「過労死等の防止のための対策に関する大綱」の見直し

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<大綱の概要>

政府が平成30(2018)724日、「過労死等の防止のための対策に関する大綱」の変更を閣議決定しました。

「過労死等の防止のための対策に関する大綱」は、平成26(2014)年に成立した「過労死等防止対策推進法」に基づいて、平成27(2015)年7月に初めて策定されましたが、約3年を目途に見直すこととなっていました。

 

<新しい大綱のポイント>

1.新たに「過労死等防止対策の数値目標」を立てて、変更前の大綱に定められた「週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下」など3分野の数値目標を改めて掲げるとともに、勤務間インターバル制度の周知や導入に関する数値目標など新たな3つの分野の数値目標を掲げた。

数値目標は次の通り。

・2020年までに、勤務間インターバル制度を知らなかった企業割合を20%未満とする。

・2020年までに、勤務間インターバル制度を導入している企業割合を10%以上とする。

 

2.「国が取り組む重点対策」において、「労働行政機関等(都道府県労働局、労働基準監督署又は地方公共団体)における対策」を新たに項立てし、関係法令等に基づき重点的に取り組む対策として、下記3点などを明記した。

 (1) 長時間労働の削減に向けた取組みの徹底

 (2) 過重労働による健康障害の防止対策

 (3) メンタルヘルス対策・ハラスメント対策

 

3.調査研究における重点業種等(過労死等が多く発生している又は長時間労働者が多いとの指摘がある職種・業種)として、自動車運転従事者、教職員、IT産業、外食産業、医療を引き続き対象とするとともに、近年の状況を踏まえ、建設業、メディア業界を追加した。また、上記重点業種等に加え、宿泊業等についての取組みも記載した。

 

4.勤務間インターバル制度を推進するための取組みや、若年労働者、高年齢労働者、障害者である労働者等への取組みについて新たに記載した。

 

 

5.職場のパワーハラスメント、セクシュアルハラスメント、妊娠・出産等に関するハラスメントを包括的に「職場におけるハラスメント」として位置付け、その予防・解決のための取組みを記載した。

 

<勤務間インターバルとは>

インターバル(interval)とは、間隔、合間、休憩時間のことをいいます。

そして、勤務間インターバルとは、実際の終業時刻から次の始業時刻までの間隔をいいます。

たとえば、仕事を18:00に終えて帰宅し、翌日9:00に勤務を開始すれば、勤務間インターバルは15時間ということになります。

 

1日の区切りは真夜中の0時だということで、残業が深夜に及んだ場合に、23:50で一度終業とし翌日00:10を始業として、労働時間の計算を23:50までと、翌日00:10からに分けて計算している企業が、労働基準監督署の是正勧告を受けたという報道がありました。

このように労働時間を0時で区切って計算すると、実質的には継続して残業している場合でも、18時間の法定労働時間を超える時間が少なく計算され、割り増しの残業代も少なくなってしまうという不合理が発生します。

こうした不合理な事態の発生を防止するため、通達によって、1日の労働時間を計算する場合には、その人の労働契約上の始業時刻が区切りとされています。

つまり、就業規則や労働条件通知書などによって決まっている日々の始業時刻が、残業代を計算するうえでの1日の労働時間の区切りということになります。

ですから上記の例では、勤務間インターバルが20分ということではなく、23:50から00:10は単なる休憩時間という扱いになります。

 

早番・遅番のように、始業時刻が日々変わる制度を取っている場合には、シフトの組み方によって、極端に短い勤務間インターバルが発生するかもしれません。

こうした可能性がある職場では、働き手の健康維持のため、つまり生産性維持のため、就業規則などに勤務間インターバルの基準を設ける必要があるでしょう。

さらに、長時間の残業が常態化している職場では、過重労働や長時間労働を改善するとともに、勤務間インターバルの基準設定が必要となります。

 

この制度を上手く導入すれば、返済不要の助成金を受給できます。

気になる方は、社会保険労務士にお問い合わせください。

 

2018.07.27.解決社労士