中小企業が健康経営に取り組む場合のポイント

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<健康経営指標>

中小企業が初めて健康経営に取り組むにあたって、特定非営利活動法人 健康経営研究会が定める企業宣言(小規模事業場)健康経営指標が参考になりますので以下に示します。

 

1.経営者の健康経営宣言

健康経営宣言においては特定非営利活動法人健康経営研究会が提唱する健康経営の方針が明確にされていることが必要です。具体的には、経営者が指導力を発揮して、職場全体を巻き込んで従業員の健康づくり活動に取り組むことで、従業員の創造性の向上とともに、職場の生産性ならびに企業イメージの向上を図ることです。

・経営者が健康経営を自ら推進している

・長時間労働対策、メンタルヘルス対策を実施している

 

2.からだの健康づくり

職場における健康管理の基本は、健康診断です。すべての従業員が健康診断を受け、健康づくりに努めることが重要です。健康診断で治療を必要としない医学的異常の段階で、生活習慣を見直すことで健康の確保を図ることが疾病予防の視点から必要です。また、協会けんぽ等の支援で、健康診断後の保健指導などを受けることが効果的です。

・健康診断受診率100%に向けて努力している

・健康診断事後措置を協会けんぽ等に相談して実施している

 

3.こころの健康づくり

労働者の心の健康が大きな社会問題となっています。個々がセルフケアに努めるには、基本的な知識が必要です。そのために資料の配布や研修の実施が必要です。また、職場には労働者が解決できない問題があり、管理職、経営者の支援で解決の糸口が見つかることが多々あります。管理監督者のラインケア研修を実施することがこれからの企業では必要です。

・こころの健康づくり教育を実施している

・管理職に対するラインケア研修を実施している

 

4.職場環境づくり

1日の8時間は職場で過ごすことになりますので、職場環境は労働者の健康に大きな影響を及ぼします。まずは、禁煙職場に取り組んでいただくことになります。また、労働安全衛生の基本として、整理、整頓、清掃のいわゆる3Sがありますので、経営者とともに取り組んでいただくことが重要です。

・職場が禁煙になっている

・3Sなどの快適職場づくりに努めている

 

5.職場コミュニケーションの推進

メンタルヘルスを維持するためには、まず職務がきちんとできることが必須です。従業員が日々元気に出勤する条件として、働き甲斐のある仕事に取り組んでいる、ということが必要です。管理職、経営者が職務について従業員と密にコミュニケーションを図ることが従業員の心身の健康を維持するためにも有用です。さらに職場の人間関係などを含めた職場環境について、管理職や経営者が情報交換することも有用です。

・職場で職務に関する情報交換がなされている

・管理職による職場環境改善にかかわる情報交換がなされている

 

<前提としての法令順守>

上記のうち、健康診断については、一定の条件を満たす従業員について、労働安全衛生法に基づく健康診断の実施義務があります。

しかし、他の項目については、労働関係法令の順守を基礎としたプラスアルファの施策となります。

ですから、中小企業が健康経営に取り組む場合の優先順位は、次のようになるでしょう。

 

1.法令で義務付けられ、罰則をもって強制されていること

2.法令で義務付けられ、罰則は無いが努力が期待されていること

3.法令に規定は無いが、会社が自主的に進めること

 

限られた経営資源と時間の制約の下で、効率よく健康経営を進めつつ、法令違反を指摘され足元をすくわれないようにするには、労働関係法令と実務に精通した社会保険労務士にご相談することをお勧めします。

 

2018.01.07.解決社労士