J2水戸の残業代未払いとパワハラ

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令和2(2019)年6月23日、朝日新聞が次のように報じています。

 

 サッカーJ2水戸ホーリーホックの沼田邦郎社長は23日、少なくとも自身が社長となった2008年4月以降の11年間、社員への残業代をいっさい支払っていなかったことを明らかにした。沼田氏は「クラブ存続の危機が続き、社員もわかってくれていると思った。甘えがあった」と釈明した。

 記者会見した沼田氏によると、今年4月まで、退職した社員を含む20~40代の計20人の残業代が未払いで、残業時間も把握していなかった。一般に1日8時間、週40時間超の残業や休日の労働については、労使協定(三六協定)を結べば可能だが、クラブは今年4月まで未締結だった。未払い分支払いは労使間で交渉中という。

 一方、沼田氏は昨年4月ごろ、40代男性幹部が20代男性社員に、大声で怒鳴るパワーハラスメントがあったことも明らかにした。社員は退職済みで、クラブが設けた第三者委員会はパワハラと認定。幹部と沼田氏の処分を検討している。

 クラブは現在J2の上位で、J1昇格に必要なJ1クラブライセンスを今後申請する予定だが、認められるかどうかについて沼田氏は「Jリーグが判断すること」としている。

 

ファンとしては、大変ガッカリな内容です。

 

上記の中で「1日8時間、週40時間超の残業」というのは、「1日8時間、週40時間の法定労働時間を超える労働」という意味です。

1日8時間まで、週40時間までの残業なら、労使協定(三六協定)を結ばなくても可能ということではありません。

 

また、「休日の労働」というのは、カレンダーの数字が赤い日という意味ではなく、週1日の「法定休日の労働」という意味です。

 

さらに、「労使協定(三六協定)を結べば可能」というのは、「労使協定を交わして所轄の労働基準監督署長に届け出れば罰則が適用されない」という意味です。

 

なお、社員がわかってくれていても、同意してくれていても、残業代を支払わないのは違法です。

「ビルの屋上から突き落としてもかまいません」と言う人を本当に突き落としたら、犯罪が成立し刑罰が科せられるのと同じです。

 

報道は伝えるのが使命です。わかりやすさを優先します。

何が適法で何が違法かという専門的なことは、社会保険労務士などの専門家にご確認ください。

 

2019.06.26. 解決社労士 柳田 恵一