労災認定の判断権者

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<よくある誤解>

就業規則に「アルバイト社員には労災保険を適用しない」という規定のある会社もあるそうです。

また、会社に労災申請を希望したところ「あなたの業務は雇用というよりも請負に近いから、労災保険の適用対象ではない」と説明されたという話もあります。

こうした場合に、従業員は、「規則だから」「会社が認めてくれないから」と考えて諦めてしまうようです。

 

<労災認定の判断権者>

労災給付の請求があった場合に、これを認めるかどうかを判断するのは、会社を所轄する労働基準監督署の署長です。

決して会社ではありません。

ただ、貧血で倒れてケガをした場合のように、明らかに労災保険の適用対象外である場合に、会社の担当者から従業員に対してその旨の説明が行われるのは、不当なことではありません。

会社としては、具体的な事実を確認し、労災保険の適用関係に不安があれば、所轄の労働基準監督署の労災課などに問い合わせたうえで、手続きを進めるのが正しいことになります。

 

<事業主が記入しない場合>

労災の手続きに必要な書式は、厚生労働省のホームページでダウンロードできます。

これには、労働者、事業主、医師などそれぞれの記入欄があります。

会社が事業主の欄に記入することを拒んでも、手続きを進めることができます。

従業員が労働者の記入欄に分かる範囲で記入し、治療を担当している医師に証明欄を記入してもらい、所轄の労働基準監督署の労災課などの窓口に行って「会社が書いてくれない」と申し添えて、書類を提出すれば良いのです。

 

<従業員が納得しない場合>

客観的に見て労災保険の適用対象ではない場合に、従業員が「会社を説得して労災扱いにしてもらおう」と考えることがあります。

こうした場合には、判断するのは会社ではなく労働基準監督署長であることを会社から従業員に説明し、所轄の労働基準監督署の労災課などの電話番号を案内するのが良いでしょう。

 

2019.08.18. 解決社労士 柳田 恵一