IoT・ビッグデータ・AI等の普及・進展と社会保険労務士の業務

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<AI等の普及・進展の影響>

人の仕事がAI等に取って代わられるため、人手不足の解消が期待できます。

しかし、雇用が大幅に減少すれば、失業者が増えることにもつながります。

確かに全体として見れば、AI等の活用により雇用量が減る方向に動くことが予想されます。

それでも、すべての業務について一律に雇用量が減るとは考えられません。

雇用量が減る業務がある一方で、付加価値の高い業務では雇用量が増えることが見込まれます。

 

<減少する業務と増加する業務>

2017年125日に厚生労働省で開催された「第3回 労働政策審議会労働政策基本部会」の資料が、ホームページに公開されました。

シンクタンクや各省庁等による先行研究の内容がまとめられています。

この中で、AI等の影響で減少する業務、増加する業務が取り上げられています。

 

<今後減少する業務>

労働政策審議会労働政策基本部会の資料には、次のように示されています。

・必ずしも特別の知識やスキルが求められない職業

・バックオフィス等、従来型のミドルスキルのホワイトカラーの仕事

・ルーティンタスク

・定型的業務が中心の職種

・教育水準や所得水準が低い労働者の仕事

 

社会保険労務士の業務のうち、給与計算や社会保険(健康保険と厚生年金保険)・労働保険(雇用保険と労災保険)の手続きのような定型的なものは今後減少していくでしょう。

ただ例外的に、「第三者行為災害」の手続きなどやや専門性の高いものは、社会保険労務士に委託されるのではないでしょうか。

 

<今後増加する業務>

労働政策審議会労働政策基本部会の資料には、次のように示されています。

・他者との協調や、他者の理解、説得、ネゴシエーション、サービス志向性が求められる職業

・上流工程やIT業務における、ミドルスキル・ハイスキルの仕事

・人が直接対応することが質・価値の向上につながるサービスに係る仕事

・新しい付加価値の創出に役立つ技術職

 

社会保険労務士の業務のうち、採用・懲戒・解雇などに伴うトラブルの予防・解決、就業規則および各種規程の作成・変更、労災やハラスメントを防止するために会社が行う教育の代行など、専門家が直接対応しなければならない業務は今後増加していくでしょう。

 

<これからの社会保険労務士>

AI等の活用による手続き業務の指導や、一部の専門的な手続きは社会保険労務士に任されるものの、単純な手続き業務は社会保険労務士の手を離れていくものと考えられます。

しかし、それ以外の業務では、労働者の減少により社内でまかない切れなくなることもあって、専門性の高い国家資格者の社会保険労務士の役割は拡大していくと思います。

それにもかかわらず、社会保険労務士の人数は増えていません。このままでは、社会保険労務士不足になる日も近いでしょう。

今のうち、いざという時に頼れる社会保険労務士を見つけておいてはいかがでしょうか。


2017.12.09.解決社労士