裁量労働制の自主点検結果

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<自主点検の対象>

平成30(2018)87日、厚生労働省が裁量労働制を採用している事業場で、制度が法令に従い適正に運用されているかどうかをチェックすることを目的として、2月から実施してきた自主点検の結果を公表しました。

自主点検の対象となった事業場数は、企画業務型2,917、専門業務型9,250の合わせて12,167事業場で、このうち報告書が提出された事業場数は企画業務型が2,789(96)で、専門業務型が8,004(87)でした。

 

<自主点検の結果>

自主点検の結果、改善が必要と考えられる事業場の状況は、企画業務型では、「対象労働者が従事している業務」で、「個別の営業活動など、対象業務以外の業務に就かせている」「対象労働者の業務に対象業務以外の業務が含まれている」とした事業場が74(2.7)あったほか、「日常的に上司が具体的な指示をしたり、業務遂行の手段について指示する場合がある」「始業・終業時刻を定めており、それを遵守させる場合がある」「業務量が過大であったり、期日の設定が不適切」とした事業場が71(2.5)ありました。

また、専門業務型では、「対象労働者が従事している業務」で、「対象業務以外の業務に就かせている」「対象労働者の業務に対象業務以外の業務が含まれている」とした事業場が211(2.6)あったほか、「労働時間の状況」で「最長の者の労働時間の状況が相当程度長いもの」と答えた事業場が354(4.4)にのぼり、「労使協定の周知状況」で「労使協定を周知していない」「対象労働者のみに周知」とした事業場が389(4.9)にのぼりました。

 

<裁量労働制>

国会で厚生労働省のデータ改ざんが問題となり、裁量労働制の拡大が働き方改革関連法案から外されました。これによって、裁量労働制の知名度が上がる一方で、悪い印象が広まってしまいました。

裁量労働制は、労働時間制度の1つで、労働時間を実労働時間ではなく一定の時間とみなす制度です。

出退勤時間の制限が外れ、実労働時間に応じた残業代は発生しません。

労働基準法には、専門業務型裁量労働制と企画業務型裁量労働制の2つが規定されていて、その導入にも運用にも厳格な制限や手続きが定められています。

労働基準法は労働者を守るのが使命ですから、裁量労働制も労働者が働きやすくなるための制度です。しかし、正しく導入し運用するには専門的な知識と技術が必要ですから、社会保険労務士などの専門家に相談しながら実施する必要があるでしょう。

 

2018.08.12.解決社労士

東京都社会保険労務士会 武蔵野統括支部 働き方改革研究会 所属

大きな案件や専門性の高い業務は、働き方改革研究会の選抜チームで承っております。