生活保護

2022/04/03|1,096文字

 

<生活保護>

「生活保護制度」は、生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、併せてその自立を助長する制度です。

保護の種類は、次の8種類であり、要保護者の必要に応じて支給されます。

医療扶助と介護扶助を除き、金銭給付を原則としています。

 

生活扶助: 衣食その他日常生活の需要を満たすために必要なもの

教育扶助: 義務教育に伴って必要な教科書、その他の学用品等

住宅扶助: 住居の提供、家屋の補修費

医療扶助: 診察、薬剤又は治療材料、医学的処置、手術その他の治療等

介護扶助: 高齢者に対する居宅介護、福祉用具、住宅改修、施設介護等

出産扶助: 出産に必要な経費

生業扶助: 生業に必要な資金、器具、技能の修得費等

葬祭扶助: 葬祭に必要な経費

 

<生活保護を受ける条件>

生活保護を受けるためには、生活に困窮している人が、利用できる資産、働いて収入を得る能力、その他あらゆるものを活用することが前提となります。

ですから、資産調査などが行われます。

また、民法の定める扶養義務者の扶養が生活保護に優先されます。

それでもなお、最低限度の生活が維持できない場合に、保護を受けることができます。

具体的には、収入が厚生労働大臣の定める基準によって測定された最低生活費に満たないときに、その不足分について、保護を受けることとなります。

保護が必要な状態になった理由は、限定されていません。

なお、保護費の支給、その前提となる収入の認定、最低生活費の計算等は、世帯単位で行われます。

 

<保護の申請>

実際に生活保護を受けようとする場合には、保護の申請が必要となりますので、まずは最寄りの福祉事務所に相談します。

福祉事務所は、市・区部では市・区が、郡部では都道府県が設置しています。

郡部では、町村役場を経由して申請を行うこともできます。

 

<保護の要否の決定>

福祉事務所での相談を経て保護の申請をすると、保護が必要かどうかの判定のため、福祉事務所による資産調査や検診命令などが行われます。

その結果、保護が必要であると認められれば、福祉事務所長によって保護開始の決定がなされます。

なお、保護の要否の決定は、申請のあった日から原則として14日以内、遅くとも30日以内に行われます。

 

<受給者の義務>

生活保護を受給すると、生計状況を福祉事務所長に報告する義務などが生じ、福祉事務所長の指導や指示に従わなかったときは、保護が停止されたり、廃止されたりすることがあります。

また、資力がありながら生活保護を受給していた場合には、保護費の全部または一部を返還させられることがあります。

PAGE TOP