経営者によるパワハラ

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<半年で3人自殺の報道>(TBSニュース)

福岡県大牟田市の不動産会社に勤めていた男性社員3人が、半年ほどの間に相次いで自殺していたことが分かり、警察が背景を調べているそうです。

インターネットの掲示板には、「自殺した3人を含む複数の社員が経営者から日常的にパワハラを受けていた」と匿名の書き込みがあるということです。

 

<パワハラの構造>

パワハラは、次の2つが一体となって同時に行われるものです。

 

【パワハラの2要素】

・業務上必要な叱責、指導、注意、教育、激励、称賛など
・業務上不要な人権侵害行為(犯罪行為、不法行為)

 

行為者は、パワハラをしてやろうと思っているわけではなく、立場上必要な注意指導などが、無用な人権侵害を伴っているわけです。

 

<業務上不要な人権侵害行為>

業務上必要な行為と同時に行われる「業務上不要な人権侵害行為」には、次のようなものがあります。

 

【無用な人権侵害】


・犯罪行為 = 暴行、傷害、脅迫、名誉毀損、侮辱、業務妨害など

・不法行為 = 暴言、不要なことや不可能なことの強制、隔離、仲間はずれ、無視、能力や経験に見合わない低レベルの仕事を命じる、仕事を与えない、私的なことに過度に立ち入るなど

 

刑事上は犯罪となる行為が、同時に民事上は不法行為にもなります。つまり、刑罰の対象となるとともに、損害賠償を請求される対象ともなります。〔民法709条〕

これは、経営者でも一般の従業員でも同じです。

 

<会社の民事責任>

さらに、会社も不法行為責任を負います。〔民法44条1項〕

まともに働ける環境を提供していないといえる場合なら、債務不履行責任も負います。〔民法415条〕

「経営者=会社」ではありませんから、経営者がパワハラを行った場合には、会社も経営者も責任を負います。

 

<被害者が取るべき行動>

・パワハラ行為の記録や証拠を残す。

・同じ行為者からのパワハラ被害者がいれば協力する。

・労働相談情報センターなどに相談する。

社長がパワハラを行う人物である場合、その権限の強さから、被害者が複数である可能性は高いでしょう。一人では心細いですが、被害者が協力し合うことによって、解決しやすくなります。

また、パワハラの問題は、第一に社内で解決するのが原則です。しかし、パワハラの相談窓口や担当者は、被害者の味方に付いてくれないかもしれません。早めに社外の相談窓口に相談することをお勧めします。

 

<経営者がパワハラの防止を考えるなら>

本気でセクハラ、パワハラ、マタハラなどを防止したい会社なら、相談窓口は社外の専門家に委託して、社内でもみ消されないようにするのではないでしょうか。

ハラスメントに限らず、働いている人たちの相談窓口として、信頼できる社労士をご検討ください。

また、そもそもパワハラが何なのか良く分からない、萎縮して部下や後輩を指導できないのでは困るという声もあります。

こうした場合にも、社労士にセミナーの開催を委託するなど、社外の専門家を活用することを考えてはいかがでしょうか。

 

2019.02.07.解決社労士