新型コロナウイルス感染症と傷病手当金

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2020/03/18|1,435文字

 

令和2年3月6日、新型コロナウイルス感染症に関わる傷病手当金の支給について、厚生労働省保険局保険課から全国健康保険協会に宛てて、事務連絡文書が発信されています。

 

<感染者の傷病手当金>

健康保険加入者(被保険者)が新型コロナウイルス感染症に感染し、療養のため労務に服することができない場合には、傷病手当金の対象となります。

つまり、他の病気やケガと同様に、療養のため労務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日から、労務に服することができない期間、直近12か月の標準報酬月額を平均した額の30分の1に相当する額の3分の2に相当する金額が、傷病手当金として支給されます。

例外的に業務によって感染した場合には、傷病手当金の対象とはならず、労災保険給付の対象となります。

 

<自覚症状の有無>

検査の結果、「新型コロナウイルス陽性」と判定され、療養のため労務に服することができない場合には、たとえ自覚症状が無いときでも、傷病手当金の支給対象となりえます。

反対に、「新型コロナウイルス陽性」と判定されていない場合でも、医師が診察の結果、被保険者の既往の状態を推測して初診日前に労務不能の状態であったと認め、意見書に記載したときには、初診日前の期間についても労務不能期間となりえます。

今回の新型コロナウイルス感染症では、次のような症状があるため被保険者が自宅療養を行っていた期間は、療養のため労務に服することができなかった期間に該当することとなります。

・風邪の症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続いている

・強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある

 

<受診していない場合>

やむを得ない理由により、医療機関での受診を行わず、医師の意見書を添付できない場合でも、傷病手当金支給申請書にその旨を記載するとともに、その期間、被保険者が療養のため労務に服さなかった旨を証明する書類を事業主に作成してもらい添付すること等により、傷病手当金を受給できる場合があります。

 

<職場全体が休業になった場合>

事業所内で、新型コロナウイルス感染者が発生したこと等により、事業所全体が休業し、労務を提供することができなかった期間については、傷病手当金は支給されません。

傷病手当金は、労働者の業務災害以外の理由による疾病、負傷等の療養のため、被保険者が労務に服することができないときに給付されるものであるため、被保険者自身が労務不能と認められない限り、傷病手当金は支給されないことになります。

なお、使用者の独自の判断により、一律に労働者を休ませる措置をとる場合のように、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合には、労働基準法に基づき、使用者は、休業期間中の休業手当(平均賃金の100分の60以上)を支払わなければなりません。〔労働基準法第26条〕

 

<家族が感染した場合>

家族が感染し、労働者が濃厚接触者になったが症状は無いという場合、その労働者が休暇を取得しても傷病手当金は支給されません。

繰り返しですが、傷病手当金は、労働者の業務災害以外の理由による疾病、負傷等の療養のため、被保険者が労務に服することができないときに給付されるものであるため、被保険者自身が労務不能と認められない限り、傷病手当金は支給されないことになります。

 

これらは、従来の取扱いに基づくものであって、新型コロナウイルス感染症についての特例を定めたものではありませんが、迷いやすい点もあることから公表されたものです。

 

解決社労士

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