4週間に4日以上の休日を与える変形休日制

2022/10/18|981文字

 

<法定休日の原則>

使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも1日の休日を与えます。〔労働基準法第35条第1項〕

これが法定休日です。

毎週というのは、特に就業規則などに定めがなければ、カレンダーどおり日曜日から土曜日までの7日間をいいます。

ですから、この7日間に1日も休みが無いというのは、労働基準法違反です。

ただし、労使で三六協定を交わし、所轄の労働基準監督署長に届けていれば、その範囲内で法定休日に出勤しても、使用者が罰せられることはありません。

 

<法定休日の例外>

毎週少なくとも1日の休日という法定休日のルールは、4週間を通じて4日以上の休日を与える使用者については適用しないという例外があります。〔労働基準法第35条第2項〕

これが4週間に4日以上の休日を与える変形休日制です。

これも法定休日です。

この制度を採用するには、就業規則などで4日以上の休日を与える4週間の起算日を定めておかなければなりません。

起算日というのは、4週間(28日間)を数えるときの最初の日をいいます。

これが決まっていなければ、どの4週間で4日以上の休日にするのか分からないので運用できません。

 

「毎年4月1日を起算日とする」という就業規則の規定は不都合です。

365日 ÷ (7日 × 4週)= 13.035…というように端数が出ます。

(7日 × 4週)× 13 = 364 ですから、3月末に1日だけ半端な期間ができてしまいます。

ですから、「2022年4月1日を起算日とする」などのように、特定の日を起算日として動かないようにしなければなりません。

 

<この制度を採用した場合の賃金計算の注意点>

これは法定休日の話ですから、賃金計算とは別問題です。

出勤日数が多い週には、労働時間の合計が1週間の法定労働時間を超えることになります。

この場合、1日での時間外労働とは別に、1週間での時間外労働が発生しますので、25%以上の割増賃金が必要です。

1日6時間勤務であっても、1週間毎日出勤する週には42時間勤務となりますから、40時間を上回る2時間が割増賃金の対象となります。

結論として、休日については融通の利く制度なのですが、割増賃金が増える可能性があるのです。

4週間に4日以上の休日を与える変形休日制を採る場合には、併せてフレックスタイム制などの変形労働時間制を採るのが合理的だといえるでしょう。

 

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