マンガありチェックリストありの「パートタイム・有期雇用労働法対応のための取組手順書」

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<パートタイム・有期雇用労働法の施行>

平成31(2019)年1月16日、厚生労働省が「パートタイム・有期雇用労働法対応のための取組手順書」等を公表しました。

パートタイム・有期雇用労働法は、2020年4月1日から施行(中小企業は2021年4月1日から適用)されます。

短時間労働者だけでなく、フルタイム有期雇用労働者も法の対象に含まれることになりました。そのため、法律の名称も、「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」(略称「パートタイム・有期雇用労働法」)に変わります。

 

<働き方改革との関係>

これはもちろん、働き方改革の一環です。

「働き方改革」という言葉は、よく目にするようになりましたが、その定義は必ずしも明確ではありません。

しかし、働き方改革実現会議の議事録や、厚生労働省から発表されている数多くの資料、そして現在までの動向をもとに考えると「働き手の不安を解消し満足度を高めるための多面的な施策により、労働生産性( 付加価値額 / 実労働時間 )を向上させる変革」といえるでしょう。

有期雇用の労働者は、雇用契約の終了について不安がありますし、パートタイムと同様に正社員との待遇差に疑問や不満を抱えていることがあります。

これを解消すれば、長い目で見たときに企業の利益を向上させることになるのですが、目先のことだけを考えたり、自社が単独で行うことを考えたりすると、躊躇してしまいます。

そこで、法令によって一斉に変革を実施し、公正に労働者の不安と不満の解消を図ろうというのが働き方改革関連法の役割だと考えられます。

 

<同一労働同一賃金>

同一労働同一賃金の導入は、同一企業・団体での正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者)と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。

同一企業内での正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の解消の取組を通じて、どのような雇用形態を選択しても納得が得られる処遇を受けられ、多様な働き方を自由に選択できるようにします。

同一企業・団体での正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間で、待遇差が存在する場合に、どのような待遇差が不合理なものであり、どのような待遇差は不合理なものでないのか、原則となる考え方と具体例を示したものとして、「同一労働同一賃金ガイドライン」が公表されています。

 

<取組手順書の役割>

「同一労働同一賃金ガイドライン」は考え方を示すものですから、各企業がどのように同一労働同一賃金に取り組み、パートタイム・有期雇用労働法に対応すべきかについては示されていません。

そのため、「パートタイム・有期雇用労働法対応のための取組手順書」が公表され、各企業がこれに沿って進めていけるようにしたものです。

この取組手順書に沿って社内の制度の点検を行い、自社の状況が法の内容に沿ったものかを把握し、点検の結果、制度の改定の必要があれば、法の施行までに改定の準備を進めることができます。

 

<パートタイム・有期雇用労働法の2つの柱>

この法律には、次の2つの大きなポイントがあります。取組手順書の活用にあたって、この2つの柱を外さないよう、常に注意しましょう。

 

【不合理な差別の禁止】

同じ企業で働く正社員と短時間労働者・有期雇用労働者との間で、基本給や賞与、手当などあらゆる待遇について、不合理な差を設けることが禁止されます。

 

【説明義務】

事業主は、短時間労働者・有期雇用労働者から、正社員との待遇の違いやその理由などについて説明を求められた場合は、説明をしなければなりません。

 

2019.01.22.解決社労士

東京都社会保険労務士会 武蔵野統括支部 働き方改革研究会 代表

大きな案件や専門性の高い業務は、30名を擁する働き方改革研究会の選抜チームで受任しております。