき、マイナンバーカードを健康保険証(被保険者証)として利用できるようにするものです。

改正内容は、医療保険制度で被保険者のマイナンバーの取扱いの適正化等を図るためのものです。

以下に、主な内容を示します。

 

<被保険者証等の記載事項の改正>

オンライン資格確認の開始にあたっては、資格の確認を個人単位で行えるようにするため、被保険者記号・番号の個人単位化が必要になります。

このため、令和2(2020)年10月19日以降、協会けんぽで新たに発行される保険証には、記号・番号の右隣に2桁の枝番が印字されるようになっています。

この変更に伴い、プライバシー保護の観点から、健康保険事業とこれに関連する事務以外に、被保険者記号・番号の告知を要求することを制限する「告知要求制限」が設けられています。

なお、この変更により令和2(2020)年10月18日以前に発行された保険証の差替えは、不要です。

 

<マイナンバー(個人番号)変更時の保険者に対する届出>

被保険者がマイナンバー変更時に、医療保険者に対して変更された旨を届け出ることになりました。

マイナンバーは、原則として、生涯同じ番号を利用するものです。

ただし、マイナンバーカード(個人番号カード)が盗まれた場合などで、個人番号が漏えいして不正に用いられる恐れがあると認められる場合には、個人番号の変更を請求することができます。

 

<マイナンバーの取扱の適正化>

埋葬料等の支給申請を行う際、被保険者からの生前の届出でのマイナンバー情報を活用することができるので、支給申請の際のマイナンバーの記載は不要となるなどの取扱が行われます。

 

<健康保険証(被保険者証)の交付>

現在、被保険者証は、事業主または船舶所有者を経由して、被保険者に交付されています。

しかし、保険者が被保険者証を被保険者に対して直接交付することについて支障がないと認めた場合には、保険者から被保険者に対して直接送付することも可能となります。

 

【参考:改正健康保険法施行規則(抜粋)】

(被保険者の個人番号変更の届出)

第27条の2 事業主は、第35条の2の規定による申出を受けたときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した届書を厚生労働大臣又は健康保険組合に提出しなければならない。 一 事業所整理記号及び被保険者整理番号

 二 被保険者の氏名及び生年月日

 三 被保険者の住所(当該被保険者が協会が管掌する健康保険の被保険者であって、厚生労働大臣が当該被保険者に係る機構保存本人確認情報(住民基本台帳法(昭和42年法律第81号)第30条の9に規定する機構保存本人確認情報をいう。以下同じ。)の提供を受けることができるとき又は当該被保険者が健康保険組合が管掌する健康保険の被保険者であって、健康保険組合が当該被保険者の住所に係る情報を求めないときを除く。)

 四 変更前の個人番号及び変更後の個人番号並びに変更の年月日

 五 事業所の名称及び所在地並びに事業主の氏名又は名称

2 第24条第4項の規定は、前項の届出について準用する。

 

(被保険者の個人番号変更の申出)

第35条の2 被保険者は、その個人番号を変更したときは、速やかに、変更後の個人番号及び変更の年月日を事業主に申し出なければならない。

 

解決社労士

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