長時間労働が疑われる事業場に対する平成30年度の監督指導結果

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令和元(2019)年9月24日、厚生労働省が長時間労働が疑われる事業場に対して労働基準監督署が実施した、監督指導の結果を取りまとめ公表しました。

この監督指導は、各種情報から時間外・休日労働時間数が1か月当たり80時間を超えていると考えられる事業場や、長時間にわたる過重な労働による過労死等に係る労災請求が行われた事業場を対象としています。

対象となった29,097事業場のうち、11,766事業場(40.4%)で違法な時間外労働を確認したため、是正・改善に向けた指導を行いました。なお、このうち実際に1か月当たり80時間を超える時間外・休日労働が認められた事業場は、7,857事業場(違法な時間外労働があったもののうち66.8%)でした。

厚生労働省では、今後も長時間労働の是正に向けた取組を積極的に行うとともに、11月の「過重労働解消キャンペーン」期間中に重点的な監督指導を行います。

 

【平成30年4月から平成31年3月までの監督指導結果のポイント】

(1) 監督指導の実施事業場:29,097事業場

   このうち、20,244事業場(全体の69.6%)で労働基準関係法令違反あり。

 

(2) 主な違反内容

[(1)のうち、法令違反があり、是正勧告書を交付した事業場]

  ① 違法な時間外労働があったもの:11,766事業場(40.4%)

    うち、時間外・休日労働の実績が最も長い労働者の時間数が

       月80時間を超えるもの:        7,857事業場(66.8%)

       うち、月100時間を超えるもの:   5,210事業場(44.3%)

       うち、月150時間を超えるもの:   1,158事業場( 9.8%)

       うち、月200時間を超えるもの:    219事業場( 1.9%)

  ② 賃金不払残業があったもの:1,874事業場(6.4%)

  ③ 過重労働による健康障害防止措置が未実施のもの

                                                                   :3,510事業場(12.1%)

 

(3) 主な健康障害防止に関する指導の状況

[(1)のうち、健康障害防止のため指導票を交付した事業場]

  ① 過重労働による健康障害防止措置が不十分なため改善を指導したもの

                                                                  :20,526事業場(70.5%)

    うち、時間外・休日労働を月80時間※以内に削減するよう指導したもの

                                                                 : 11,632事業場(56.7%)

 ※ 脳・心臓疾患の発症前1か月間におおむね100時間または発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外・休日労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いとの医学的知見があるため。

  ② 労働時間の把握が不適正なため指導したもの:4,752事業場(16.3%)

 

これは、改正労働基準法をはじめ、働き方改革関連法施行前の法令に基づく監督指導結果です。

今年度は、改正法への対応の遅れから、違反を指摘されてしまう事業場の増加が懸念されます。

なお、賃金不払残業には、賃金不払早出や賃金不払休日出勤なども含まれます。

休日出勤の後、代休が取れずに放置されるような、隠れた賃金不払もありますから、「賃金不払残業」という言葉にとらわれないようにしましょう。

 

2019.09.26. 解決社労士 柳田 恵一