労働施策基本方針と働き方改革

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<労働施策基本方針>

平成30(2018)年12月28日、「労働施策基本方針」が閣議決定されました。

「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」では、労働者がその有する能力を有効に発揮することができるようにするために必要な労働に関する施策の総合的な推進に関する基本的な方針を定めなければならないこととされています。

これに基づき、厚生労働省では、労働政策審議会労働施策基本方針部会での議論を踏まえ、労働施策基本方針を取りまとめました。この方針には、働き方改革実行計画に規定されている施策を中心とし、労働施策に関する基本的な事項、その他重要事項などが盛り込まれています。

厚生労働省は、今後、この方針に基づき、誰もが生きがいを持ってその能力を最大限発揮することができる社会の実現に向けて取り組んでいくとしています。

 

この労働施策基本方針の中では、働き方改革が次のように説明されています。

 

【働き方改革の必要性】

誰もが生きがいを持ってその能力を最大限発揮することができる社会を創るためには、働く人の視点に立ち我が国の労働制度の改革を行い、企業文化や風土を変え、働く一人一人が、より良い将来の展望を持ち得るようにすることが必要である。

働き方改革の推進は、多様な働き方を可能とすることにより、自分の未来を自ら創っていくことができる社会を実現し、意欲ある人々に多様なチャンスを生み出すものであり、同時に企業の生産性や収益力の向上が図られるものである。人々が豊かに生きていく社会の実現のためには、働き方改革を着実に推進することが求められる。

 

【働き方改革の推進に向けた基本的な考え方】

我が国の労働制度と働き方においては、長時間労働や、非正規雇用労働者の待遇等に関する問題に加え、女性や高齢者等の労働参加に関する課題や、育児や介護等と仕事の両立に関する課題、中高年齢者等の転職・再就職に関する課題、中小企業等における人材確保等に関する課題など様々な課題が存在する。

働き方改革は、こうした問題や課題を解決することにより、労働参加率の向上に加え、労働者のモチベーションを高めるとともに、生産性の向上にもつながるものである。また、働き方改革によって生まれる生産性向上の成果を働く人に分配することにより、賃金の上昇と需要の拡大を通じた成長と分配の好循環を実現し、国民一人一人の生活の向上を目指すものである。

労働施策総合推進法は、国が、労働施策を総合的に講ずることにより、経済社会情勢の変化の中で、労働者の多様な事情に応じた雇用の安定及び職業生活の充実並びに労働生産性の向上を促進して、労働者がその有する能力を有効に発揮することができるようにすることにより、労働者の職業の安定と経済的社会的地位の向上を実現し、経済及び社会の発展並びに完全雇用の達成に資することを目的としている。

また、労働施策総合推進法の基本的理念として、職業生活の全期間を通じた、労働者の職業の安定への配慮に加え、労働者は、職務の内容及び職務に必要な能力、経験その他の職務遂行上必要な事項の内容が明らかにされ、並びにこれらに即した評価方法により能力等を公正に評価され、当該評価に基づく処遇を受けることその他の適切な処遇を確保するための措置が効果的に実施されることにより、その職業の安定が図られるように配慮されるものとすることを、新たに掲げたところである。

このような労働施策総合推進法の目的及び基本的理念を踏まえ、本方針に労働施策に関する基本的事項等を定めることにより、都道府県や市町村等の地方公共団体とも連携を図りつつ、働き方改革の実現に向けて労働施策を総合的に推進する。

こうした働き方改革に向けた労働施策の推進や各企業における働き方改革の実施においては、労使の十分なコミュニケーションをその基盤とするとともに、働く人の視点に立つことが重要である。

なお、公務員についても、働き方改革の実現に向けた取組の推進に努める。

 

【労働施策基本方針に基づく働き方改革の推進】

働き方改革の実現に向けて、本方針において示した基本的な考え方や中長期的な方向性に基づき、労働施策を総合的かつ継続的に推進する。

本方針に基づく施策の推進に当たっては、労働政策審議会に置く各分科会の意見を踏まえ、必要なKPI の設定を行い、PDCAサイクルを回すことにより、各施策の実効性を確保しつつ、実施するものである。

働き方改革の意義等を示すものとしての本方針の性格に照らし、経済及び雇用情勢に加え、実行計画のフォローアップの状況や本方針に定める諸施策の実施状況に応じて、変更の必要性があると判断した場合は、本方針を見直すものとする。

 

2019.01.05.解決社労士

東京都社会保険労務士会 武蔵野統括支部 働き方改革研究会 代表

大きな案件や専門性の高い業務は、30名を擁する働き方改革研究会の選抜チームで受任しております。