給与・賞与は日本人と同等以上に(外国人労働者新制度の政省令公布)

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<政省令公布>

平成31(2019)年3月15日、政府は特定技能の在留資格を創設し、外国人労働者受け入れを拡大する新制度の運用の詳細を定めた法務省令や政令を公布しました。

健康状態が良好であることを資格取得の要件とし、受け入れ先には日本人と同等以上の報酬とする雇用契約を結ばせることなどを定めました。

施行は新制度を盛り込んだ改正入管難民法と同じ4月1日となります。

これで外国人労働者の新制度に関する全ての法規定が整備された形となりました。

新制度は一定技能が必要な特定技能1号、熟練技能が必要な同2号の在留資格を創設しています。

1号は介護や農業など14業種、2号は建設と造船・舶用工業の2業種で受け入れることになっています。

 

<外国人と法令の適用>

労働基準法や最低賃金法、社会保険や労働保険に関する法律は、労働者の国籍とは関係なく、日本国内の事業所や現場で働く外国人にも適用されます。

日本人ではないことを理由に、年次有給休暇や産休・育休を取得させない、厚生年金や雇用保険に加入させない、労災の手続きをしないというのは明らかに違法です。

外国人であれば日本人よりも安い賃金で雇えそうだという期待とは裏腹に、法令の適用については日本人と同じですから、人件費の節減も思うようにはいきません。

それどころか、日本語が上手ではない外国人にも安全教育が必要ですし、就業規則などのルールも説明しなければなりません。危険個所には、日本語以外の注意書きを表示する必要があります。

こうしてみると、外国人を雇った場合、そのお世話をする日本人の人件費も馬鹿にならないように思えます。

そもそも国籍の違いを理由に待遇を差別したら、それだけで違法になってしまいます。〔労働基準法3条〕

 

<特定技能の在留資格の特例>

特定技能の在留資格では、受け入れ先に日本人と同等以上の報酬とすることを義務づけています。

これまでも、外国人を最低賃金法の定める最低額を下回る賃金で働かせ、刑事告発を受ける企業がありました。

特定技能の在留資格では、「日本人と同等以上の報酬」で雇うことが義務付けられていますから、最低賃金法の定める最低賃金を上回るだけでは条件を満たしません。

「日本人と同等以上の報酬」であることが立証できるためには、客観的な評価基準と適正な人事考課の運用も必要となります。

有能な外国人を採用するには、それ相当の準備が必要であること、また、低賃金で働かせることはできないという、正しい認識が広がっていくことを期待します。

 

2019.03.18.解決社労士