賃上げ率は2.26%で3年ぶりに前年比プラス

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<春季賃上げ集計>

平成30(2018)83日、厚生労働省が平成30年の民間主要企業の春季賃上げ要求・妥結状況を集計し公表しました。

集計対象は、妥結額(定期昇給込みの賃上げ額)などを把握できた、資本金10億円以上かつ従業員1,000人以上の労働組合のある企業334社です。

集計結果は、平均妥結額が7,033円で、前年(6,570円)に比べ463円の増額となっています。

また、現行ベース(交渉前の平均賃金)に対する賃上げ率は2.26%で、前年(2.11%)に比べ0.15ポイントの増額で、賃上げ率は3年ぶりに前年比プラスとなっています。

 

<賃上げの傾向変化>

かつては、こうした大企業の統計を見ても、中小企業の実態とはかけ離れていて、大企業だからこそこれだけの賃上げができるという見方が一般的でした。

ところが、人手不足が進行している現在、中小企業の賃上げ率が大企業を上回るという傾向が見られます。

しかし、企業の体力差を考えると、中小企業がいつまでも今のペースで賃上げを続けることには無理があります。

中小企業としては、各社の実態に合った魅力づくりを進めることで、新規採用の実現や定着率の向上を図っていく必要に迫られるでしょう。

 

<中小企業こそ働き方改革>

働き方改革の定義は、必ずしも明確ではありません。

しかし、働き方改革実現会議の議事録や、厚生労働省から発表されている数多くの資料をもとに考えると「企業が働き手の必要と欲求に応えつつ生産性を向上させる急速な改善」といえるでしょう。

 

社員は人間ですから、ある程度の時間働き続ければ、肉体的精神的疲労が蓄積して効率が低下してきます。

しかし、休憩や休暇によってリフレッシュできれば、体力と気力が回復して生産性が高まります。

適切な労働時間で働き、ほどよく休暇を取得することは、仕事に対する社員の意識やモチベーションを高めるとともに、業務効率の向上にプラスの効果が期待されます。

 

これに対し、長時間労働や休暇が取れない生活が常態化すれば、メンタルヘルスに影響を及ぼす可能性も高まりますし、生産性は低下します。

また、離職リスクの上昇や、企業イメージの低下など、さまざまな問題を生じることになります。

社員のためだけでなく、そして企業経営の観点からも、長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進が得策です。

 

社員の能力がより発揮されやすい労働環境、労働条件、勤務体系を整備することは、企業全体としての生産性を向上させ、収益の拡大ひいては企業の成長・発展につなげることができます。

 

2018.08.11.解決社労士

東京都社会保険労務士会 武蔵野統括支部 働き方改革研究会 所属

大きな案件や専門性の高い業務は、働き方改革研究会の選抜チームで承っております。