年次有給休暇取得促進のための具体的施策リスト

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<働き方改革>

働き方改革の定義は、必ずしも明確ではありません。

しかし、働き方改革実現会議の議事録や、厚生労働省から発表されている数多くの資料をもとに考えると「企業が働き手の必要と欲求に応えつつ生産性を向上させる急速な改善」といえるでしょう。

 

社員は人間ですから、ある程度の時間働き続ければ、肉体的精神的疲労が蓄積して効率が低下してきます。

しかし、休憩や休暇によってリフレッシュできれば、体力と気力が回復して生産性が高まります。

適切な労働時間で働き、ほどよく休暇を取得することは、仕事に対する社員の意識やモチベーションを高めるとともに、業務効率の向上にプラスの効果が期待されます。

 

これに対し、長時間労働や休暇が取れない生活が常態化すれば、メンタルヘルスに影響を及ぼす可能性も高まりますし、生産性は低下します。

また、離職リスクの上昇や、企業イメージの低下など、さまざまな問題を生じることになります。

社員のためだけでなく、そして企業経営の観点からも、長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進が得策です。

 

社員の能力がより発揮されやすい労働環境、労働条件、勤務体系を整備することは、企業全体としての生産性を向上させ、収益の拡大ひいては企業の成長・発展につなげることができます。

 

<年次有給休暇取得促進のための具体的施策リスト>

厚生労働省から「働き方・休み方改善指標」が公表されています。

この中から、年次有給休暇取得促進に向けた働き方の改善を進めるための具体的な施策を抽出すると、次のようになります。

 

項目1:方針・目標の明確化

経営トップによるメッセージの発信

経営や人事の方針として年次有給休暇の取得促進を明文化

全社・部署・個人等での年次有給休暇取得日数、取得率等に関する数値目標の設定

 

項目2:改善推進の体制づくり

年次有給休暇の取得促進に向けた社内体制の明確化

休暇取得に関する相談窓口の設置

年次有給休暇取得促進に関する労使の話し合いの機会の設定

 

項目3:改善促進の制度化

業務繁閑に応じた休業日の設定

誕生日・記念日等の決まった日や申告した日を年次有給休暇とする等の休暇制度の設定

ゴールデンウィークや夏季・冬季等、機会を捉えた年次有給休暇の計画的付与制度の導入

時間単位での年次有給休暇制度等の導入

5営業日以上の連続休暇制度の導入

 

項目4:改善促進のルール化

部下の年次有給休暇取得状況を管理職の人事考課に盛り込む

管理職に部下の年次有給休暇の取得状況の把握・管理を義務づける

 

項目5:意識改善

年次有給休暇取得促進に関する社員向けや管理職向けの教育・研修

年次有給休暇取得促進のための周知・啓発

 

項目6:情報提供・相談

各自の年次有給休暇残日数の社員への通知

制度の利用促進のための情報提供

年次有給休暇取得率の低い(残日数の多い)社員に対する個別の休暇取得奨励

 

項目7:仕事の進め方改善

休暇・休業時の業務フォローアップ体制の構築(顧客・取引先情報の共有等)

年次有給休暇の取得促進を目的とした業務プロセスの見直し

業務計画、要員計画、業務内容の見直し

年次有給休暇取得促進を目的とした取引先との関係見直し

 

項目8:実態把握・管理

社員の休暇取得に関する意識や意向の定期的な把握

管理職による年次有給休暇の取得日数の管理

 

中小企業でも、上記の項目のほとんどすべてをクリアしている会社があります。最初から、年次有給休暇、産休、育休、介護休暇などは、法律で決まっていることだから、これらを前提に経営しているという会社です。

正直、会社の成長にとって不利な要素もありますが、人手不足の現状では、このような会社こそが生き残るのかもしれません。

 

<社員も人間ですから>

いきなり年次有給休暇を取得しましょうと言われても、社員ひとり一人の都合があります。

普段から、「たまには家族旅行に連れてって」と言われている社員にとっては大助かりです。会社にとっても、リフレッシュして業務に専念してもらえるのなら、利害が一致します。

それでも、普段から家に帰るのが怖い、年次有給休暇など取得したら、妻や子供から何を要求されるかわからないという社員にとっては深刻です。

また、日常業務をこなすのに一杯一杯の社員は、「年次有給休暇も仕事をさせてもらえるのなら助かる」と思っているかもしれません。ルーチンワークの多い経理の仕事をしている人には多いパターンです。

そこまで考えて、年次有給休暇の取得促進をするのはむずかしい、時間と手間をかけられないというのであれば、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ご用命ください。

 

2018.04.19.解決社労士