傷病手当金の書類を医師が書いてくれない理由

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<傷病手当金支給申請書>

傷病手当金支給申請書の提出先は、健康保険証に書いてある保険者です。

そして申請書の形式は、保険者が決めています。

たとえば、協会けんぽの申請書であれば、1セット4枚で、次の内容になっています。

1,2枚目 = 申請者情報、申請内容

3枚目 = 事業主の証明 ※事業主とは会社などのことです。

4枚目 = 療養担当者の意見書 ※療養担当者とは医師などのことです。

 

<記入する人>

1,2枚目の申請者情報、申請内容は、仕事を休んだ健康保険加入者(被保険者)自身または、被保険者が亡くなった場合は相続人が記入します。

会社の担当者が、ほとんど代筆してくれることもあります。

3枚目の事業主の証明は、会社の担当者や顧問の社会保険労務士が記入します。

4枚目の療養担当者の意見書は、担当医師が記入します。

 

医師が傷病手当金の書類を書いてくれなくて困るというのは、療養担当者の意見書の部分を書いてくれないということになります。

1,2枚目の書き方がわからないのであれば、保険者に確認することになります。

 

<事実を確認できない場合>

たとえば、ケガをしてすぐ医師の診察を受けず、自然に治るのを待っていたとします。

そして、1か月経ってから我慢できずに医師の治療を受けたとします。

この場合、医師が確認できるのは、ケガから1か月経ったときの状態です。

1か月前にケガをしたとき、どのような状態であったのかは確認できません。

ケガをした時点で働けない状態だったのか、その時は働ける状態だったのに2週間後にケガの状態が悪化して働けなくなったのか、それとも3日前から働けなくなったのか、診察していないので何とも言えません。

ケガをして1か月の間のことについては、医師が意見書を書けないのです。

 

<労務不能とは見ない場合>

病気やケガで仕事を休んだとしても、それは本人が大事をとって休んだに過ぎず、決して働けない状態ではなかったということがあります。

医師としては「大げさだなぁ」と感じています。

この場合、医師は病気やケガの存在を認め治療はするのですが、労務不能の証明はできないことになります。

 

<労働災害の場合>

傷病手当金は私傷病、つまりプライベートのケガや病気について支給されます。

業務災害や通勤災害については、健康保険ではなく労災保険が適用されます。

したがって、患者の説明から労働災害であることが明らかであれば、医師は傷病手当金の書類に記入することができません。

 

<事実に反する場合>

患者が医師に対して、「自分の言うとおりに書け」あるいは「会社からこう書いてもらいなさいと言われている」などと言っても、医師は自分の診断結果に忠実に記入する義務を負っていますから、これに従うことはできません。

 

2019.04.20.解決社労士