報連相が足りない社員への対応

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<報連相が必要な理由>

本来、権利や義務の主体となるのは生身の人間です。

民法は、このことを次のように規定しています。

 

【権利能力】

第三条 私権の享有は、出生に始まる。

2 外国人は、法令又は条約の規定により禁止される場合を除き、私権を享有する。

 

しかし、個人の力で成し遂げられることには限りがありますから、民法は法人の設立を認めて、目的の範囲内で権利や義務の主体となることを規定しています。

 

【法人の能力】

第三十四条 法人は、法令の規定に従い、定款その他の基本約款で定められた目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う。

 

会社も法人です。

会社の中で働く人たちが相互に協力し合い、まるで1人の人間のように統一的に活動することによって、会社は目的を果たすことが可能となります。

このためには、社員間・部署間で報告・連絡・相談が適切に行われている必要があります。

 

<報連相が足りない社員>

報連相を密にして組織的に動いた方が、生産性が向上しリスクが回避できるのは明らかです。

ところが、報連相が滞ったり不足したりする社員がいます。

報告書の提出締切を守らなかったり、いい加減な報告書を提出して済ませたりしています。

 

<報連相不足に対する懲戒処分>

報連相に問題のある社員の多くは、業務の中で報連相の優先順位が低いのだと思われます。

上司が、本人に対して報連相を重視し優先順位を上げるように指導する必要があります。

最初は口頭による注意・指導を行い、それでも改善されない場合には、書面による注意を行います。

この書面には、就業規則の条文を示し、報連相を怠ることが就業規則違反であり、場合によっては懲戒処分の対象となりうることも記載しておくべきです。

 

<懲戒処分の対象とすべきではない報連相不足>

能力不足で報連相が上手くできない社員もいます。

他の業務はともかく、報告書の作成などが極端に苦手というタイプです。

この場合には、本人を戒めても効果が期待できません。

むしろ、技術的な側面もありますので、教育が大きな効果をもたらします。

しかし、安易に上司に指導を任せてしまうと、上司が「こんな報告書じゃダメだ」という拒絶の態度を示し、ともするとパワハラに及んでしまう恐れがあります。

人事部門が主体となって集合研修を行うのが効果的だと思います。

 

2019.08.25. 解決社労士 柳田 恵一