絶対視できない過労死ラインの基準

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<過労死ライン>

国の過労死認定基準として「法定労働時間を上回る残業時間が1か月で100時間を超えた場合、または、直近2~6か月の平均が80時間を超えた場合」という基準が有名です。具体的には、次のように用いられています。

・「脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)の認定基準について」(平成13年12月12日付基発第1063号厚生労働省労働基準局長通達)

・「心理的負荷による精神障害の認定基準について」(平成23年12月26日付基発1226第1号厚生労働省労働基準局長通達)

・ハローワークで雇用保険給付手続きをした場合に自己都合退職ではなく会社都合退職として特定受給資格者となる基準

こうしたことから、大手企業を中心に、従業員の労働時間がこの過労死ラインを超えないようにする配慮が行われています。

 

<例外の発生>

最近、山口県内の弁当販売会社で配送業務を行っていた当時50歳の女性社員について、山口労働基準監督署が労災(過労死)と認定したことが報道されています。

この女性の勤務時間は、過労死ラインを超えていなかったものの、死亡前の半年で休日が4日しか無かったことが重視されているようです。

これを受けて、今後、政府から月間労働時間だけではなく、休日労働を含めた基準が提示されることが想定されます。

 

<会社の取るべき対応>

この基準さえ守れば、会社は従業員の過労死について責任を負わずに済むという絶対の基準はありません。

ましてや、基準を守っているかのような数字を作ることによって、会社の責任が消えるハズはありません。

特定の従業員に負担が集中しているのなら、たとえ本人が望んでいる場合であっても、万一の事態を想定して負担を分散しなければなりません。

また、全社的に従業員の負担が大きいのであれば、事業の存続について行政に協力を求めるべきです。

そして、それも無理なら思い切って事業の継続を見直すことも必要です。

 

2017.05.07.解決社労士