労災保険給付と会社の損害賠償責任

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<労災保険給付による免責の範囲>

労災保険給付がされた場合、使用者はその事故については、その給付金額の限度で民法上の損害賠償責任を免除されることになります。〔労働基準法842項類推〕

しかし、労災保険給付は慰謝料を対象としていません。また、休業損害を含め失った利益の全額を補償するものではありません。

ですから、労災保険給付がされても、使用者は労働者から慰謝料、休業損害、その他失った利益のうち補償されなかった部分については、別に損害賠償の請求を受ける可能性があります。

なお同じ労災でも、通勤災害については原則として使用者に責任がありませんから、損害賠償責任は問題になりません。

 

<安全配慮義務違反の責任>

労災保険による保険給付は、業務上の事由や通勤による労働者の負傷、疾病、死亡に対して行われます。

このうち、業務上の災害と認められ、労災保険給付が行われた場合には、被災について業務起因性が認められたということですから、使用者が安全配慮義務違反の責任を問われて損害賠償義務を負担する可能性があります。

実際に安全配慮義務違反の責任を負うのは、被災結果を具体的に予見できた可能性があったことと、被災結果を回避できた可能性があったことが必要となります。

そもそも被災結果を予見できる可能性が無かった場合や、予見できたとしても結果の発生を回避できなかったという場合には、使用者の安全配慮義務違反が問われることはありません。

また、結果を回避しなかったことが違法とは言えなかったような場合にも、安全配慮義務違反は否定されます。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

労災が発生した時に、使用者がその事実を隠して、労災保険の手続きを全くしないのは、労災隠しであり犯罪です。

中には、手続きが複雑で良くわからないから放置しているというケースもあります。

こんなときは、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.08.09.解決社労士