民法改正の退職申し出への影響

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<民法改正>

平成29(2017)526日に民法改正案が参議院を通過し、成立した改正民法は、62日に公布されました。これによって改正民法は、2020年41日に施行されることになります。

民法の改正は、労働関係には影響が無いように見えます。しかし、労働契約も契約の一種ですから、民法は労働契約に適用されます。

 

<無期契約労働者からの退職申し出>

民法627条の改正により、正社員など無期契約労働者からの退職申し出の効果に、次の変更が発生します。

期間により報酬を定めている場合、たとえば完全月給制で欠勤控除が無い場合などは、退職日についての規定があります。たとえば、完全月給制で末日締切り、翌月15日支払いの場合、月給の計算期間は1日から末日です。30日ある月に、1日から15日までの間に退職を申し出れば当月の月末で退職、16日から月末までの間であれば翌月末日で退職となります。これが法改正により、退職の申し出がいつであっても、その申し出から2週間で退職ということになります。

また、6か月以上の期間により報酬が定められた労働者については、3か月前までに退職の申し出が必要でした。ところが法改正により、2週間前でよいことになります。

 

<具体的な影響>

完全月給制の場合、退職申し出のタイミングにかかわらず、給与の締日に退職ということでした。

法改正により、退職日がバラバラになり、就業規則(給与規程)に欠勤控除について、明確な計算方法が無いと困ることになります。

業務の引継ぎについても、引継ぎ期間は最低でも2週間だったのが、原則として2週間になってしまいます。

 

<合意退職なら>

ここまで述べたことは、従業員が会社に対して一方的に退職の申出を押し通すような場面を想定しています。

 

現実には、お互いトラブルを避けるため、従業員から退職の申出があった場合には、会社側が従業員と話し合って退職の段取りを決めるのが一般的です。

 

これは、合意退職という形になりますから、民法の規定にこだわらず柔軟な対応を取ることが可能です。

 

しかし、会社では突然の退職にも対応できるよう、普段からマニュアルを利用した業務遂行と業務改善を当たり前にしておきたいところです。

また、退職時のルールや異動の場合を含めた引継ぎのルールも、具体的に定めて正しく運用することで、生産性の低下を防止したいところです。

具体的に何をすべきか迷ったら、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2018.12.14.解決社労士