平成29(2017)年版 働く女性の実情

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<働く女性の実情>

平成30(2018)年9月18日、厚生労働省が「平成29年版 働く女性の実情」を取りまとめ公表しました。

「働く女性の実情」は、政府や研究機関などの各種統計調査を用いて、働く女性の状況などを分析した報告書で、昭和28(1953)年から毎年公表しています。

「平成29年版 働く女性の実情」は2部構成で、Ⅰ部第1章では、就業状況や労働条件など働く女性に関する状況について、第2章では「女性活躍推進法に基づく取組状況」について、また、Ⅱ部では、働く女性に関する厚生労働省の施策について取りまとめています。

 

我が国では、女性の個性と能力が十分に発揮できる社会を実現するため、「女性活躍推進法」(「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」)が平成27年8月に成立し、平成28年4月に全面施行されたところです。

これは、次の国内事情を踏まえてのことです。

(1)就業を希望していながら働いていない女性が約300万人に上っていること、また、出産・育児を理由に離職する女性は依然として多く、再就職にあたって非正規労働者となる場合が多いことなどから、女性雇用者の半数以上は非正規労働者として働いていること、さらに、管理職に占める女性の割合は、欧米、アジア諸国と比べても低い状況にあることから、働く場面において女性の力が十分に発揮できているとはいえない状況にある。

(2)急速な人口減少局面を迎え、労働力不足が懸念されている中で、国民のニーズの多様化やグローバル化等に対応するためにも、企業等における人材の多様性(ダイバーシティ)を確保することが不可欠となっており、女性の活躍の推進の重要性が高まっている。

 

このため、平成29年版Ⅰ部第2章では「女性活躍推進法に基づく取組状況」をテーマに、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画(以下「行動計画」という。)や情報公表状況について、女性の活躍推進企業データベースのデータ等を用い、企業等における自社の女性の活躍推進に向けた課題の検討に資するものとなるよう分析を行っています。

 

「女性活躍推進法に基づく取組状況」のあらまし

■都道府県労働局雇用環境・均等部(室)への一般事業主行動計画策定届の届出状況

・女性活躍推進法において義務企業である301人以上の労働者を雇用する事業主は15,983社(届出率98.1%)、努力義務企業である300人以下の労働者を雇用する事業主は4,711社

 

■厚生労働大臣の認定(えるぼし認定)

・女性の活躍推進に関する状況等が優良な企業として「えるぼし認定」を受けた企業は630社

 

■女性の活躍推進企業データベースにおける情報公表

  女性活躍推進法ではインターネットの利用などにより情報の公表を義務づけており(300人以下は努力義務)、厚生労働省では「女性の活躍推進企業データベース」を運営している。

 1 登録企業

  ・登録企業は13,306社

  ・規模別にみると、「301~500人」が3,239社と最も多く、「501~1,000人」2,768社、「1,001人~5,000人」2,182社、「5,001人以上」479社と続く。

  ・産業別にみると、「製造業」が2,972社と最も多く、「サービス業(他に分類されないもの)」2,022社、「卸売業、小売業」1,959社、「医療、福祉」1,323社、「建設業」1,238社と続く。

 2 情報公表の実態

    ・情報公表企業は9,276社

  (1)平均公表項目数は5.5項目

    規模別にみると、「5,000人以上」が7.8項目と最も多く、次いで「1,001~5,000人」が6.1項目、「10~100人」が5.7項目、「100人未満」が5.6項目となっている。

    産業別にみると、「鉱業、採石業、砂利採取業」が9.4項目と最も多く、次いで「電気・ガス・熱供給・水道業」が7.2項目、「金融業、保険業」「学術研究、専門・技術サービス業」が7.0項目となっている。

  (2)雇用者総数に占める女性の割合が高い産業と低い産業の公表項目

    総務省労働力調査において、雇用者総数に占める女性の割合が高い「医療、福祉」、「宿泊業、飲食サービス業」と低い「電気・ガス・熱供給業」、「建設業」についてみると、「医療、福祉」「宿泊業、飲食サービス業」では「採用した労働者に占める女性労働者」(それぞれ72.7%、70.1%)及び「管理職に占める女性労働者の割合」(それぞれ72.7%、61.4%)の公表割合が高い。一方、「電気・ガス・熱供給業」では「男女の平均勤続勤務年数の差異、又は男女別の採用10年前後の継続雇用割合」88.0%、「労働者に占める女性労働者」76.0%、「建設業」では「採用した労働者に占める女性労働者」67.2%、「労働者に占める女性労働者」62.6%と高くなっていることから、女性雇用者の多少により公表項目が異なっており、女性の割合が高い産業は低い産業と比べて「管理職に占める女性労働者の割合」の公表順位が高い。

  (3)女性の活躍状況(公表項目の平均値)

   ・採用した労働者に占める女性の割合

   平均値は39.8%

   企業規模別にみると、「101~300人」が44.0%と最も高く、次いで「301~500人」の41.2%、「501~1,000人」「5,001人以上」40.5%となっている。

   産業別にみると、「医療,福祉」が71.7%と最も高い。

   ・管理職に占める女性労働者の割合

   平均値は14.3%

   企業規模別にみると、「10人未満」16.5%、「10~100人」19.0%、「101~300人」17.2%、「301~500人」16.1%、「501~1,000人」13.0%、「1,001~5,000人」10.5%、「5,001人以上」9.3%となっており、企業規模が大きくなるほど女性の割合は低い。

 

2018.09.23.解決社労士