老齢年金をもらい始める時期の選択肢拡大

2022/02/19|828文字

 

基礎年金番号の役割

 

<現在のしくみ>

老齢基礎年金・老齢厚生年金の受給開始時期は、原則として、個人が60歳から70歳の間で自由に選ぶことができます。

繰上げ受給(65歳より早く受給開始)の場合、年金額は減額されます(1月あたりマイナス0.5%、最大5年でマイナス30%)。

繰下げ受給(65歳より後に受給開始)の場合、年金額は増額されます(1月あたりプラス0.7%、最大5年でプラス42%)。

そしてこの減額・増額は、一生涯続くことになります。

なお、繰下げについては、66歳到達以降に選択することができます。

 

<法改正の趣旨>

高齢期の就労の拡大等を踏まえ、高齢者が自身の就労状況等に合わせて年金受給の方法を選択できるよう、繰下げ制度について、より柔軟で使いやすいものとするための見直しが行われます。

 

<繰下げ受給の上限年齢の引上げ>(令和4(2022)年4月施行)

繰下げ受給の上限年齢が70歳から75歳に引き上げられます。

これによって、受給開始時期を60歳から75歳の間で個人が選択できるようになります。

ただしこの改正は、改正法施行時点で70歳未満の人に適用されます。

繰下げについて、66歳到達以降に選択することができるのは従来と同じです。

繰下げ増額率は1月あたりプラス0.7%で変更されませんので、最大10年でプラス84%となります。

75歳以降に繰下げ申出を行った場合でも、75歳に繰下げ申出があったものとして年金が支給されます。

 

<繰上げ受給の減額率変更>(令和4(2022)年4月施行)

繰上げ減額率が1月あたりマイナス0.5%からマイナス0.4%に変更されます。

最大5年でマイナス30%からマイナス24%となります。

 

<70歳以降に請求する場合の5年前時点での繰下げ制度>(令和5(2023)年4月施行)

70代(70歳以降80歳未満の間)で請求し、かつ請求時点における繰下げ受給を選択しない場合、年金額の算定に当たっては、5年前に繰下げ申出があったものとして年金が支給されます。

PAGE TOP