治療と仕事の両立支援に関する診療報酬の新設

LINEで送る

<療養・就労両立支援指導料>

平成30(2018)35日付の厚生労働省告示第43号「診療報酬の算定方法の一部を改正する件」により、治療と仕事の両立支援に関する診療報酬として「療養・就労両立支援指導料」が新設されました。

この診療報酬は、がんと診断された患者について、保険医療機関の医師が就労の状況を考慮して療養上の指導を行い、患者本人の同意を得て、産業医に対し、症状、治療計画、就労上の措置に関する意見等の患者の就労と仕事の両立に必要な情報を文書により提供したうえで、産業医からの助言を得て、治療計画の見直しを行った場合に、6か月に1回に限り算定するものです。

この診療報酬による評価は、医療機関の主治医と事業場の産業医の連携のもとで、がん患者の治療と仕事の両立に向けた支援を充実させることを目指したものです。

点数は、1000(10,000)で、相談支援体制が整備されている保険医療機関の場合には、500(5,000)が上乗せされます。

 

<現状の条件>

対象疾患は、がんに限られています。

また対象患者は、産業医が選任されている事業場で就労している労働者に限られます。産業医というのは、労働者が健康で快適な作業環境のもとで仕事が行えるよう、専門的立場から指導・助言を行う医師のことをいいます。従業員が50名以上の企業では、産業医を選任して所轄の労働基準監督署長に届け出ることが義務とされています。小さな企業では、産業医が選任されていません。

さらに、次のことが算定要件とされています。

・主治医(保険医)が、産業医に対して治療と仕事の両立に関する意見書を作成する。

・産業医は、主治医(保険医)に対して治療と仕事の両立に関して必要な配慮等について文書で助言する。

・主治医(保険医)は、産業医の助言を踏まえ、治療計画の再評価を行う。

 

<会社の責任>

従業員が、がんにかかったことを理由に、会社から労働契約解除通知など出したら不当解雇になります。ご本人にも生活がありますし、治療費を負担するためにも働き続けたいのです。

かつては、がんについて、入院治療が当然の時代もありました。しかし、今や医学の発達によって、通院治療が主流となっています。つまり、通院の日には休んだり早退したりが必要になっても、普段の日は通常通り勤務できるということです。

ですから、ご本人と今後の勤務について良く話し合うことが大切です。勤務の継続に無理が感じられるようでしたら、医師などと相談のうえ、再度、ご本人と話し合うことになります。

これと併行して、労働安全衛生法などの規定を参考に、会社として取るべき措置を実施することも大切です。

ここまでやって初めて、会社は責任を果たしたことになります。

 

2018.04.29.解決社労士