同一労働同一賃金に関する省令案要綱・指針案の全体像(平成30(2018)年11月27日)

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平成30(2018)年11月27日に開催された、労働政策審議会の職業安定分科会 雇用・環境均等分科会 同一労働同一賃金部会で、厚生労働省が諮問した働き方改革関連法の同一労働同一賃金に関する省令案要綱・指針案が了承されました。

 

<働き方改革推進法に伴う厚生労働省令案>

【短時間・有期雇用労働法施行規則】

 〇 短時間・有期雇用労働者の雇い入れ時に事業主が行う労働条件明示の方法 等

 

【労働者派遣法施行規則】

 〇 協定締結に関し、過半数代表者の選出方法、同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額、周知方法、行政への報告

 〇 派遣先から派遣元への待遇情報の提供に関し、比較対象労働者の選定、提供すべき情報の内容

 〇 派遣労働者の雇い入れ時・派遣時に、派遣元事業主が説明する事項やその説明の方法 等

 

これらについては、具体的な方法が不明確であったことから、省令で具体的な内容を示すことになっていたものです。

働き方改革の影響もあり、法改正のスピードが速く、また多岐にわたっています。こうした状態に、中小企業がそろって対応できるとは思えません。

行政からの広報を強化するだけでなく、行政協力という形で社会保険労務士が精力的に動く必要があるでしょう。

 

<短時間・有期雇用労働指針>

事業主が講ずべき短時間労働者の雇用管理の改善等に関する措置等についての指針の一部を改正する件案が了承されています。

 

【短時間・有期雇用労働指針】

〇 通常の労働者との待遇の相違の内容及び理由の説明に関し、事業主が説明すべき内容や説明の方法 等

 

こちらは、上記の【短時間・有期雇用労働法施行規則】とは異なり、雇い入れ時だけでなく、すでに働いている短時間労働者と有期雇用労働者に対しても、事業者が負う説明義務についてのものです。

 

<派遣元指針・派遣先指針>

派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針の一部を改正する件案(派遣元指針)と派遣先が講ずべき措置に関する指針の一部を改正する件案(派遣先指針)も了承されました。

 

【派遣元指針】

〇 比較対象労働者との待遇の相違の内容及び理由等に関し、派遣元事業主が説明すべき内容や説明の方法 等

 

【派遣先指針】

〇 派遣料金の額に関する配慮は、労働者派遣契約の締結又は更新がなされた後にも求められること 等

 

労働者派遣法違反の告発が、しばしば報道発表資料として公表されています。

最近では、平成30年11月29日に千葉労働局が行っています。

 

【労働者派遣法違反「無許可派遣」の疑いで刑事告発】

 千葉労働局(局長 高橋秀誠)は、平成30年7月20日に、下記の者を労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号。以下「労働者派遣法」という。)違反の疑いで、刑事訴訟法第239条第2項の規定に基づき、千葉県行徳警察署に告発していたところ、本日、被告発人が逮捕されたことを受け、これを公表する。(以下省略)

 

これは、労働者派遣法による厚生労働大臣の許可を受けずに、自己の雇用する労働者を他社に派遣し、その指揮命令の下で労働に従事させる「労働者派遣事業」を行った疑いで逮捕されたケースが、企業名の公表とともに行われているものです。

派遣社員を利用する場合には、派遣会社がルールを守っている企業であることを確認するだけでなく、利用する企業も厳格なルールを守ることが求められています。

守るべきルールは、年々高度化していることを忘れないようにしましょう。

 

<同一労働同一賃金ガイドライン>

短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針案です。

 

【同一労働同一賃金ガイドライン】

〇 通常の労働者と短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者との間に待遇の相違が存在する場合に、いかなる待遇の相違が不合理と認められるものか否か等の原則となる考え方及び具体例を待遇ごとに示すもの。下記の内容も規定。

 ・不合理な待遇の相違の解消等を行うに当たって、基本的に、労使で合意することなく通常の労働者の待遇を引き下げることは望ましい対応とはいえないこと 等

 

すでに「同一労働同一賃金ガイドライン(案)」というものが策定されていました。

その後の最高裁判所の判決や法改正などを踏まえて、「(案)」の取れた確定版が出来ることになります。

これは、各企業が自社の就業規則や給与規程、給与や賞与支給の実態を見直すのに重要な資料となるもので、決して無視できないものとなるでしょう。

 

2018.12.02.解決社労士