これでわかる労働基準監督署の重点指導対象

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<地方労働行政運営方針>

労働基準監督署の労働基準監督官は、監督指導実施計画に沿って臨検監督(実地調査)を行っています。

この計画は、毎年各都道府県の労働局が作成している「地方労働行政運営方針」に基づいています。

その内容は公開されていて、各都道府県の労働局のホームページで見ることができます。

労働基準行政で優先順位の高いものほど、重点項目の上のほうに記載されていますから、会社の所轄労働基準監督署が監督(調査)に入るとしたら、何を見られるかが把握しやすいのです。

 

<平成29年度東京労働局の最重点課題と取組>

★「働き方改革」の推進などを通じた労働環境の整備・生産性の向上

▶ 長時間労働の是正による良質な労働環境の確保

○長時間労働の抑制・過重労働解消に向けた取組、ワーク・ライフ・バランスの推進等

▶ 非正規雇用労働者の待遇改善等

○非正規雇用労働者の正社員転換・同一労働同一賃金の実現に向けた待遇改善の推進、最低賃金の周知・履行確保等

▶ 人材確保対策の推進や労働生産性の向上等による労働環境の整備

○労働者のキャリア形成に係る支援策の普及促進、全産業の労働生産性の向上等

▶ 労働者が安心して健康に働くことができる職場づくり

○労働条件確保、労働災害防止対策、メンタルヘルス・健康確保対策、労災補償の迅速・適正処理等

 

★「全員参加の社会」の実現加速

▶ 女性の活躍推進

○改正男女雇用機会均等法及び改正育児・介護休業法の履行確保、女性活躍推進法の実効性確保等

▶ 若者の活躍促進

○適切な職業選択の支援、職業能力の開発・向上に関する措置、青少年の雇用の促進等

▶ 高齢者の活躍促進

○企業における高年齢者の雇用の促進、高年齢者の再就職の促進等

▶ 障害者、難病・がん患者等の活躍推進

○法定雇用率達成指導の徹底、多様な障害特性に応じた就労支援、難病・がん患者等に対する就職支援の推進等

▶ 外国人材の活用

○高度な技術や専門的な知識を持った外国人材の就業推進等

▶ 重層的なセーフティネットの構築

○公共職業訓練、求職者支援制度を活用した就職支援、生活困窮者等に対する就労支援の強化等

 

以上から、東京都では、長時間労働や過重労働、育児休業・介護休業関連の項目がチェックされやすいことがわかります。

サービス残業など、賃金不払いに関する項目が含まれなくなりました。

 

<最近の新しい動き>

こうした労働局の方針とは別に、政府(首相官邸)の主導による働き方改革の動きが強まっています。

働き方改革では、過重労働対策と長時間労働削減ということが最重要課題とされています。

このことから、月間80時間以上の法定外残業がある企業には、都道府県に関係なく監督(調査)が入りやすい状況にあります。

 

<労働時間の適正な把握>

サービス残業が最重点課題から外されたのは、労働局や労働基準監督署による是正や、企業による自主的な改善が進んだためと思われます。

今、サービス残業がある職場というのは、かなり減少していて、発覚すれば強烈な指導が入ることでしょう。

なお、サービス残業や長時間労働のチェックには、労働時間の適正な把握が大前提となります。

社外での勤務が多い、定額残業代や営業手当を支給しているなどの理由で、労働時間の把握を放棄することはできません。

今年の1月20日には「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」が発表され、労働時間の自己申告制の運用もむずかしくなっています。

一部の労働者について、労働時間の把握が不正確な職場では、速やかに是正する必要があります。

こうした専門性の高いことは、信頼できる国家資格者の社会保険労務士(社労士)にご相談ください。

 

2017.11.14.解決社労士