労災保険の変更(平成30年4月1日施行予定)

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<省令改正案のポイント>

1 平成304月から適用される新たな労災保険率(54業種)を設定します。

  これにより、全業種の平均料率は 4.5/1,000となります。

2 社会復帰促進等事業等に必要な費用の限度額を引き上げます。

3 家事支援業務に従事する方について、労災保険の特別加入制度の対象に追加します。

4 時間外労働の上限規制等の円滑な移行のため、中小企業事業主に対して、助成金の内容を拡充します。

5 「労働者災害補償保険法」に基づく介護(補償)給付と、「炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法」に基づく介護料の最高限度額及び最低保障額を引き上げます。

 

<労災保険率の計算>

上記 1 の労災保険率(54業種)で、「引上げ」は3業種、「据置き」は31業種、「引下げ」は20業種で、引上げ対象の業種は「ガラス又はセメント製造業」「非鉄金属精錬業」「清掃、火葬又はと畜の事業」となっています。

 

労災保険率の決定方法は、現状、次のようになっています。※難しいです。

・業種区分ごとに過去3年間の労災保険の給付等に基づき算定した保険給付に要する費用の予想額を基礎とし、適用を受けるすべての事業の過去3年間の業務災害と通勤災害の災害率、さらに二次健康診断等給付に要する費用、労働福祉事業や事務の執行に要する費用等の予想額その他の事情を考慮して定めることとされています。

・業務災害分の料率の算定は、業務災害の短期給付分と長期給付分について業種別に行うことを基本的な考え方としています。このうち業務災害の短期給付分については一定期間(3年間)の収支が均衡するように賦課する「純賦課方式」を、長期給付分については災害発生時点の事業主集団に年金給付等の将来給付費用を賦課する「充足賦課方式」を採用しています。ただし、給付の一部に相当する費用については、全業種一律に賦課しています。

・その他、非業務災害分(通勤災害分と二次健康診断等給付分)、労働福祉事業と事務の執行に要する費用があり、これらは全業種一律の賦課としています。

・労災保険率は、上記の基本的な考え方に沿って算定される率に基づいて、3年ごとに改定されています。改定に際しては、労災保険率が過大に変動することがないように、また、産業構造の変動等を踏まえて、激変緩和措置等の配慮が行われています。

 

要するに、労災保険の給付が増えた業種では、料率が上がるということになります。「給付」が問題ですから、件数だけでなく重大事故の比率が上がれば、その業種の料率が上がりやすくなります。

「ガラス又はセメント製造業」「非鉄金属精錬業」「清掃、火葬又はと畜の事業」の3業種で料率が上がったということは、この3業種での労災事故による給付が増えたということです。

このことから、この3業種について、労働基準監督署の監督、つまり調査や指導が強化されることは容易に予想がつきます。

 

<時間外労働などの上限規制>

上記 4 で、時間外労働の上限規制等の円滑な移行のため、中小企業事業主に対して、助成金の内容を拡充するとしています。

一方で、時間外労働や休日労働について、罰則付きの上限規制が行われる予定ですから、まさに飴と鞭の施策となっています。

これは、時間外労働等の上限規制を徹底しようという、国の強い態度の現れですから、企業としては今のうちから長時間労働を解消できるように準備しておかなければなりません。

それこそブラック企業として、企業名を公表されたのでは事業の継続が危うくなりますから本気で取り組む必要があります。

「残業を減らせ!」と言うだけでは、サービス残業が発生してしまいます。

こうした専門性の高いことは、信頼できる国家資格者の社会保険労務士(社労士)にご相談ください。

 

2017.12.28.解決社労士