有期契約の無期契約への変更

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<有期契約と無期契約>

期間を定めた有期契約は、その期間が終われば原則として終了します。

ですから、次の契約が結ばれるかどうかは、雇う側と雇われる側が新しい契約を結ぼうと合意できるかどうか次第となって、雇用が不安定になりがちです。

 

この場合も、ある程度は雇い主が一方的に契約を打ち切ることが規制されています。

しかし、期間の定めのない契約に比べると、その規制の範囲は狭くなっています。

このため、契約に期間を定めないで雇用される形の方が、雇用の安定という点では安心できます。一般に正社員ではこの形です。

ところが雇う側には、簡単に無期契約での雇用に踏み切れないという事情があります。

そのため、正社員以外の雇用では、有期契約が何回も更新されるという形になりやすいのです。

 

<労働契約法の改正>

長期にわたって更新を繰り返している有期契約の社員は、正社員と同様に雇用の安定が必要であるとの観点から、平成25年に法律が改正されて、期間を定めた契約の期間を通算した期間が5年を超えた契約が結ばれた時は、その人が望めば、以降の契約を無期契約にできることになりました。

 

ただし、契約の通算が5年を超えたときに自動的に無期契約に変わってしまうわけではなく、5年を超える有期契約が終了する前に、終了後は無期契約とすることを雇い主に通知することが必要です。

こうした通知は、口頭で行うことも認められますが、言った、言わないという争いが生じないよう、日付と内容を証明できる形で伝えることが望ましいでしょう。

 

<期間通算の注意点>

期間の通算については、次の点に注意が必要です。

・平成2541日以降に開始された契約だけが通算の対象になります。

・前の契約と後の契約との間に契約が存在しない期間があるときも、原則としてそれまでの契約の期間を通算しますが、契約がない期間が、それまでに通算された契約期間の半分(1か月未満の端数が出たときは1か月に切り上げて、最高で6か月)以上空いてしまったときは、それまでの通算を終了し、次の契約から新しく通算を始めます。

・研究職や60歳定年後の雇用などの場合は、会社が手続きをすることにより例外があります。

 

<無期契約とする通知の効果>

この仕組みにより、無期契約への変更を雇い主に通知すると、たとえ雇い主が認めないとしても、次の契約は無期の契約で結ばれたものとして扱われます。

 

そのため、契約期間の終了後に雇い主が出勤を拒否することは、「解雇」として扱われますが、客観的かつ合理的な理由と、社会的相当性の両方がない限り、「解雇」は無効とされていますから、雇い主は賃金の支払い義務を負い続けることになります。

 

なお、あらかじめ無期契約への変更をしないという約束をしても無効です。

また、無期契約への変更の請求を避けるためだけに、現在の有期契約を終了させることも、雇止めの正当な理由として認められません。

 

<無期契約への変更後>

この仕組みは、有期の契約を無期に変えるものであって、非正社員の人がこの変更の権利を使ったからといって、正社員と同じ給与や処遇に自動的に変わるというものではありません。

基本的には、有期契約の中で定められていた賃金や労働条件の基準が、無期契約に変わった後も続きます。

 

この場合、実際に従事している仕事の内容、責任と人事異動等の範囲が同一であると客観的に評価できれば、他に合理的な理由もないのに労働条件に差をつけることは許されなくなるほか、できるだけ正社員と均衡のとれた処遇をすることが必要になることがあります。

 

就業規則のある職場では、無期契約への変更後について、就業規則で確認することができます。

 

2017.10.23.現在