国民年金の保険料延滞金約4億7千万円徴収できず

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<NHKのニュース 平成29年10月20日>

国民年金の保険料の滞納者に対する強制徴収の実施状況について、会計検査院が調べたところ、日本年金機構が文書で催促するなど適切な対応をしなかったために徴収できていない保険料の延滞金が、昨年度までの3年間でおよそ4億7千万円に上り、このうち1億7千万円余りが時効で回収できなくなっていることがわかりました。

 

<会計検査院の調査>

日本年金機構は一定の所得がある滞納者に対し、未納期間分の延滞金を請求するとともに、財産を差し押さえるなど強制徴収の手続きを進めています。

しかし、会計検査院が改めて調査したところ、延滞金の未徴収が見つかったので、日本年金機構に対し、延滞金についても文書や電話などで繰り返し催促し徴収するよう求めることにしているそうです。

 

会計検査院は、国に入るべきお金がきちんと入っていること、国から出て行くべきではないお金が出て行っていないこと、この2つをチェックしています。

今回の報道は、会計検査院が日本年金機構を直接調査した結果を示しています。しかし、会計検査院が調査に入るのは公の機関だけに限られず、企業に調査に入ることがあります。

 

たとえば、所轄の労働基準監督と会計検査院が一緒に企業の調査に入ることがあります。

企業が正しく労災保険や雇用保険の対象者を確定し、正しく保険料を納めていないと、国に入るべきお金がきちんと入らない恐れがあります。そこで、労災保険と雇用保険の保険料を納める手続きである労働保険年度更新が正しく行われている必要があります。

ここで、年度更新の手続きを管理しているのは基本的に所轄の労働基準監督署ですから、労働基準監督署が年度更新の内容を再確認するのを会計検査院がチェックするという二段構えになります。

こうした場合、当然ですが一番緊張するのは労働基準監督署の職員の方々です。

 

またたとえば、所轄の年金事務所と会計検査院が一緒に企業の調査に入る場合もあります。この場合には、社会保険の加入対象者や加入時期が正しいことや、保険料の計算が正しいことについて、定時決定(算定基礎届)の内容などについて再確認が行われます。

 

<今後予想されること>

会計検査院の日本年金機構に対する指導は、国民年金についてのものでした。

だからといって、日本年金機構が厚生年金の保険料の徴収を強化しないわけにはいきません。「指摘があったのは国民年金のことだから、厚生年金のことは気にしない」と言って放置することはできないのです。

会計検査院にしても、国民年金についての徴収漏れが判明した以上、厚生年金についても同様の状況にあることを想定して調査を強化すべきだと考えるのは、自然の流れでしょう。所轄の年金事務所と会計検査院が一緒に企業の調査に入るケースも増加することが予想されます。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

さすがに社労士であっても、いつどの企業に調査が入るのか予測することは不可能です。

マイナンバー制度の効果が、厚生年金制度全体に及ぶようになっていくでしょうし、加入漏れや保険料の支払い不足があれば、さかのぼっての徴収もありますので、各企業にとって適正な厚生年金保険料の支払いは避けられないところです。

誰がいつから厚生年金に入るのか、保険料の計算はどうなるのかといった専門性の高いことは、信頼できる国家資格者の社労士にご相談ください。

 

2017.10.24.解決社労士