平成29(2017)年度過重労働解消キャンペーンの結果

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<過重労働解消キャンペーン>

平成30(2018)年4月23日に、厚生労働省から「過重労働解消キャンペーン」での重点監督の実施結果について取りまとめた資料が公表されました。これは、平成29(2017)年11月に行われたキャンペーンの結果です。

この重点監督は、長時間の過重労働による過労死等に関する労災請求のあった事業場や、若者の「使い捨て」が疑われる事業場などを含め、労働基準関係法令の違反が疑われる7,635事業場に対して集中的に実施されたものです。

その結果、5,029事業場(全体の65.9%)で労働基準関係法令違反が確認され、そのうち 2,848 事業場(37.3%)で違法な時間外労働が認められたため、それらの事業場に対して、是正に向けた指導が行われました。

 

<重点監督結果のポイント>

⑴  監督指導の実施事業場:7,635 事業場

このうち、5,029事業場(全体の65.9%)で労働基準関係法令違反あり。

⑵  主な違反内容

ア 違法な時間外労働があったもの:2,848 事業場(37.3%)

 うち、時間外・休日労働の実績が最も長い労働者の時間数が月80時間を超えるもの:1,694事業場(59.5%)

 うち、月100時間を超えるもの:1,102事業場(38.7%)

 うち、月150時間を超えるもの:  222事業場( 7.8%)

 うち、月200時間を超えるもの:   45事業場( 1.6%)

イ 賃金不払残業があったもの:   536 事業場( 7.0%)

ウ 過重労働による健康障害防止措置が未実施のもの:778 事業場(10.2%)

⑶  主な健康障害防止に係る指導の状況 [(1)のうち、健康障害防止のため指導票を交付した事業場]

ア 過重労働による健康障害防止措置が不十分なため改善を指導したもの:5,504 事業場(72.1%)

うち、時間外・休日労働を月80時間以内に削減するよう指導したもの: 3,075事業場(55.9%)

イ 労働時間の把握が不適正なため指導したもの:1,232 事業場(16.1%)

 

※上記のうち、80時間・100時間という基準は「過労死ライン」と呼ばれるものです。脳・心臓疾患の発症前1か月間におおむね100時間または発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外・休日労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いとの医学的知見があるためにこの基準が設けられています。

 

<監督(調査)が入ったら>

以上の結果を見てどのように感じるかは、各人各様だと思います。

ただ、社会保険労務士の立場からすると、専門知識が無いために、無意識のうちに法令違反を招いている経営者の方々が多いように思われます。

監督(調査)が入ると、違法な部分を是正するように「是正勧告書」が交付され指導を受けます。これは、「勧告書」という名称なのに、「違法なのですぐに是正しなさい」という趣旨ですから、放置すると再度監督(調査)が入って検挙されかねません。

似た書類として「指導票」というのもあります。こちらは、「違法ではないけれど改善をお勧めします」という趣旨ですから、計画的な改善に努めれば良いわけです。

いずれにせよ、監督(調査)が入っても、何ら指摘を受けないのがベストですし、何か指摘を受けても適切な対応をすれば問題ありません。

もし、社内に専門職の社員を確保できないのであれば、信頼できる国家資格者の社会保険労務士(社労士)にご相談ご用命ください。

 

2018.04.27.解決社労士