中央省庁や山形県の障害者雇用水増し問題

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<報道されていることの意味>

企業だけでなく行政機関でも、一定の割合で障害者を雇うことが法律で義務づけられています。

しかし今月に入り、国交省など複数の中央省庁や山形県が、障害者雇用者数を水増ししていたことが指摘されています。

企業が基準を上回る割合で障害者を雇用しなければ、経済的な負担を強いられます。

こうした中で、行政機関が障害者雇用者数を水増しするというのは、たとえ過失でもあってはならないことです。

以下に、障害者雇用納付金制度の概要を再確認したいと思います。

 

<障害者雇用納付金制度>

障害者の雇用には、事業主の経済的負担が伴います。

障害者を多数雇用している事業主と、障害者をほとんど雇用していない、あるいは、全く雇用していない事業主との経済的負担の格差の調整を図るために、障害者雇用納付金制度が設けられています。

具体的には、法定雇用率未達成の事業主から障害者雇用納付金を徴収し、それを財源とした障害者雇用調整金、報奨金、在宅就業障害者特例調整金、在宅就業障害者特例報奨金、各種助成金を支給する制度です。

 

<障害者雇用納付金>

常用雇用労働者の総数が100人を超える事業主で、法定雇用障害者数を下回っている事業主は、不足1人につき月額50,000円の障害者雇用納付金を納付します。

ただし、常用雇用労働者の総数が200人以下の事業主は、平成32(2020)3月までの分について、40,000円に減額されています(減額特例)。

 

<障害者雇用調整金>

常用雇用労働者の総数が100人を超える事業主で、雇用障害者数が法定雇用障害者数を超えている場合は、超過1人につき月額27,000円の障害者雇用調整金が支給されます。

 

<報奨金の支給>

常用雇用労働者の総数が100人以下の事業主で、各月の雇用障害者数の年度合計数が一定数を超える場合、超える障害者1人につき月額21,000円の報奨金が支給されます。

ここで一定数とは、常用雇用労働者数の4%、または、各月6人(年間72人)のどちらか多い方をいいます。

 

<在宅就業障害者支援制度・助成金>

在宅就業障害者に仕事を発注する事業主に対する特例調整金・特例報奨金の制度があります。

障害者を雇い入れるための施設の設置、介助者の配置等に支給される助成金があります。

 

このように、障害者雇用に向けた努力が法定されているのに、行政機関が雇用している障害者の数を水増しするのは許されないということです。

最新情報は、独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構 のページでご確認ください。

http://www.jeed.or.jp/disability/koyounoufu/

 

2018.08.22.解決社労士