医師、看護師等の宿日直許可基準の変更(働き方改革)

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<新通達による基準変更>

令和元(2019)年7月1日、厚生労働省労働基準局長より都道府県労働局長に新たな通達が出されました。

医師等の宿日直の特性を踏まえ、許可基準の細目を定めたものです。

これをもって、昭和24(1949)年3月22日付基発第352号「医師、看護婦等の宿直勤務について」は廃止されました。

医療法第16条には「医業を行う病院の管理者は、病院に医師を宿直させなければならない」と規定されていますが、その宿直中の勤務の実態が次に該当すると認められるものについてのみ、労働基準法施行規則第23条の許可が与えられるようになりました。

 

労働基準法施行規則第23条

(宿直又は日直勤務)

 

第二十三条 使用者は、宿直又は日直の勤務で断続的な業務について、様式第十号によつて、所轄労働基準監督署長の許可を受けた場合は、これに従事する労働者を、法第三十二条の規定にかかわらず、使用することができる。

 

労働基準法第32条

(労働時間)

 

第三十二条 使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。

○2 使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。

 

<新基準の内容>

医師等の宿日直勤務については、次に掲げる条件の全てを満たし、かつ、宿直の場合は夜間に十分な睡眠がとり得るものである場合には、労働基準法施行規則第23条の許可を与えるよう取り扱います。

 

⑴ 通常の勤務時間の拘束から完全に解放された後のものであること。

 

⑵ 宿日直中に従事する業務は、一般の宿日直業務以外には、特殊の措置を必要としない軽度の又は短時間の業務に限ること。例えば、次に掲げる業務等をいう。

・ 医師が、少数の要注意患者の状態の変動に対応するため、問診等による診察等(軽度の処置を含む。以下同じ。)や、看護師等に対する指示、確認を行うこと

・ 医師が、外来患者の来院が通常想定されない休日・夜間(例えば非輪番日であるなど)において、少数の軽症の外来患者や、かかりつけ患者の状態の変動に対応するため、問診等による診察等や、看護師等に対する指示、確認を行うこと

・ 看護職員が、外来患者の来院が通常想定されない休日・夜間(例えば非輪番日であるなど)において、少数の軽症の外来患者や、かかりつけ患者の状態の変動に対応するため、問診等を行うことや、医師に対する報告を行うこと

・ 看護職員が、病室の定時巡回、患者の状態の変動の医師への報告、少数の要注意患者の定時検脈、検温を行うこと

 

⑶ 上記⑴、⑵以外に、一般の宿日直の許可の際の条件を満たしていること。

 

<割増賃金が発生する場合>

宿日直中に従事する業務には、特殊の措置を必要としない軽度の又は短時間の業務に限られ、通常の勤務時間と同態様の業務は含まれません。

例外的に、通常の勤務時間と同態様の業務に従事することがあった場合には、その時間について労働基準法第37条の割増賃金が支払われることになります。

 

<宿日直の許可ができないケース>

宿日直に対応する医師等の数について、宿日直の際に担当する患者数との関係やその病院等に夜間・休日に来院する急病患者の発生率との関係等からみて、通常の勤務時間と同態様の業務に従事することが常態であると判断されるものについては、宿日直の許可を与えることができません。

 

人の生命を預かる医師等が、過重労働によって、自らの生命や健康を脅かされることのないように、働き方改革が進められつつあります。

 

2019.07.09. 解決社労士 柳田 恵一