求人票の記載内容と実際の労働条件の相違

LINEで送る

<明らかな減少傾向>

平成30(2018)83日、平成29年度のハローワークにおける求人票の記載内容と実際の労働条件の相違に係る申出等の件数を、厚生労働省が取りまとめ公表しました。

これによると、ハローワークにおける求人票の記載内容と実際の労働条件の相違に係る申出等の件数が3年連続で減少しました

平成29年度の申出等の件数は8,507件で、対前年度比8.5%減となり、平成27年度から3年連続で減少しました。

また、申出等を内容別に分類すると、「賃金に関すること」(27%)が最も多く、「就業時間に関すること」(21%)、「職種・仕事の内容に関すること」(15%)が続いています。

ハローワークでは、こうした相違に関する相談を受けた場合には、求人を受理したハローワークと連携して、迅速に事実確認を行っています。平成29年度の求人票の記載内容と実際の労働条件が異なっていたのは、3,362件でした。また、事実確認の結果、求人票の記載内容が実際の労働条件と異なっていた場合には、是正指導を行っています。

 

〔これまでの申出等の件数の推移〕

 

29年度

28年度

27年度

26年度

申出等件数

8,507件

9,299件

10,937件

12,252件

新規求人件数

6,468,438件

6,161,398件

5,835,295件

5,553,055件

 

<職業安定法の改正(平成3011日)>

上記のように、求人票の記載内容と実際の労働条件の相違が減少しているなかで、職業安定法が改正され、当初明示した労働条件が変更される場合は、変更内容について明示義務が課されることとなりました。

 

<職業安定法に基づく指針等の主な内容>

・明示する労働条件は、虚偽や誇大な内容ではいけません。

・有期労働契約が試用期間としての性質を持つ場合、試用期間となる有期労働契約期間中の労働条件を明示しなければなりません。

・試用期間と本採用が一つの労働契約であっても、試用期間中の労働条件が本採用後の労働条件と異なる場合は、試用期間中と本採用後のそれぞれの労働条件を明示しなければなりません。

・労働条件の水準、範囲等を可能な限り限定するよう配慮が必要です。

・労働条件は、職場環境を含め可能な限り具体的かつ詳細に明示するよう配慮が必要です。

・明示する労働条件が変更される可能性がある場合はその旨を明示し、実際に変更された場合には速やかに知らせるよう、配慮が必要です。

 

<当初明示した労働条件が変更される場合とは>

以下のように、労働条件を引き下げる場合だけでなく、引き上げる場合や、一定の幅をもって示していた条件を確定させる場合も、「労働条件が変更される場合」に該当するものとして扱われます。

・「当初の明示」と異なる内容の労働条件を提示する場合

・「当初の明示」の範囲内で特定された労働条件を提示する場合

・「当初の明示」で明示していた労働条件を削除する場合

・「当初の明示」で明示していなかった労働条件を新たに提示する場合

 

<変更内容についての明示方法>

変更明示は、求職者が変更内容を適切に理解できるような方法で行う必要があります。

当初の明示と変更された後の内容を対照表にした書面を交付する方法が適切ですが、当初予定した労働条件通知書と労働契約の内容に沿った労働条件通知書の両方を準備し、変更された事項にマーカーを引いて明示するなどの方法でもかまいません。

 

そもそも労働条件を明示しようにも、具体的な内容がうまく決められない場合には、信頼できる国家資格者の社会保険労務士(社労士)にご用命ください。

 

2018.08.10.解決社労士