働き方改革法案の行方は?

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<働き方改革関連法案の了承>

日本経済新聞や朝日新聞などで報道されているとおり、自民党厚生労働部会などの合同会議は平成30(2018)329日、厚生労働省が示した働き方改革関連法案を了承しました。政府は来週46日にも閣議決定し、今国会での成立を目指す方針です。

人手不足が深刻な中小企業については、経営悪化が懸念されるという党内の意見を踏まえて、法案では適用時期の延期や指導の配慮規定を設けるなどの修正が行われました。

法案は、残業時間の罰則付き上限規制の導入、正社員と非正規社員の不合理な待遇差を解消する「同一労働同一賃金」の実現、高収入の一部専門職を労働時間規制から外す「脱時間給制度」の3つが柱で、規制の強化と緩和が混在する内容になっています。

 

<裁量労働制についての議論>

当初、この法案には、裁量労働制を一部営業職などにも広げる内容が含まれていました。

しかし、厚生労働省が実施した調査で、不適切なデータが相次ぎ発覚したため、安倍晋三首相が2月末に裁量労働制の拡大に関する部分を全面削除すると表明しました。

この様子は、テレビの国会中継やニュースでも報じられました。

この印象が強いせいか、「働き方改革」と言えば「裁量労働制」を意味するかのようにとらえられてしまう傾向が強まっています。

 

<働き方改革の定義>

首相官邸のホームページの中の「働き方改革の実現」というページには、「働き方改革は、一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジ。多様な働き方を可能とするとともに、中間層の厚みを増しつつ、格差の固定化を回避し、成長と分配の好循環を実現するため、働く人の立場・視点で取り組んでいきます」という説明があります。

これは、働き方改革の定義ではなくて、働き方改革を推進することの目的や意義を述べたものです。

たしかに、明確な定義が無くても、法案や首相官邸のホームページをじっくり読めば、その考え方は理解できます。

しかし、各企業がその実態に合わせて「働き方改革」に取り組もうとした場合には、明確な定義があったほうが、方向を見誤らないでしょう。

現時点で、私個人の定義としては、「企業が働き手の必要と欲求に応えつつ生産性を向上させる急速な改善」と考えています。

 

<具体的にどうするか>

ただこうした定義から、企業の実情に合致した取り組みによって、人手不足を解消し生産性を向上させるにはどうしたら良いのか、ピンと来ないかもしれません。

人手不足で、長時間労働が当たり前になり、年次有給休暇も取得できないとなると、疲労によって生産性は低下します。こうなると退職者も出てきます。

政府が言うような、長時間労働の改善、非正規と正社員の格差是正、高齢者の就労促進、在宅勤務、女性の活躍推進、障害者の雇用、ワークライフバランスなどについて、自社が具体的に取り組めるのか、取り組むメリットはあるのか、どうすれば良いのかは、専門家である国家資格者の社会保険労務士(社労士)と相談しながら、計画・推進するのが成功への近道だと思います。

 

2018.04.02.解決社労士