働く人の自殺問題の実態

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<自殺の原因>

厚生労働省が公表した「平成30年版過労死等防止対策白書」の中に、警察庁の自殺統計原票データに基づく内容が次のようにまとめられています。

 

我が国の自殺者数は、平成10(1998)年以降14 年間連続して3万人を超えていたが、平成22(2010)年以降減少が続き、平成29(2017)年は21,321 人となっている。また、自殺者数総数に対する、勤務問題を原因・動機の1つとする自殺者の割合は増加傾向にあり、平成29 年は9.3%となっている。

職業別にみると、被雇用者・勤め人(有職者から自営業・家族従業者を除いたもの。会社役員等を含む)の自殺者数は、近年、総数が減少傾向にある中でおおむね減少傾向にあったが、平成29 年は前年比108 人増加の6,432 人となっている。

原因・動機別(遺書等の自殺を裏付ける資料により明らかに推定できる原因・動機)にみると、勤務問題が原因・動機の一つと推定される自殺者数は、平成19(2007)年から平成23(2011)年までにかけて、自殺者総数が横ばいから減少傾向にある中で増加したが、その後減少し、平成28 年は1,978 人となった。

しかし、平成29 年は前年比13 人増の1,991 人となっている。

勤務問題が原因・動機の一つと推定される自殺者数の推移を原因・動機の詳細別にみると、勤務問題のうち「仕事疲れ」が約3割を占め、次いで、「職場の人間関係」が2割強、「仕事の失敗」が2割弱、「職場環境の変化」が1割強となっている。

 

<自殺の防止>

上記の内容を簡単にまとめると、「自殺者の総数は減っているが、勤務問題を原因とする自殺は増えている。具体的な動機としては、仕事疲れ、人間関係、仕事の失敗、環境の変化が多い」となります。

従業員の自殺は明らかな戦力ダウンですし、会社の対策が不足していれば、親族からの賠償請求や顧客離れ、会社の評判の低下などにより、一部の大企業を除けば会社の存続が危うくなるのは目に見えています。

働き方改革が推進される中で、過労自殺がクローズアップされています。その防止法は明確で過重労働の解消です。

「職場の人間関係」の具体的内容としては、セクハラやパワハラが想像されますし、パワハラは「仕事の失敗」による苦痛を倍加させます。

「職場環境の変化」について行けないというのは、個人の資質に原因もありますが、会社は十分な教育をしたかを問われます。教育の不足は「仕事の失敗」にもつながります。

労働時間の削減に加え、ハラスメント対策と社員教育の強化が、従業員の自殺防止に効果的であることは明らかではないでしょうか。

迷ったら、信頼できる社会保険労務士にご相談ください。

 

2018.11.14.解決社労士