有期契約労働者に関する調査

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<労働契約法の改正>

平成25(2013)年に改正労働契約法が施行され、第18条では、同じ事業主で契約更新が繰り返されて通算5年を超えた有期契約労働者は、本人の申し出によって無期雇用として働けるとされています。

これによって、平成30(2018)41日以降、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できる権利を有する労働者が生じることになりました。

 

<連合の発表>

平成30(2018) 6 28 日、日本労働組合総連合会は、無期労働契約への転換が始まって以降の、有期契約労働者の改正労働契約法の認知状況や改正労働契約法についての考えや実態を把握するため、「有期契約労働者に関する調査2018」で1,000名の有効サンプルを集計しました。

この中で、改正労働契約法の認知状況は次のように示されています。

「無期労働契約への転換」の内容を知らない有期契約労働者が依然68%

「無期転換申込権対象者となっている」は有期契約労働者の約2

無期転換申込権対象者の4人に1人が「無期転換を申し込んだ」と回答

改正労働契約法の内容は、徐々に認知度が高まってきますし、経営者が知らないというのでは、大きな危険を抱えることになります。

 

以下、連合の発表内容です。

 

◆2013年4月施行の改正労働契約法の認知状況

・2013年4月施行の改正労働契約法

「無期労働契約への転換(第18条)」 内容の認知率は上昇も、内容を知らない有期契約労働者が依然68%

「不合理な労働条件の禁止(第20条)」の内容を知らない有期契約労働者は83%

・改正労働契約法の認知経路 「マスコミ」5割強、「勤務先からの説明」4割

契約社員では「勤務先からの説明」が昨年より14ポイント上昇

◆労働契約法第18条(無期労働契約への転換/5年ルール)に対する意識

・無期転換申込権の発生状況

「無期転換申込権対象者となっている」は有期契約労働者の約2割、

「無期転換申込権があるかないか、わからない」は4割半ば

・無期転換申込権対象者の4人に1人が「無期転換を申し込んだ」と回答

・「無期労働契約への転換(第18条)」に対する考え

「待遇が正社員と同等になるわけではないから意味が無い」 同意率は約6割

◆労働契約法第20条(不合理な労働条件の禁止)の施行状況

・労働条件や福利厚生、教育訓練で正社員との格差あり

「ボーナスの支給対象になっている」は3割半、「教育訓練の対象になっている」は約5割にとどまる

◆労働基準法第15条(労働条件の明示)などの認知状況・施行状況

・賃金、労働時間その他の労働条件の通知 「文書でも口頭でも伝えられていない」10%

契約更新の有無を「文書でも口頭でも伝えられていない」12%

・有期契約労働者でも一定の条件を満たせば取得可能な休暇・休業の認知率

「年次有給休暇」では8割強、しかし、「育児休業取得」では5割にとどまる

◆働き方・職場の満足度

・正社員になれず有期契約で働く“不本意有期契約労働者” 契約社員の4割半

・働き方の満足度 正社員になれず有期契約で働いている人の6割強が「不満」

・正社員になれず有期契約で働く人の4割強が仕事のやりがいを「感じない」、現在の職場に「不満」も4割強

・有期契約労働者が職場に対して抱える不満 1 位「給料が安い」2 位「給料が上がらない」

 

<実は恐ろしい労働契約法の規定>

労働契約法には、次のような規定があります。

 

(労働契約の内容の理解の促進)

第四条 使用者は、労働者に提示する労働条件及び労働契約の内容について、労働者の理解を深めるようにするものとする。

2 労働者及び使用者は、労働契約の内容(期間の定めのある労働契約に関する事項を含む。)について、できる限り書面により確認するものとする。

 

労働契約法の内容は、労使対等な内容になっています。

しかし、法律というのは、知らない人が不利を被ります。

そこで、無期転換権など労働契約の内容については、労働者の不利にならないよう使用者に一定の義務を負わせています。

使用者側から「労働者が無期転換権を知らないのは自己責任」とは言えないのです。

 

労働基準法や労働契約法、その他労働に関する法令に改正があった場合には、使用者に説明義務があります。これを怠っていると、使用者は不利を被ってしまいます。

実態として、こうした専門性の高いことは、使用者が対応できないこともあります。不安があれば、信頼できる国家資格者の社労士にご相談ください。

 

2018.07.08.解決社労士